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50万円EVでお馴染みの「ウーリン」が500km走れるコンパクトEVを200万円でリリース! BYDも驚異の値下げでEV価格戦争が激化している

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50万円EVでお馴染みの「ウーリン」が500km走れるコンパクトEVを200万円でリリース! BYDも驚異の値下げでEV価格戦争が激化している

激安EVで話題になったウーリンに再び脚光

中国市場において、あの50万円から買える超小型EVをスマッシュヒットさせた中国メーカーが、なんと航続距離500km以上を実現するコンパクトEVを200万円で発売してきました。そして、このコスパ最強EVに対して、中国BYDがシーガルとドルフィンをさらに値下げして新参EVを挟み撃ちする戦略を取ったそうです。熾烈な中国第二次EV値下げ戦争を解説します。

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まず、今回取り上げていきたいのが中国の自動車メーカーである「Wuling(ウーリン)」の存在です。このWulingについては、2020年から発売をスタートした超小型EVであるHong Guang Mini EVの存在がもっとも印象的でしょう。

その当時の値段設定で50万円程度から発売したことによって、中国の農村地帯における足としての需要を中心にスマッシュヒットを記録しました。いずれにしても、中国のEV販売台数急上昇の火付け役となったことで、Wulingの知名度が世界に広まったという背景が存在します。

そして、今回新たに明らかになってきたことというのが、そのWulingが新たな格安EVを発売してきたということで、それが、Bingo PlusというコンパクトカーセグメントのEVです。

じつは、すでにWulingは2023年初頭にもBingoを発売済みでした。この中国国内のコンパクトカーセグメントの月間販売台数の変遷を示したグラフを見てみると、緑で示されたBingoについては、発売開始後、瞬く間に販売台数を伸ばして、2023年12月単体で2.7万台以上の販売台数を実現するという、これまたHong Guang Mini EVに続くスマッシュヒットを達成していました。

このBingoは、全長3950mm、全幅1708mm、ホイールベースが2560mm、4人乗りのコンパクトEVであり、最小17.3kWh、最大31.9kWhというバッテリーを搭載することで、中国CLTCサイクルベースで203kmから最長333kmという航続距離を実現しています。

そして、その値段設定が、6万元未満、日本円でおよそ123万円からのスタートと、驚異的なコスト競争力を実現しています。

一方でこのBingoは、発売当初から絶対的なライバルとの競争に晒され続けていたという点が極めて重要です。その絶対的なライバルというのが、中国BYDが同じ時期に発売をスタートしたシーガルです。

そのシーガルは、Bingoを遥かに凌ぐ販売ペースを実現。2023年12月単体で4.1万台という尋常ではない販売台数を叩き出しており、まさにBingoとともに、中国コンパクトカーセグメントを席巻している状況です。

その勢いは、これまでコンパクトカーとして存在感を示していたホンダ・フィットやトヨタ・ヤリスの販売台数が低迷してしまっていることからも明らかです。中国国内でコンパクトカーといえば、すでにバッテリーEVの選択肢が圧倒的となっており、それをリードしているのが今回のBingoとシーガルなわけです。

そしてBYDは、シーガルよりもひとまわり大きいサイズ感で日本でも発売中のドルフィンもラインアップしており、Bingoはシーガルとドルフィンに完全に挟み撃ちされてしまっている状況です。Wulingについては、ドルフィンの対抗車種となる、Bingoよりもひとまわり大きくてEV航続距離を伸ばした上級グレードの設定が待望されていたわけです。

そしてWulingが追加設定してきたのが、Bingo Plusと名付けられた上級グレードです。全長4090mm、全幅1720mm、ホイールベースが2610mmと車両サイズをひとまわり大きくしながら、その上で搭載バッテリー容量を大幅に増量し、EV性能も向上させています。まさに、ドルフィンのガチンコの競合として、BYDの包囲網に対抗してきた格好です。

Bingo Plusについては、37.9kWhと50.6kWhという大容量バッテリーをラインアップすることによって、その航続距離はなんと最大で510kmと、コンパクトカーとしては驚異的な航続距離を実現しています。

