現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ロータス・ヨーロッパの始祖”シリーズ1″、極めてシンプルな造りの中に低さと軽さを極限まで追求したロータスの原点を見る――

ここから本文です

ロータス・ヨーロッパの始祖”シリーズ1″、極めてシンプルな造りの中に低さと軽さを極限まで追求したロータスの原点を見る――

掲載 8
ロータス・ヨーロッパの始祖”シリーズ1″、極めてシンプルな造りの中に低さと軽さを極限まで追求したロータスの原点を見る――

個性的なフォルムとピュアスポーツならではの乗り味で魅了するヨーロッパ。手に入れたいならぜひ知っておきたいシリーズの変遷とそれぞれの特徴を、ヨーロッパをはじめとするロータスのオーソリティであるベンオートで聞いた。オリジンとしての魅力を放つシリーズ1をご覧いただきながら、話を進めよう。

【写真18枚】低さと軽さを追求したロータス・ヨーロッパSr.1の詳細を写真で見る

ボクらのヤングタイマー列伝:第22回『ロータス・エクセル』ライトウエイトスポーツカーを趣旨とするロータスが生み出した高い居住性を誇るGTカー

低さと軽さを追求した工夫が、ヨーロッパSr.1のいたるところに見られる

少し視線を低くして、この真横から見た姿がすべてを物語っていると思うけれど、ロータス・ヨーロッパに魅せられたら、もう代わりはない気がする。迷う必要はない。すぐ造詣が深いスペシャルショップのストックを物色しよう……。なんて、そそのかしておきながら、ひとつ頭に入れていただきたいことがある。生産された9年あまりの間に、ヨーロッパはモディファイを繰り返し大きく変貌したということだ。1966年にデビューした"シリーズ1(Sr.1)"、1968年からの"シリーズ2(Sr.2)"、1971年登場の"ツインカム"、そしてシリーズ最終形で1972~75年まで生産された"スペシャル"の4モデルである。"サーキットの狼世代"のみなさんにとってはスペシャルが憧れの的だと思うけれど、今回ヨーロッパのアウトラインを説明する素材として取材したのは1967年式のSr. 1。丁寧なレストレーションが施されるとともに、オリジナルの雰囲気を損ねぬよう配慮しつつ乗りやすさを求めたモディファイにも、好感が持てる1台だ。

そんなSr.1(ロータス・タイプ46)は文字通りヨーロッパの原点である。1966年12月20日に発表され翌年から本格的なデリバリーがスタートするが、当初はエンジン供給元であるルノーとの関係を活用しフランス(=ヨーロッパ大陸)で販売をスタート。ゆえに左ハンドルのみで、英国では販売されていない。外観上はバーチカルフィンと呼ばれるリアフェンダー上部の峰と、左右ヘッドランプの間にウインカーを持たないことが特徴。また、サイドウインドーは固定式で三角窓がない。エンジンは1966年に登場した縦置きFFのルノー16用直4OHV 1470ccユニットを4速M/Tもろとも前後逆さにし、鋼板バックボーンフレームが抱きかかえるかたちでミッドに搭載した。

Sr.1最大の注目ポイントは、FRPボディパネルがフレームを包み込むように下回りにも張り込まれ、ボルトだけでなく接着で固定されること。鋼板フレームを用いているが、エリートのFRPフルモノコックとの近似性を感じさせる手間のかかった構成で、剛性や空力へのこだわりが垣間見える。それでも車両重量は613kg。82psのルノーユニットながら、現代の路上でも素晴らしく軽快に走らせることができる。

しかし、このボディ&シャシーは整備性に難があり、下回りのパネルを一部省き、ボルトのみで取り付ける方式としたSr.2(タイプ54)へ移行。外観上は左右ヘッドランプの間にウインカーを追加し、テールレンズも変更されたことで識別できる。またカーペットやラジオが標準となり、固定シートをスライド式に変更。さらにパワーウインドーも採用した。こうして車両重量は50kg程度増えたが、カスタマーの要望に応えるため快適性を優先させたわけだ。なお1970年にはフェデラルタイプと呼ばれる北米輸出向けのSr.2が登場(タイプ65)。フェンダー形状を変更してヘッドランプの位置を高め、エミッションコントロール対策ユニットを搭載していた。

