10月6日から8日にかけて、東京・お台場地区の臨海副都心エリアで「東京モーターフェス2018」が開催された。日本自動車工業会が開催した同イベントは、東京モーターショーのない年に開催されるもので、オープン会場のメリットを活かして、動くモーターショー的なプログラムが多数盛り込まれているのが特徴のひとつ。とはいえ、特設コースはけっして広いものではなく、動いてはいても全開というわけにはいかないだろう……というのが始まる前の第一印象だった。
しかし、驚かされたのは10月7日に第一特設会場のメインステージで行なわれたWRCトークショー。そこでは現時点で2018年のWRCマニュファクチャラー(製造者部門)ランキングトップのトヨタ・ヤリスWRCが、タイヤスモークを上げ、またインリフトをするほどの激しい走りを披露していたのだ。デモンストレーションが行なわれるというのは噂になっていたが、コースの狭さもあってエンジンをかけて低速で動いてみせるというレベルのものを想像していた観客も少なくなかっただろう。しかし、度肝を抜くような走りが想像以上だったためか、観客の多くは唖然としているようだった。
観客が驚いた理由は、走りが激しかっただけではないだろう。バリバリの最新ワークスマシンを走らせているのが、自工会・会長でありトヨタ自動車・社長である豊田章男氏だったのだ。モリゾウというレーシングドライバーとしての別名を持つ豊田氏がドライビングテクニックを磨いてきたことは知られているし、これまでもプロモーションムービー内では様々なクルマを全開走行している様子が紹介されてきた。しかし、これほど狭いコースでヤリスWRCを安心して走らせることができるテクニックを有しているとは、思いもよらなかった。観客とコースを隔てているのは2重の柵だけで、一歩間違えば大きな事故になってしまう。もし豊田氏の運転でそんなことになったら大スキャンダルになることは疑う余地もない。安全に配慮した広い場所でワークスマシンを動かすというのとは、リスクのレベルが違う。東京モーターフェスという公の場において、豊田章男氏がヤリスWRCを全開走行できるということは、ドライビングテクニックに対してそれだけの信頼を得ているということの証左だ。
豊田氏は「自動車というのは数ある工業製品の中で、唯一『愛』がつくものです」と事あるごとに話しているが、ここまでのドライビングテクニックを磨くという情熱に、トップ自らの自動車愛を感じずにはいられない。どんなに環境に恵まれていても、WRCのワークスマシンを自在に操るレベルまで自身を鍛えるというのは生半可な気持ちではできないだろうからだ。これだけのテクニックを持っているトップが自動車メーカー、そして日本の自動車工業を率いているというのは、ここ数年の流れからすると当たり前のように感じてしまうかもしれないが、歴史的には非常に稀有な状況。このレベルで自動車を動かすということを理解している経営トップは、世界的に見てもオンリーワンの存在であるはずだ。世界的な自動車トレンドとしては自動運転やシェアリングなど機械として道具としての進化に向かっているが、日本の自動車が『愛』をキーワードに、その存在感をましていくことに期待が高まる。
文:山本晋也
自動車コミュニケータ・コラムニスト
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