現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「プチ・アルファード」トヨタエスクァイアはなぜ販売終了になったのか?

ここから本文です

「プチ・アルファード」トヨタエスクァイアはなぜ販売終了になったのか?

掲載 23
「プチ・アルファード」トヨタエスクァイアはなぜ販売終了になったのか?

 トヨタの人気ミドルクラスミニバンといえば、「ノア」そして「ヴォクシー」だが、先代には「エスクァイア」というモデルも存在した。ノアやヴォクシーよりも煌びやかなエクステリアが与えられていたエスクァイアは、「プチ・アルファード」ともいわれていたが、残念ながらたった一世代で生産終了に。なぜエスクァイアは、生産終了となってしまったのだろうか。

文:吉川賢一/写真:トヨタ

「プチ・アルファード」トヨタエスクァイアはなぜ販売終了になったのか?

【画像ギャラリー】既に廃版となった高級ミニバン、エスクァイアの雄姿を写真で総チェック!!(13枚)

「高級路線」がウリだったエスクァイア

 先代のノア/ヴォクシーが登場したのは、2014年1月のこと。エスクァイアはその9か月後となる2014年10月に登場した。正統派ミニバンの王道を狙ったノアと、チョイ悪お父さん好みの厳つさを狙ったヴォクシーに対し、エスクァイアは大人っぽく高級な存在感を狙ったモデルとして登場した。

 ガソリン車とハイブリッド車があることや、ちょうどよいボディサイズ、使い勝手のよいインテリアなどは、3兄弟で全く同じ。しかしながら、そのエクステリアから受ける印象は全く異なり、ノア/ヴォクには存在したエアロ仕様は設定がなかったものの、エスクァイアは、メッキ面積が広めのフロントフェイスによって、ワンランク上の高級ミニバンを上手く表現していた。そのギラギラな雰囲気から、「プチ・アルファード」ともいわれていた。

2017年9月に後期モデルにマイナーチェンジしたエスクァイア(80系)。写真はエスクァイア後期型「Giプレミアムパッケージ」

エスクァイアのインテリア。内装のデザインはノアヴォクと共通。ブラウンの本革シートは高級感があって大人の雰囲気にあふれていた

高級感でもコスパでも、アルファードに敵わなかった

 しかしながら、2022年1月にノア/ヴォクシーがモデルチェンジとなった一方で、エスクァイアはモデルチェンジとならず、生産が終了に。2020年5月にトヨタの販売店が統合されたことで、車種統一を図った当時の事情もあったが、先々代のころから根強いファンがいたノア/ヴォクに対し、エスクァイアの人気がさほどでもなかったことが影響したようだ。

 大人の高級ミニバンを狙うならば、よりゴージャスなアルファード/ヴェルファイアがある。しかもアルファード/ヴェルファイアは4~5年乗っても査定価格が落ちにくいなど、残価率が高いために高額車でありながらコスパに優れる。むしろエスクァイアに乗るよりもアルファードのほうがコスパがいいくらいだ。個性であるはずの高級感でも、コスパでもアルファードに敵わなかったことで、エスクァイアを選ぶ理由が乏しく、そうしたこともモデル廃止となった要因となったのだろう。

使い勝手のよいインテリアは、素材にもこだわってつくられていた

しかしながら、いま中古車市場ではエスクァイアが大人気

 しかしながら、エスクァイアはいま、中古車市場でひっぱりだこ状態。某中古車サイトの相場をチェックすると、12月初旬時点で、ガソリン車の2019年式は215~337万円、2020年式は190~336万円、2021年式は269~340万円。ハイブリッド車は、2019年式は243~373万円、2020年式は243~383万円、2021年式は311~385万円。販売終了から5年が経つのに300万円超えを記録しているのだ。

 実はエスクァイアはいま、南アジアのバングラデシュで爆発的人気となっており、中古車輸出に詳しい自動車買い取り専門店の担当者によると、エスクァイアの煌びやかなフロントマスクが派手なクルマを好むバングラデシュの人の間で非常に人気となっているとのこと。なかでもハイブリッド車の需要が高く、中古車業者向けオークションで落札されたエスクァイアハイブリッドのほとんどが、バングラデシュへと輸出されているという。

 バングラデシュには、「製造5年落ちまで」という中古車輸入に関する規制があるが、エスクァイアの製造は2021年までなので、このバングラデシュの規制にかかるまであと2年。この「限定品」ぶりも、バングラデシュでのエスクァイア人気に拍車をかけているようだ。

エスクァイアのモデリスタからエアロ仕様。この手のエアロパーツ付きカスタムカーは、さらに高値で落札されている。こうした珍しい仕様は、海外から強い需要があるという

◆     ◆     ◆

 「プチ・アルファード」と言われながらも、兄弟車が華々しくフルモデルチェンジをした一方で、ひっそりと姿を消したエスクァイア。モデル廃止とならずに、ノア/ヴォク同様にフルモデルチェンジをしていたら、残価率の高さから、3兄弟でもっとも人気のあるモデルに成長していたかもしれない。

【画像ギャラリー】既に廃版となった高級ミニバン、エスクァイアの雄姿を写真で総チェック!!(13枚)

