言わば“手動メタルトップ”仕様
日本国内にとっては最初のスープラとなったA70型スープラは1986年2月に発売されましたが、同年6月にはルーフを脱着できる「エアロトップ」というモデルも追加されました。時はバブル景気へと向かう最中、よりラグジュラリーな方向性も意識されていたんですね!
サンルーフやTバールーフよりも開放感あるオープンドライビングを楽しめるモデルとして作られたこの「エアロトップ」は2.0GT/2.0GTツインターボ/3.0GTターボに設定され、各通常モデルより約20万円高い価格でした(当時価格259万1000円~353万7000円)。
さてオープンにするにはどうするかというと、専用車載工具でルーフを固定している4本のボルトを外すだけと簡単!! 取り外したルーフはラゲッジルームへキレイにしまうことができ、トノカバーを引けば外から見えなくなるという細かい配慮もなされていました。
ただし、ルーフを格納してしまうとラゲッジルームに荷物はほとんど入らなくなってしまうので「荷物いっぱい連泊ドライブの途中で気軽に屋根を開けたり閉めたり」というのはちょっと厳しいのと、ルーフパネルはスチール製で約10.5kgとそこそこ重さがあるため脱着操作には少々ご注意を。
初代スープラってどんなクルマ?playback the magazine 1986[前編]
走りの方はちょっと“ゆるキャラ”と言うか、デビュー当時の試乗記(ドライバー誌1986年8月20日号)によれば「ルーフカットによってボディ剛性が落ちたこともあり、ノーズを一度でラインに乗せづらい。フワッとロールが残ったりして、感覚とぴったりフィッティングしない」、「路面にうねりがあったりするとフロントウインドが振動する」など、オープン化によってある程度走行性能は犠牲になってしまったようです。
しかし、最新の技術ならそれらを両立できるかもしれません。ソフトトップのオープンカーであるBMW Z4と共同開発された新型スープラなら、走行性能の高いメタルトップスープラだって不可能ではないかも!?なんて、ついつい妄想が膨らんでしまいませんか。
(まとめ●オールドタイマー編集部・上野)
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