アストンマーティンは10月4日、イタリアのデザインスタジオ、ザガートが手がけた限定車「DBS GTザガート」の実車を、米国ロードアイランド州でのカーイベントで世界初披露した。
今回初めてベールを脱いだDBS GTザガートは、およそ60年に渡るアストンマーティンとザガートのパートナーシップを記念して19台のみ製作されるモデル。復刻生産される「DB4 GTザガート」と2台セットで「DBZ センテナリーコレクション」として販売され、あわせて税抜き600万ポンド(約7.9億円)というプライスタグが付く。
スーパーノヴァ・レッドという特別塗装をまとったDBS GTザガートのエクステリアは、アストンマーティンのアイデンティティを保ちながら、ダブルバブル形状のリアウインドウなど随所にザガートらしいオリジナリティを感じさせるもの。また、ルーフとリアディフューザーはグロスフィニッシュのカーボンファイバー、前後のブランドロゴは無垢の18金という具合にコストのかかる装備が惜しみなく奢られているのもアピールポイントだ。
インテリアは外装カラーと調和したレッドレザー仕立てとなり、シートにはザガートのモチーフである「Z」パターンのキルティングが施される。自動車業界として初となるカーボンと金属の3Dプリント素材をインテリアトリムに採用したことも注目で、物理蒸着で実現したゴールドのトリムは、プリントにほぼ100時間を要し、さらに職人による入念な磨きを経ているという。
パワーユニットは、760馬力をしぼり出す5.2L V12ツインターボ。排気量が示すように、フラッグシップクーペ「DBS スーパーレッジェーラ」のユニットがベースだが、DBS GTザガートへの搭載にあたり、出力が40馬力近く引上げられ、カタログモデルと差別化が図られている。
もう1台のDB4 GTザガートも、本社に併設されるレストアセンターにおいて、サー・デイビッド・ブラウンの時代と同じ手法でハンドビルトされる逸品という。超高額ではあるものの、DBZ センテナリーコレクションがコレクターの注目を集めるのは間違いなく、完売は確実だろう。
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