2021年9月14日に発売されたトヨタの新型SUV「カローラクロス」。納車は来年といった話も出てきているが、販売最前線での動きはどうなっているのだろうか。
販売現場の内情に詳しい筆者が、販売店の様子を取材してきた。受注状況やライバルとの関係性など、カローラクロスの販売最前線をお伝えしていく。
文/佐々木亘、写真/TOYOTA、編集部
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■予想を上回った新型カローラクロスの初期受注
2021年の新型車のなかでも注目度が高かったカローラクロス。ヤリスクロス・ライズ・ハリアーなどに続き、大ヒットのSUVとなるのか
発表されてからは間もないものの、事前受注は8月22日頃からスタートし、予約注文期間を含めれば、立ち上がりから1か月程度が経過した。カローラクロスのスタートダッシュは成功したのだろうか。
情報が多く出ていたこともあって、ユーザーの動き出しは早かったと、トヨタ販売店スタッフは口を揃える。事前受注活動は、販売店の想像よりも好調に推移したようだ。
実際に月販目標4000台のところ、事前受注開始から約1か月で、およそ1万3500台の注文が入っている。
爆発的な売れ行きではないが、注目度が高く、価格も手ごろなクルマなだけに、今後も底堅く好調な販売は続くだろう。
■ライバルは納期? 身内のSUVもヴェゼルも「眼中にはない」
2021年4月にフルモデルチェンジが行われたホンダ ヴェゼル。Bセグに位置するが、新型になりCセグにも負けない居住性や質感の高さで、発売以来好調な売れ行きを見せている
SUV戦国時代ともいえるいま、カローラクロスのライバルは多く、その動向にも注目が集まる。
まずは身内のトヨタ陣営だが、今のところ激しくぶつかり合う車種はなさそうだ。ハリアー・RAV4と、ヤリスクロス・ライズの隙間を埋める位置のカローラクロスが、仲間の需要を食いつぶすことも想像しにくい。トヨタラインナップのなかでは、上手く役割分担ができている印象である。
商談中に競合車として名前が挙がるのは、ホンダ ヴェゼル、スバル フォレスター、マツダ CX-3が中心だという。また一部ではあるが、輸入車SUVで、フォルクスワーゲン ティグアン、アウディ Q2といった名前も挙がった。しかし、ライバルの存在を気に掛ける営業マンは少ない。
また、新型車のカローラクロスだが、商談初期から堂々と値引きがおこなわれているようだ。ニューモデルは軒並み値引きゼロが多いトヨタだが、カローラクロスでは様相が違う。筆者が現車確認をしながら営業マンと話していると、「このクルマは10万円の値引きができますよ!」と宣言されるほどだ。(値引き額については筆者調べの参考金額)
コストパフォーマンスで他を圧倒するカローラクロス。他メーカーのライバルに対し、劣る部分を筆者が尋ねると、「唯一ですが、納期の長さが……」と頭を抱える姿が印象的だった。
■暗雲立ち込める納期状況と対照的な明るい販売見通し
部品生産国での新型コロナウィルス感染拡大によって、工場が稼働できず部品不足が長期化。カローラクロスを生産をするトヨタ自動車高岡工場も、停止せざるを得ない事態に追い込まれた
気になる納期だが、現在のところ「Z」グレードで4か月程度、他のグレードでは5か月~半年ほどを見たほうがいい。
工場の稼働停止が相次ぐなか、納期について不確定な部分が多い。販売店によって対応はさまざまとなっており、ハッキリと「4か月」を明示するところもあれば、「今のところ予約受注に対するメーカーからの配車回答も来てないのでわからない」と、明言を避けるお店もあった。
取材時点(発表日から約1週間後)で、「年内はギリギリ間に合うかどうか」という声が多かったため、本稿が掲出時点での、2021年中の納車は非常に厳しい状況だ。
生産をするトヨタ自動車高岡工場は、9月1日~17日、27日~30日、10月の全ての木曜日と金曜日(9日間)の稼働停止をすでに発表した。今後も部品の調達状況などが芳しくなければ、稼働停止日はさらに増える可能性もある。
事前注文を入れていたユーザーはすでに、当初の目算よりも1か月以上、納車の時期が後ろにズレ込んでいる。発表および生産開始時期が、ちょうど工場稼働停止発表と重なったカローラクロス。余裕をもって、半年程度は待つ気持ちで商談に臨むべきだろう。
販売現場では、見通しの悪い納車スケジュールに対し、不満も出てきている。商談後に他メーカーのクルマに決めたと断られる理由のほとんどは、納期を理由にしたものだという。クルマが良いだけに、現場にとっては、もどかしい状況が続く。
しかし、今後の売れ行きに関しては明るい材料も多い。カローラクロスではプリウスからの乗り換えが非常に多いという。特に30系プリウスを下取りにする注文が増えており、今後もこの流れは続くはずだ。
自社管理顧客へ攻勢をかける際に、30系プリウスがターゲットとなるのは大きな助けになる。あの大ヒットしたプリウスは、管理顧客の中に大きな割合で存在するのだから。
今後しばらくは、カローラクロスの営業先に困ることはないだろう。販売実績も好調な今の状況が、少なくとも年度末までは続くとみていい。
◆ ◆ ◆
筆者も見積もりをしてみて、充分なクルマの内容に対してトータル金額が安すぎることに驚いた。コスパは抜群でサイズも手ごろとくれば、売れない理由を探す方が難しい。
ライズ・ハリアー・ヤリスクロスとスマッシュヒットを飛ばすトヨタSUVで、さらに人気車が一台増える。SUV戦線で、トヨタは頭ふたつ以上ライバルに差をつけていくだろう。
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みんなのコメント
本当に負のスパイラルというのはこの事だろう
Zを出すと言っても、先行しているスープラや、大幅刷新された86に
数少ないスポーツカー需要も奪われ
干上がった後、遅れ馳せながら発売
それでは売れる訳も無い
ヴェゼルのライバルはヤリクロ