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史上最速のワーゲンバス! フォルクスワーゲンID.バズ GTX LWBへ試乗 3列シート獲得

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史上最速のワーゲンバス! フォルクスワーゲンID.バズ GTX LWBへ試乗 3列シート獲得

ゴルフRを上回る最大トルク LWBも設定

フォルクスワーゲンが、スポーティな仕様のバッテリーEVへ与えるGTXの3文字。大きなワンボックスカーのID.バズにも与えられるとは、当初は想像していなかった。

【画像】史上最速のワーゲンバス フォルクスワーゲンID.バズ GTX LWB 3列シートのBEVは他にも! 全149枚

同社は、2024年にID.バズへアップデートを施したが、その一環としてGTXが登場したのだ。また、先行していたショート・ホイールベース(SWB)に加えて、ロング(LWB)も設定。最大で7シーターまで選べるようになっている。

ID.4やID.5などと同様に、ID.バズ GTXでは2基目の駆動用モーターが追加されパワーアップ。スタイリングも差別化され、駆動用バッテリーの容量は79kWhか86kWhを指定できる。

最高出力は、通常のID.バズでは203psだが、総合339psへ上昇。最大トルクも56.9kg-mへ太くなる。ちなみにこれは、ゴルフRを上回る力強さ。0-100km/h加速は、SWBで6.1秒、LWBで6.7秒がうたわれる。史上最速のワーゲンバスだ。

急速充電能力は、79kWhで180kWまで。86kWhでは200kWへ対応する。最短20分で、残量20%から80%へ回復できるという。航続距離は、まだ発表されていない。

見た目は、通常のID.バズと明確な違いはない。それでも、GTXでは専用のハニカム・フロントグリルを獲得。エアインテークの形状も異なり、各部にGTXのロゴが配される。21インチのアルミホイールも専用品で、プライバシーガラスが標準装備になる。

各部がブラックアウトされ、雰囲気はスマート。スポーティとは呼びにくいけれど。

GTXでは2+2+2の6シーター 余裕の車内空間

ドアを開くと、レッドのステッチが施された、GTX専用のパワーシートとステアリングホイールへ気づく。タッチモニターは12.9インチで、最新バージョンのインフォテインメント・システムが稼働する。

システムの反応は従来より遥かに素早く、アップデートが成功したことを実感する。エアコンの温度調整などを担うタッチセンサー部分には、イルミネーションが内蔵され、夜間でも見やすくなった。実際に押せるハードボタンは少なく、慣れが必要とはいえ。

フォルクスワーゲンがアイーダと呼ぶ、チャットGPTを利用した音声操作システムも実装する。便利に感じるかどうかは、人それぞれかも。

LWBのID.バズ GTXの場合、シートレイアウトは2+3の5シーターか、2+2+2の6シーターから選択可能。GTXを選ばなければ、7シーターも指定できる。

車内空間は、3列目でも大人が不満なく過ごせる余裕の広さ。買い物の荷物を置く場所にも、ほとんど困らないだろう。

荷室容量は、5シーターで1121L。2列目を折りたたむと、2123Lへ拡大する。3列シートの場合は、フロントシート以外を車両から降ろすことが可能になり、巨大な空間を生み出せる。

内装には、低コストを感じる素材がチラホラ。ダッシュボードは全体的に傷がつきやすそうなプラスティック製だし、メタル調の化粧トリムも高級感が乏しい。価格が上昇するGTXだから、もう少し良い素材を希望したくなる。

ワンボックスでは例外的な速さ 安定した走り

それでは、実走といこう。車重は2700kgもあるが、339psと56.9kg-mだから、ID.バズ GTXは充分に速い。ワンボックスカーでは、例外的なほど。前後の駆動用モーターのパワーを、タイヤが効果的に路面へ伝達。軽快にアスファルトを蹴り進んでいく。

特に、中間加速のたくましさが増した印象。高速道路での追い越しも、簡単にこなせる。試乗したドイツのアウトバーンにも問題なく対応でき、通常のID.バズより確かにパワフルだ。

とはいえ車重は軽くなく、近年のバッテリーEVの中で、際立つような加速力ではない。フォルクスワーゲンは、GTXはGTIに並ぶ仕様ではなく、全体的にアップグレードされた四輪駆動版であることを主張している。それは、ID.バズでも当てはまる。

多くのユーザーを納得させるパワー感はあるものの、エキサイティングなワンボックスカーへID.バズが変身したと表現するのは、大げさだろう。沢山の人や荷物を、軽々と運べることは間違いないが。

シャシー設定に変更はなし。落ち着いた操縦性と乗り心地は、そのまま受け継いでいる。速度抑止用のスピードバンプを滑らかに乗り越え、路面の不整をしなやかにいなす。

四輪駆動化で、グリップやトラクションは明確に上昇したが、高速コーナーでは車重を実感させられる。低くない全高も。とはいえコーナリングは安定し、高さと重さをシャシーは巧みに受け止めていた。

航続は400km前後 通常のLWBが訴求力は上?

高速域では、風切り音が目立つように感じたが、それは通常のID.バズでも同様だった。LWBでも、小回りは良く効くようだ。

航続距離に関しては、今回は96%の充電量で発進し、走れた距離は368kmだった。フル充電なら、400km近く走れるはず。

英国価格は未発表だが、ID.4とID.4 GTXが約1万2000ポンド(約245万円)の差だから、ID.バズでも同等に上昇すると考えていい。その場合、メルセデス・ベンツEQVより遥かに安い一方、キアEV9よりかなりお高いということになる。

ヘッドアップ・ディスプレイや電動スライドドア、パノラミックサンルーフなどはオプション。これを追加すると、さらに価格差は広がってしまう。

ワンボックスカーには不必要なほど、パワフルなID.バズのGTX LWB。優れた実用性と乗り心地、運転体験は、明らかな強みといえる。だが、実際の走りの変化は限定的ともいえるだろう。

冷静に俯瞰すれば、通常のID.バズ LWBの方がお手頃で、訴求力は高いかもしれない。価格設定が明らかになったら、改めて評価してみようと思う。

◯:扱いやすいパワフルさ 最大7シーターまで対応するパッケージング
△:通常のID.バズ LWBと比較して、そこまで速いわけではない 高めの価格

フォルクスワーゲンID.バズ GTX LWB(欧州仕様)のスペック

英国価格:9万6313ポンド(約1926万円)
全長:4960mm
全幅:1985mm
全高:1927mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:6.7秒
航続距離:402km(予想)
電費:4.8km/kWh(予想)
CO2排出量:−
車両重量:2700kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:86kWh
急速充電能力:200kW
最高出力:339ps(システム総合)
最大トルク:56.9kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)

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みんなのコメント

3件
  • おーchan
    車重2700㎏…、これで環境にいいと言えるのだろうか?タイヤにも足回りにも舗装にもさらに負担がかかっているのだが。
  • yam********
    ベンツのワゴンはスライドドアの窓は開きません。これも少しだけかな?スライドの窓が開くのは日本だけ?やっぱり国産車ですね!!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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