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【3代目へモデルチェンジ】プジョー308 ハイブリッド180へ試乗 総合179psのPHEV 

掲載 更新 7
【3代目へモデルチェンジ】プジョー308 ハイブリッド180へ試乗 総合179psのPHEV 

カッコ良いプジョーのハッチバック

執筆:James Attwood(ジェームス・アトウッド)

【画像】新型 プジョー308のPHEV 欧州で競合となるハイブリッド・ハッチバックと比較 全89枚

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


2代目プジョー308が発売されたのは2013年。大胆なデザインで、プジョーの新世代をリードする存在だった。だが競争が激しい家族向けハッチバックとして、近年は旧式感を隠せないでいた。

2代目308の仕上がりは悪くなかった。しかし、このクラスにはデフォルトとして選択肢の最上位に入る、有力モデルが2台存在する。ご存知のとおり、フォルクスワーゲン・ゴルフとフォード・フォーカスだ。

2代目308は、光の当たる存在とはいえなかった。しかしPSAグループは、シトロエンとプジョーとの差別化に注力。プジョーとして、まったく新しいデザイン展開をスタートさせた。その先頭に立ったのが、クロスオーバーの3008といえる。

3代目308は、そのデザインをさらに進化。プジョーがテクスチャードと呼ぶ、細かなグラフィック処理が施されたフロントグリルや、ライオンクローと呼ぶLEDデイライトなどは、いかにも最新のプジョー車らしい。

レトロ感のある新しいプジョー・ロゴも、初めて量産車として採用された。ステランティスが目指す、「独創的で上級なジェネラリスト・ブランド」を象徴するマークとなる。だがこれは、グループ内でのマーケティング意向が強い気がする。

とはいえ、308への意気込みは大きい。実際、プジョーのハッチバックが、これほどカッコ良く感じられるのは久しぶり。これより以前は、と歴代モデルを振り返ってみると、306の時代にたどり着くのは筆者だけではないだろう。

PHEVに加え、2023年には純EV版も

見た目だけでなく、その内側も大きく進化している。ただし、プラットフォームは2代目308が採用していたEMP2。その最新バージョンで、クロスオーバーの3008とも共有する。他にも、ステランティス内のモデルに多く採用されている。

EMP2はハイブリッドを含む、幅広い内燃エンジンに対応する。308には、1.2Lのガソリンターボと1.5Lのディーゼルターボ、2種類のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)が当初搭載される。

一般的なハイブリッドも追加される見込みで、2023年には純EV版も投入予定。こちらの308は、EMP2の後継版となる、純EVに特化したSTLAミディアム・プラットフォームを採用することになるだろう。

PHEVの最高出力には2段階が用意されるが、エンジンはどちらも1.6Lのガソリンターボ。チューニング違いで、179psと224psを発揮する。駆動用モーターは110ps、駆動用バッテリーは12.4kWhが共通で組み合わされる。

バッテリーが満充電なら、最長54kmを電気モーターだけで走行可能。試乗車はハイブリッド180と呼ばれる最高出力が低い方で、CO2の排出量は25g/kmがうたわれる。

インテリアを覗いて、真っ先に気がつくのは最新版のiコクピット。小さめのステアリングホイールが低い位置にレイアウトされる、プジョー独自のデザインだ。

しばしば物議を醸す運転環境ではあるが、実際に押せるハードボタンも多く残されている。タッチモニターやタッチセンサーで溢れる新しいフォルクスワーゲン・ゴルフより、クルマに乗り慣れてきた人には親しみやすく感じられると思う。

調律されたパワートレインと強みの乗り心地

メーターパネルもモニター式。見慣れてしまえば、不満を感じることはなさそうだ。

ステアリングホイールの操作スイッチは見直され、メーター用モニターと、10インチのインフォテインメント用タッチモニターの表示内容もカスタマイズ可能となった。上位トリムグレードでは、メーター用モニターには3D効果も与えられる。

インフォテインメント用モニターは高精細。インターフェイスはゴルフほど直感的ではなく、レイアウトも今ひとつだと思う。ソフトウエアは無線通信でのアップデートに対応しているから、追って改善されるかもしれない。

ホイールベースは先代より55mm伸ばされ、車内空間は家族利用に不足ない広さがある。シートの座り心地は良く、リアシート側の空間にもゆとりがある。

荷室容量は412Lと、競争力は充分。ただし、PHEVでは361Lへ小さくなる。プジョーは、車内各所に合計34Lの小物入れがあることもポイントだとしている。

PHEVのパワートレインは、しっかり調律されている印象。駆動用バッテリーの充電量があれば、EVモードで静かに滑らかに発進する。ガソリンエンジンが起動しても、振動は最小限に抑えられている。

システム総合での最大トルクは36.7kg-mあり、加速力はたくましい。アクセルペダルを深く踏み込まない限り、エンジンの洗練度も高いようだ。

最新の308で強みとなるのが、乗り心地。試乗車は17インチのホイールを履いていたが、とても快適だった。路面からの入力をしなやかに吸収する。スムーズなPHEVシステムと組合わさり、心地良く運転できる。

総合得点ならかなりの上位

新しい308は、PHEVを選ぶと車重が300kgも重くなる。だが、システム総合でのパワーも増強され、動的特性での重荷感はない様子。乗り心地も、18インチホイールを履いたPHEVではない1.2L版より優れているようだった。

ステアリングの反応は良好で、郊外の道でも運転のしがいがある。やや操舵感が軽く、感触は薄い。気張って運転するタイプではないが、都市部での運転はしやすい。

ドライバーとの一体感ではフォード・フォーカスに及ばないものの、トヨタ・カローラより好感触。流れの速いカーブの続く道でも、笑顔にしてくれる。

最新のプジョー308には、若返り感が強くある。先代には欠けていた躍動感も感じる。Cセグメントのハッチバックとして、プレゼンスを高めようという意思の表れだろう。

今回は、新生プジョー308のハイブリッド180への試乗となったが、PHEVのハッチバックとして競争力は高い。クラスリーダーと呼べるほどではないが、EVモードでの航続距離や低いランニングコストは、主要なライバルに伍せる。

総合得点なら、かなり上位の仕上がりだといえる。とはいえ、このクラスのハッチバックを検討していて、ブランドにとらわれず客観的に俯瞰するなら、依然としてフォード・フォーカスやフォルクスワーゲン・ゴルフが最有力かもしれない。

だがクルマの購入動機は、客観的な理由だけではない。最新プジョーのスタイリングへ惹かれ、308を選ぶという気持ちも十二分に理解できる。その決定には、高い満足感が付いてくるはずだ。

プジョー308 ハイブリッド180 アリュール・プレミアムE-EAT8(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万3835ポンド(514万円)
全長:4367mm
全幅:1852mm
全高:1441mm
最高速度:223km/h
0-100km/h加速:7.6秒
燃費:75.4-99.5km/L
CO2排出量:25g/km
車両重量:1603kg
パワートレイン:直列4気筒1598cc+電気モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:12.4kWhリチウムイオン
最高出力:179ps/2500rpm(システム総合)
最大トルク:36.7kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

7件
  • これで500万もするの?
  • ›テクスチャードと呼ぶ細かなグラフィック処理が施されたフロントグリル

    MGのスターライダーグリルとの違いが……。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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