投稿 「プチ・アルファード」トヨタエスクァイアはなぜ販売終了になったのか? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

デカ!! え、5ナンバーサイズなん?! 430セドリックはなんで巨大に見えるのか問題
デカ!! え、5ナンバーサイズなん?! 430セドリックはなんで巨大に見えるのか問題
ベストカーWeb
ガソリン1Lで「36km」走れるクルマも! 補助金縮小で「ガソリン価格10円値上げ」に絶望…! 乗るなら「ガソリン代安くてサイコー!」な低燃費車が良い! エコなクルマ“TOP10”
ガソリン1Lで「36km」走れるクルマも! 補助金縮小で「ガソリン価格10円値上げ」に絶望…! 乗るなら「ガソリン代安くてサイコー!」な低燃費車が良い! エコなクルマ“TOP10”
くるまのニュース
トヨタ「ハイエース」特別仕様車がスゴイ! 全長4.7m級の「ちょうどイイサイズ」! 豪華“木目”内装ד快適”シート装備の「ハイエース“ダークプライム”」とは
トヨタ「ハイエース」特別仕様車がスゴイ! 全長4.7m級の「ちょうどイイサイズ」! 豪華“木目”内装ד快適”シート装備の「ハイエース“ダークプライム”」とは
くるまのニュース
[奇天烈的なパッケージ] マツダを立て直した救世主!!!!! 初代[デミオ]は何がすごかったのか!?
[奇天烈的なパッケージ] マツダを立て直した救世主!!!!! 初代[デミオ]は何がすごかったのか!?
ベストカーWeb
どっちも良くて選べねぇ! スバル [インプレッサ]と[クロストレック]どちらがいいの!?
どっちも良くて選べねぇ! スバル [インプレッサ]と[クロストレック]どちらがいいの!?
ベストカーWeb
「“レクサスNX”の購入を検討していますが、月々いくらで買えますか?」に大反響! よく街でみる高級SUV! “毎月の支払いを抑える”購入方法とは?
「“レクサスNX”の購入を検討していますが、月々いくらで買えますか?」に大反響! よく街でみる高級SUV! “毎月の支払いを抑える”購入方法とは?
くるまのニュース
新型はEVだけってのはやめて!! 日産復活ならマーチ必要説
新型はEVだけってのはやめて!! 日産復活ならマーチ必要説
ベストカーWeb
世界に1台!! しかもホンモノ!! ポルシェ911カレラSカブリオレのお値段がスゴイ
世界に1台!! しかもホンモノ!! ポルシェ911カレラSカブリオレのお値段がスゴイ
ベストカーWeb
走りも内外装もどちらもいいのよ! 現行型[ホンダ N-ONE RS]買うなら今よ
走りも内外装もどちらもいいのよ! 現行型[ホンダ N-ONE RS]買うなら今よ
ベストカーWeb
なぜもっと早く投入できなかった?? 日産が中国市場向けBEV「N7」を公開
なぜもっと早く投入できなかった?? 日産が中国市場向けBEV「N7」を公開
ベストカーWeb
レクサス新世代”顔”公開!! まるでセンチュリー級の内装!! トヨタ本気の1台「LF-ZL」の凄さとは?
レクサス新世代”顔”公開!! まるでセンチュリー級の内装!! トヨタ本気の1台「LF-ZL」の凄さとは?
ベストカーWeb
別次元に超絶進化!! 新型[アルファード]は先代と比較してなにが良くなった?
別次元に超絶進化!! 新型[アルファード]は先代と比較してなにが良くなった?
ベストカーWeb
ついに最後の特別仕様車!! [スイフトスポーツ]のファイナルエディションが正式に出た!!!!
ついに最後の特別仕様車!! [スイフトスポーツ]のファイナルエディションが正式に出た!!!!
ベストカーWeb
[日本にも欲しい] イケてる[三菱]復活への布石か!? スポーティな[コルト]が登場!!!!!!! 
[日本にも欲しい] イケてる[三菱]復活への布石か!? スポーティな[コルト]が登場!!!!!!! 
ベストカーWeb
買うなら今よ! 3代目[トヨタ・ヴィッツRS]走りが楽しすぎる件
買うなら今よ! 3代目[トヨタ・ヴィッツRS]走りが楽しすぎる件
ベストカーWeb
え、なんで売ってんの!? フェラーリ458イタリアのボディ一式が売ってるゾ
え、なんで売ってんの!? フェラーリ458イタリアのボディ一式が売ってるゾ
ベストカーWeb
新たな[スーパーハイトワゴン] [ワゴンRなのにスライドドア ]で148万円からあるスマイル
新たな[スーパーハイトワゴン] [ワゴンRなのにスライドドア ]で148万円からあるスマイル
ベストカーWeb
802台しか生産されなかったロールス・ロイスが400万円ほどで落札!「シルバー スパー」は希少性が独自の価値を生み出している? 今後値上がり必至!?
802台しか生産されなかったロールス・ロイスが400万円ほどで落札!「シルバー スパー」は希少性が独自の価値を生み出している? 今後値上がり必至!?
Auto Messe Web

みんなのコメント

23件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

266.4326.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0398.0万円

中古車を検索
エスクァイアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

266.4326.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0398.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村