スバルのミドルクラスSUVのフォレスターに“STI SPORT”が追加された。STIチューンのサスペンションや専用ダンパーは、快適な乗り心地とスポーティな走りを実現している、とのこと。その本領を確かめるべく、ショートドライブに出かけてみた。(Motor Magazine 2023年1月号より)
専用設計のサスペンションを採用
スバルのモータースポーツ部門で、ニュルブルクリンク24時間レースやスーパーGTの最前線で戦っているスバルテクニカインターナショナル(STI)が、SUVモデルのフォレスターに、その高い技術を投入。カタログモデルとしていよいよ、『STII SPORT(STIスポーツ)』がラインナップに加わった。
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フォレスター STIスポーツは、ひとことで言えば「走りの精度を極めた」モデルだ。それは、単にスポーティなハンドリングだけでなく、上質な乗り味や内外装といったアピアランスに至るまで、磨きぬいていることを意味する。専用設計のサスペンションなど、そのこだわりは徹底している。
搭載されるのは1.8LデュアルAVCS直噴ターボ「DIT」で、177ps/300Nmのスペックを持つ。フロントサスペンションにはSTIチューニングのAstemoo製周波数応答型ショックアブソーバーを採用し、合わせてリアサスペンションをセットアップすることで、優れたハンドリング性能と安定感を高次元で両立している。
走りにより磨きがかかったSTIスポーツの快適さ
その走りは、まさに贅肉をそぎ落としたアスリートのような乗り味で、ボディは常にフラット感をキープ。背が高いSUVモデルにもかかわらず、ハンドルを切り込んでいった時の応答性の良さは絶品。遅れがない上に正確なトレースをしてくれることで、安心してコーナーをクリアしていける。
このあたりは欧州勢の重いながらも剛性感に優れたステアリングフィールと共通するものの、手応えがしっとりとしていて上質。リアの安定感の高さも同様に高レベルながら、動きにカドがないのがフォレスターの魅力だ。リアの追従性が良いことから、姿勢の乱れが少なくGも安定している。
シンメトリカル4WDシステムは旋回中に大きくアクセルペダルを踏み込んでいった時や高速旋回中に駆動力が的確に4輪へ振り分けられ、安定感をキープ。滑りやすい路面での発進加速では一瞬、フロントが滑るような気配を見せるが、即座にボディ全体がハンドルの向いている方へ落ち着いて発進し、4輪駆動の力強さを認識した。
「STI」のネーミングから走りだけを極めた印象を持っていたが、実際はシックで高級感あるインテリアに、安定した走りによる快適な乗り心地に加え、シンメトリカル4WDならではの重量バランスの良さを最大限生かすことで、走りに磨きがかかった。
結果、無駄な動きによるノイズ発生を抑え、静粛性も向上。まさにSTIによる調律によって、フォレスターは理想的な旋律を奏でてくれる存在に進化したのだ。(文:瀨在仁志/写真:伊藤嘉啓、井上雅行)
■スバル フォレスター STIスポーツ主要諸元
●全長×全幅×全高:4640×1815×1715mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1570kg
●エンジン:対4DOHCターボ
●総排気量:1795cc
●最高出力:130kW(177ps)/5200-5600rpm
●最大トルク:300Nm/1600-3600rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー ・63L
●WLTCモード燃費:13.6km/L
●タイヤサイズ:225/55R18
●車両価格(税込):363万円
[ アルバム : スバル フォレスター STIスポーツ はオリジナルサイトでご覧ください ]
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