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80年代バブル当時、六本木界隈で存在感抜群だったアルピナ「B9 3.5/1」が1000万円オーバーで落札! ヤングタイマー人気で今後の価格に要注目

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80年代バブル当時、六本木界隈で存在感抜群だったアルピナ「B9 3.5/1」が1000万円オーバーで落札! ヤングタイマー人気で今後の価格に要注目

世界一美しいクーペのアルピナ版が、聖地のオークションに登場

自動車エンスージアストの楽園「モーターワールド・ミュンヘン」を会場とし、2024年11月23日にRMサザビーズ欧州本社が開催した「Munich 2024」オークションでは、さる個人コレクションが「The Munich Masterpieces Collection(ミュンヘンの傑作コレクション)」と銘打ち、聖地でのオークションにふさわしく2輪・4輪合わせて24台の素晴らしいBMWを出品しました。今回はその出品ロットのなかから初代「6シリーズ」をベースとするアルピナ製コンプリートカー「B9 3.5クーペ/1」をピックアップします。

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BMWアルピナ初の自然吸気クーペ、B9 3.5クーペとは?

アルピナがコンプリート生産モデルの第1弾として送り出したE12系BMWアルピナ「B7ターボ(リムジン=セダン)」では、同じBMWのE24系「6シリーズ」をベースとする「B7ターボ クーペ」も、時を同じくして登場していた。

パワートレインはリムジン版B7ターボと同じくM30型ビッグシックス+KKK社製ターボを搭載。ゲトラグ社製5速MTとの組み合わせで250km/hの巡航最高速度をアピールするかたわら、かつて「世界一美しいクーペ」とも称された初代6シリーズの美的側面も相まって、誕生から間もない「BMWアルピナ」ブランドの成功を象徴するモデルとなる。

いっぽう、1981年春に2代目E28系「5シリーズ」がデビューすると、その年の11月にはBMWアルピナ版に相当する「B9 3.5」も発表。翌1982年7月には、6シリーズをベースとする初の自然吸気モデル「B9 3.5クーペ」も設定されるに至る。

じつは、BMW 5シリーズがE12系からE28系へと代替わりした際に、もともとE12系をベースとしていた6シリーズは、プラットフォームをE28用に変更するなどの大規模な改良を受けつつ継続生産されることになっており、アルピナ版もそれに従うように新プラットフォームへと移行してゆく。

ところで、それまで6シリーズをベースとするBMWアルピナのコンプリートモデルは、ターボ過給つきのみだったのだが、新生B9 3.5では初めてNAのビッグシックスSOHCエンジンを搭載し、1983年からBMW本家の「535i/635i」に搭載されたのと同じ、3453ccの排気量が与えられた。

ただし、高圧縮のマーレ社製ピストンや専用のカムシャフトなどのチューンアップは、アルピナの法則に従ったもの。さらにこの代からは、ボッシュ・モトロニック燃料噴射が組み合わされ、自然吸気ながら245psをマークした。

ポルシェ 911カレラ並みの動力性能を発揮

そして、実用的な4座席クーペボディで、同時代のポルシェ「911カレラ」並みの動力性能を発揮するとアピールされた。しかもB7ターボと同じゲトラグ社製5速MTのほか、ZF社製4速ATがBMWアルピナとしては初めて選択可能となる。

ところが、正規の自動車メーカーとして認められたとはいえ、やはりアルピナは小規模コンストラクターにすぎず、この時代のモデル変遷は慌ただしいものだった。

B9 3.5クーペのデビューからわずか数カ月後の1983年1月には、エンジンを3430ccの新ブロックとしたほか、細部にもリファインを加えた「B9 3.5/1」へと進化を遂げることになる。ただし、日本を含む一部市場では、引き続き「B9 3.5」と呼ばれているようだ。

さらに1985年7月になると、圧縮比をB9の10.2から10.6まで引き上げ、パワーを261ps(触媒つきは254ps)まで増強した「B10 3.5」へと発展。「B9」シリーズは生産を終えることになったのだ。

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今回の落札価格はかなりリーズナブル。でも将来はもっと上がる可能性も……?

2024年11月のRMサザビーズ「Munich 2024」オークションに出品されたのは、アルピナAGが1983年から1985年にかけて製作したとされる73台のBMWアルピナ「B9 3.5クーペ/1」のうちの1台である。

1983年5月、まずはBMWの「635CSi」として生産されたこの個体は、BMW本社にほど近いミュンヘンの南西に位置する小村、今ではアルピナの聖地として世界に名を知らしめたブッフローエに到着し、アルピナ本社ファクトリーによってB9 3.5クーペ/1に改造された。それが当時のアルピナ社に許されていた、唯一の生産方法だったからである。

B9 3.5/1ということで、排気量は3430cc。このM30型ストレート6エンジンにマーレ社製の鍛造ピストンやアップグレードされたカムシャフト、研磨などの改良を施したシリンダーヘッドを装着し、最高出力は自然吸気ながら245psを達成するに至った。

また、ビルシュタイン製サスペンションを取り付けるなど、シャシーについてもさまざまな技術的モディファイが施されている。

そして「アルパイン・ホワイト」のエクステリアには、アルピナの特徴的な矢絣模様のグラフィックが施されたかたわら、インテリアにはアルピナ独特のストライプ柄のレカロ製スポーツシートが新車時代から装備されている。

アルピナ社独自の生産番号「190」が与えられている

E28系5シリーズをベースとしたB9 3.5となっても、アルピナ社独自の生産番号「190」が与えられ、1984年3月12日にドイツで初登録されたこの個体は、2000年代初頭までフランクフルト北部に生息していたと考えられている。

その後、ノルウェーを拠点とする現オーナーが2012年1月にこのB9 3.5クーペ/1を入手し、翌年3月に登録。そののち、12年にわたる所有期間においても定期的にメンテナンスが行われ、カタログ掲載時のオドメーターは16万118kmを指している。

トランクリッド裏側に「シンデレラフィット」する純正ツールキット、グローブボックスの懐中電灯、純正のマニュアル/オーナーガイド、そして「アルピナクラシック」発行の納車確認書を含むヒストリーファイルが付属している。

RMサザビーズ欧州本社は「模範的なドライバーズカーである、この魅力的なアルピナB9 3.5クーペ/1は最高速度240km/hを誇り、次のオーナーが真のコニサー(通人)であることを即座に知らしめることでしょう」というPRフレーズを添えて、7万5000ユーロ~10万ユーロ(当時のレートで約1207万円~1610万円)という、昨今のヤングタイマー市場におけるBMWアルピナ人気を実感させるようなエスティメート(推定落札価格)を設定した。

ところが2024年11月23日に行われた競売では、出品サイドが思っていたほどにはビッド(入札)が伸びなかったようで、結局終わってみれば6万9000ユーロ。日本円に換算すると約1110万円という、落札者にとってはリーズナブル、現オーナーにとってはちょっと不本意な価格で落札されることになったのだ。

とはいえ、このハンマープライスを含むアルピナ製E24クーペの相場は、現況におけるBMW M635i/M6の相場価格よりもわずかながら高めのようで、しかも昨今のヤングタイマー人気と生来の希少性を思えば、遠くない将来にさらなる評価アップもあり得ると考えるのである。

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みんなのコメント

4件
  • pts********
    ALPINAでなくとも633Csi など当時の6シリーズクーペは最高に美しい車だと今でも思います。
  • cor********
    「品川ナンバーのアルピナで…」柳沢慎吾さんが言いそう(笑)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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