もちろん急速充電にも対応させながら、個人的に注目したいのが、車両剛性および衝突安全性に直結する車両ボディに対する高張力鋼の使用比率です。

今回のBingo Plusについては74.8%と、その配合割合を大幅に高めてきており、ドルフィンも78.2%と非常に割合が高いです。

よって、ドルフィンの衝突安全性は、Euro NCAPにおいても最高評価の5つ星を獲得していることからも、その車両剛性の高さが見て取れるわけです。

いずれにしても、ただ安いだけではなく、その衝突安全性の高さにも注力していることが見て取れると思います。

ただし、Bingo Plusには、運転席と助手席、および1列目のサイドエアバッグこそ標準搭載なものの、シーガルとドルフィンについてはさらにサイドカーテンエアバッグも搭載されていることから、エアバッグの搭載数という点では、BYDがより安全装備を徹底している様子も見て取れます。

500km超級EVが177万円から買える中国

また、EV性能とともに、標準装備内容についても簡単に比較してみると、Bingo Plusについては、ダッシュボード中央に10.1インチのタッチスクリーンを搭載し、運転席・助手席ともに電動のシート調整機能を採用していますが、シートヒーターなどの装備はありません。

さらに、その保証内容についても、ファーストオーナーに限って、バッテリー保証は年数走行距離無制限保証。車両保証については、とくに制約なしで3年10万kmが保証されています。

一方で、とくに競合関係となるBYDドルフィンについては、上位グレードの場合、12.8インチの回転式タッチスクリーンを搭載しながら、電動シート調整だけでなくシートヒーターとベンティレーション機能まで搭載。ガラスルーフであったり、V2L機能、スピーカーの数も6つと、装備内容がより手厚いことが見て取れます。

また、保証内容についても、バッテリー保証はファーストオーナーに限り走行距離年数無制限保証、車両保証も制約なしで6年15万kmと、さらに手厚い保証内容を用意しています。

その一方で、今回もっとも注目するべき値段設定については、Bingo Plusは8万9800元からのスタート、日本円で185万円からという、まさに驚異的な値段設定を実現。とくに驚くべきは、50.6kWhという大容量バッテリーを搭載し、航続距離510kmを実現する上級グレードであっても、9万8800元、日本円で驚愕の204万円からとなっていることです。

510kmの航続距離を達成するEVを、中国国内ではすでに200万円で購入できるとイメージしてみれば、EVのコスト競争力が、さらに驚異的な高まりを見せていることが見て取れるでしょう。

ただし、このWulingの最新EVであるBingo Plusに対抗するために、シーガルとドルフィンによる挟み撃ち戦略を行っていたBYDも、さらに両車の価格引き下げるという戦略に着手しています。

じつは現在、BYDは中国国内において2024年モデルとしてHonor Editionを設定しながら、すべてのモデルにおいて大幅値下げを断行中です。日本メーカーの売れ筋である日産シルフィやトヨタ・カローラが該当する大衆セダンセグメントにおいて、PHEVであるQin Plusを、なんと日本円で160万円台から発売中です。現在、中国全土のショールームにおいて、そのHonor Editionを買い求めるユーザーでストアがごった返している状況がSNS上で多数報告されています。

そして、今回のシーガルについても最大8.3万円の値下げを行うことによって、エントリーグレードは144万円からのスタートと、驚異的なコストパフォーマンスを実現。さらに、ドルフィンに至っては、最大14.4万円もの値下げを行うことによって、エントリーグレードは206万円からと、さらにコスト競争力を高めてきた格好です。

このようにして、今回Wulingが新型EVとしてスマッシュヒットを記録していたBingoの上級モデル、Bingo Plusの正式発売をスタートさせ、中国では、航続距離500km以上のEVを200万円で購入できるというのは、我々日本人からすると驚愕するべきコストパフォーマンスであると思います。

そのうえ、BYDシーガルについても日本円で144万円からと、世界で発売されているコンパクトEVとしては最強クラスのコスパを実現しています。

とくにこのコンパクトカーセグメントにおいて、今回のBingo Plusやシーガルの存在は、内燃機関車に最後通牒が突きつけられたわけであり、さらに今後は、それ以外のさまざまなセグメントにおいても、内燃機関車への最後通牒を突きつけていく1年となるのかもしれません。

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みんなのコメント

51件
  • ドラゴンステーション
    まだまだ値下げできるよ、今年から中国の電池パックは100kWhの生産コスト80万円まで下がったので(最先端の麒麟バッテリー)50.6kWhなら40万円も掛からん、バッテリーは既にEV車にとって一番コスト掛かる物だから、バッテリーが安くなるとEV車自体も大幅値下げできる。
  • natuob
    おなじみ?
    知らんがな!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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