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デビュー以来、高人気を続けるホンダのクロスオーバーSUV「ZR-V」。その人気の秘密を探る

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デビュー以来、高人気を続けるホンダのクロスオーバーSUV「ZR-V」。その人気の秘密を探る

ホンダの新たなCセグメント クロスオーバーSUVとして2023年4月に日本で発売されて以来、人気を集めているZR-V。その秘密はどこにあるのか。実際の販売データや試乗インプレッションとともに探ってみたい。

いかにも「スポーツ ユーティリティ ビークル」らしい
2022年4月に北米向けに発売された「HR-V」をベースに、日本市場向けにアレンジして同年7月に公開された「ZR-V」。コロナ禍などの影響もあり、発売は2023年4月となったが、以来いまもなお高人気が続いている。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

実際に乗ってみると、その人気も分かるような気がする。まず、都会でも扱いやすい適度なサイズ。SUVならではの高い車高で(それでも1.6mあまりにおさえられているが)ドライバーのアイポイントは高く、視界も良いので車両感覚をつかみやすい。SUVならではで最低地上高も高めにとられているから、多少のラフロードなら気にせず走れる。

ラゲッジスペースはリアシート使用時でも9.5インチのゴルフバッグなら3個、Mサイズのスーツケースなら3個積載可能。パワーテールゲートも備えており、ユーティリティは高い。もちろんホンダセンシングなどの安全運転支援システムは全グレードで標準装備している。

そして、シビック譲りのパワートレーンは、SUVであってもダイナミクス性能を重視した、意のままに操る愉しさも備えている。今回、撮影のために試乗したのはハイブリッド(e:HEV)のFF車だったが、走りっぷりはSUVを意識させないもの。市街地走行などではモーター主導で静かに走り、ハイウエイなどで意識的にアクセルペダルを踏み込めばエンジンがアシストして、レスポンス良く加速する。

ハンドリングも素直で、コーナリング時のロールも抑えられており、少し目線は高いもののSUVではなくシビックに乗っているように思えてしまう。今回、取材の足を兼ねて約440km(ハイウエイ走行が7割、市街地走行が3割くらい)走行し、平均燃費計は18.5km/Lを記録した。ZR-Vは、まさにSUV=スポーツ ユーティリティ ビークルという名称を具現化したようなモデルだ。

2024年夏発売予定の特別仕様車も受注を開始
そんなZR-Vは、2023年4月に発売されてから11月までで、約1万8000台を販売している。ちなみに、11月は過去最高の4117台を販売し、ランキングでは20位。月間販売目標台数は発表されていないが、日産 エクストレイル(2439台:24位)、トヨタ RAV4(2330台:25位)、マツダ CX-5(2009台:27位)といったライバルよりは販売台数を伸ばしている。

2023年12月末の段階で(以下、同じ)、受注から納車までの期間は、e:HEVが約10カ月、ガソリン車が半年程度という。夏ごろには1年待ちといわれていたが、多少は改善されたようだ。2024年夏発売予定の特別仕様車「ブラックスタイル」を2023年10月に公開して受注を開始したのも、ZR-V人気を反映してのことだろう。

人気グレードのトップ3は、

1位:e:HEV Z(約80%)
2位:e:HEV X(約8%)
2位:ガソリン Z(約8%)

と、ハイブリッドのトップグレードがダントツの人気で、パワートレーンの比率でも約9割がハイブリッドのe:HEVを選んでいる。e:HEVのZとXでは車両価格に60万円の差(FF/4WDとも同じ)があるが、本革パワーシート、BOSEサウンドシステム、ホンダコネクト対応ナビゲーションなどを標準装備しているから、ほとんどオプションが不要と考えて、Zを選ぶ人が多いようだ。

なお、FFと4WDの比率は、FFが約7割、4WDが約3割。SUV=4WDと考えてしまいがちなのだが、ZR-Vではスタイル重視でシティユースのユーザーが多いのだろう。最低地上高も高いし、スタッドレスタイヤを履いていれば都会の積雪程度ならFFでも問題はない。

人気のボディカラーは、具体的には公表されていないのだが、プラチナホワイトパールやクリスタルブラックパールなど、モノトーン系の人気が高いという。訴求色のプレミアムクリスタルガーネット メタリックや、今回の試乗車のミッドナイトブルービーム メタリックなども、ZR-Vのスタイリングに似合うと思うのだが。

人気の秘密は、なんといっても走りとスタイル
トップグレードのZでは装備が充実しているため、メーカーオプションはリアシートヒーターくらい。それも4WDには標準装備だ。したがって人気のメーカーオプションは、Xを買ったユーザーがワイヤレス充電器を装着するくらいだという。

購買層の男女比率や平均年齢なども公表されていないが、40~50代が中心だという。ホンダではZR-Vのデビュー時に「子育てを頑張っていても、クルマに妥協することなく好きなクルマに乗りたい」ユーザーがターゲットと言っていたが、そうした人や、それよりも少し上で子育てが終わった世代まで人気を集めているようだ。

購入時に重視したポイントは、やはり走りとスタイル。e:HEVによるハイブリッドならではの走りの良さと好燃費、そして「グラマラスとエレガント」をコンセプトに流れるようなシルエットとスポーティなスタンスを球体のようなひとつのボリュームに凝縮した、そのデザインが高く評価されている。なお、新規購入比率は約3割。サイズの割りには運転しやすいから、初めてのクルマとしてZR-Vを選ぶ人がかなりいるのも興味深い。

2021年4月に登場以来、こちらも人気の高いヴェゼル、2024年3月発売予定のWR-Vを従えて、日本市場ではホンダSUVブラザーズの兄貴分として存在感を示すZR-V。その人気は、まだまだ衰えることはなさそうだ。(文:篠原 政明/データは本田技研工業 調べ)

ホンダ ZR-V e:HEV Z 主要諸元


●全長×全幅×全高:4570×1840×1620mm
●ホイールベース:2655mm
●車両重量:1580kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:1993cc
●最高出力:104kW(141ps)/6000rpm
●最大トルク:182Nm(18.6kgm)/4500rpm
●モーター最高出力:135kW(184ps)/5000ー6000rpm
●モーター最大トルク:315Nm(32.1kgm)/0−2000rpm
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・57L
●WLTCモード燃費:22.0km/L
●タイヤサイズ:225/55R18
●車両価格(税込):399万9600円

[ アルバム : ホンダ ZR-V 人気の秘密を探る はオリジナルサイトでご覧ください ]

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