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キャデラックでしか味わえない世界──新型エスカレード・スポーツ25th Anniversary Edition試乗記

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キャデラックでしか味わえない世界──新型エスカレード・スポーツ25th Anniversary Edition試乗記

登場から25年を迎えたキャデラック「エスカレード」の魅力とは? 新たに設定された特別仕様車にサトータケシが乗って、考えた!

“物量作戦”

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久しぶりに対面したキャデラック・エスカレードは、相変わらずデカかった。全長5400mm、全幅は2.0mを超え、背の高さは193cmと大谷翔平選手とおなじ。ただし、デカすぎて嫌だな、面倒くさいな、というネガティブな気持ちにはならない。このクルマを運転するとリッチでおおらかな心持ちになるということを、何度も経験しているからだ。

日本で小山のようなエスカレードに乗ることに意味があるのか? という声があるかもしれない。正直、意味があるかどうかはわからないけれど、このクルマでしか味わえない豊かな体験があることは間違いない。エスカレードの生誕25周年を記念した特別仕様車に乗り込む瞬間は、いつもとおなじようにわくわくした。

キャデラック・エスカレード・スポーツ25th Anniversary Editionは、「プレミアム」「プラチナム」「スポーツ」という3つのグレードの中でもっとも装備が充実するスポーツがベース。内外装をモノトーンでコーディネイトすることで、25周年の特別なモデルであることをアピールする。

車体前後のキャデラック・クレストと呼ばれるエンブレムがモノクロになっているほか、「ESCALADE」というモデルバッジもブラック、インテリアもジェットブラックでクールにまとめられている。

エンジンを始動すると、湾曲した38インチの有機ELディスプレイに、各種情報が鮮やかに表示される。その高精細度は4Kテレビの約2倍とのことで、老眼が進行中の目にもはっきり、くっきりと情報が伝わってくる。酷暑のなか、飲み物を置くためにセンターコンソールのフタを開いたところで、フリーザーモードのスイッチを発見。飲み物を冷やすなんていうのはあたりまえで、凍らせることもできるのだ。

オーディオをオンにすると、28チャンネル・36スピーカーと、門外漢にはありがたみがわからないようなスペックのAKGのサウンドシステムが、門外漢でもはっきりとわかるようなクリアな音を響かせる。液晶にしろ冷凍庫にしろオーディオにしろ、やるからには徹底的に上質を目指すのがこのクルマの流儀なのだ。“物量作戦”という言葉が頭に浮かぶ。

日本でエスカレードに乗る意味2021年に登場した現行のエスカレードはトラック風味が残った先代とは異なり、足まわりを四輪独立懸架にすることなどで、乗り心地は徹底的にリファインされている。

唯一苦手なのがタウンスピードで舗装の荒れた箇所を通過する場面で、車体の基本骨格と上屋が別々に動くようなフレーム構造特有の感触を伝える。

ただし、静かな海を行く豪華客船のような高速道路での乗り心地を体験すると、「ちいせえことは気にすんなよ」という気持ちになる。エアサスと、「マグネティックライド」と、呼ぶ磁性を利用したダンパーの組み合わせが常に車両の姿勢と走行状況を監視して、乗り心地とハンドリング性能を最適化しているのだ。

アバタもエクボというか、高速クルーズを経験した後だと、市街地での少しバタつく感じもこのクルマでしか味わえない個性だと思えてくるから不思議だ。最近の高級車は誰が乗ってもすんなりスムーズに走るけれど、バタつかないようにハンドルを切るタイミングやブレーキの強弱を工夫していると、しだいに「このクルマは俺しか上手に運転できないんだ」という不思議な高揚感を感じるようになる。

高揚感といえば、基本的な構造をコルベットとおなじくする6.2リッターのV型8気筒エンジンにも胸が高ぶる。野太い音、地底から湧くマグマのようなトルク感。モーターの力を借りて低速域から滑らかに加速する、最近の高級車が身につけている洗練されたマナーはない。けれども、アクセルペダルを踏み込んでからワンテンポ遅れて加速するV8 のフィーリングは、筋肉にパワーを貯めて、一拍おいてからガッと加速する動物のようで、これはこれで人間の生理に合っている気がする。

2.7tの超ヘビー級の車体が、OHVのV8エンジンらしいドスの聞いた音とともに猛然と加速するフィーリングに、再び“物量作戦”という言葉が頭に浮かぶ。

“過ぎたるは及ばざるがごとし”とか、“足るを知る”という言葉を美徳として育ってきたけれど、エスカレードはそれだけが正しい価値観ではないことを教えてくれる。

“やりすぎたっていいし、これじゃ足りないともっと求めたっていい。でっかく生きろよ。”

そんなメッセージを感じるから、このクルマに乗ると豊かな気持ちになる。日本でエスカレードに乗る意味は、確かに存在するのだ。

文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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みんなのコメント

1件
  • 投資家のコメント
    私はGクラス推しですが、キャデラックエスカレードもカッコ良いですね〜。迫力満点っ!!アメリカ大統領専用車の次期型もこの顔になるんですかね?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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