このようにSr.1→2で若干快適性向上が図られたが、1971年10月、ツインカム(タイプ74)の登場でヨーロッパはさらに大きく変わる。その名の通り、ルノー・エンジンより強力な1588cc 105psのロータス・ツインカムが搭載され、ボディは後方視界を改善するためバーチカルフィンが低められたのである。ツイン燃料タンクを採用するなどロングツアラーとしての能力も高められたが、より速く、より遠くまで……そんなキャラクターの徹底は、翌'71年9月デビューのスペシャル(タイプ74)で極まった。126psの"ビッグバルブユニット"を搭載し、ルノー12ゴルディーニ用5速M/Tを投入。前後トレッドも拡大され幅広タイヤが装着されるなど走りをより強化し、内外装も豪華に飾られた。重量はさらに増加し730kgとなったが、最もパワフルなヨーロッパとして現在も多くのファンに愛されている。ヨーロッパの生産台数は合わせて9230台ほど。どのモデルであっても、そう簡単に探し出せるわけではないが、五感を研ぎ澄ましてネイキッドなライトウェイトスポーツと一体になる快感に浸りたいのか、それとも余裕のある走りと扱いやすさでヨーロッパの持つ素性をより気軽に楽しみ尽くしたいのか。このどちら側に気持ちが振れるかを慎重に見極めつつ、4世代に大別されるシリーズの中から自身にフィットするモデルを選んでほしい。

こんな記事も読まれています

トライアンフ、限定モデル『ボンネビル T120 エルヴィス・プレスリー リミテッド エディション』発表
トライアンフ、限定モデル『ボンネビル T120 エルヴィス・プレスリー リミテッド エディション』発表
レスポンス
時代を超えた「ご長寿モデル」! 登場から“60年以上”続く「すごいクルマ」も存在! 長く愛されている「国産ロングセラー車」3選
時代を超えた「ご長寿モデル」! 登場から“60年以上”続く「すごいクルマ」も存在! 長く愛されている「国産ロングセラー車」3選
くるまのニュース
あと数台分がガマンできないのか!? 「もうちょいで右折レーン」「もう少しで右側の駐車場入口」なときの「チョビ逆走」は立派な交通違反だった
あと数台分がガマンできないのか!? 「もうちょいで右折レーン」「もう少しで右側の駐車場入口」なときの「チョビ逆走」は立派な交通違反だった
WEB CARTOP
スマホメーカーが開発する本気のEVスーパーカーは、ポルシェ『タイカン』を超えるか
スマホメーカーが開発する本気のEVスーパーカーは、ポルシェ『タイカン』を超えるか
レスポンス
車中泊ファン注目! 富士山や夕日など、絶景自慢のRVパーク5か所が新規認定。
車中泊ファン注目! 富士山や夕日など、絶景自慢のRVパーク5か所が新規認定。
くるくら
ニューウェイ獲得目指すアストン、魅力は「若くエキサイティングなプロジェクト」とストロール息子
ニューウェイ獲得目指すアストン、魅力は「若くエキサイティングなプロジェクト」とストロール息子
motorsport.com 日本版
目がない…斬新「天才タマゴ」登場! “エスティマみたいな流線”デザイン!? 1000万円超え「MEGA」 乗るとどう? 中国で試乗
目がない…斬新「天才タマゴ」登場! “エスティマみたいな流線”デザイン!? 1000万円超え「MEGA」 乗るとどう? 中国で試乗
くるまのニュース
ハミルトン、SNS上で噂される”ラッセル優遇”を否定「ファンはネガティブな意見を広めないでほしい」
ハミルトン、SNS上で噂される”ラッセル優遇”を否定「ファンはネガティブな意見を広めないでほしい」
motorsport.com 日本版
トヨタ「“ミニ”アルファード」目撃! しかも「屋根なし」&“4人乗り”のVIPモデル! 斬新な「小さい高級車」にユーザーの反響殺到!?
トヨタ「“ミニ”アルファード」目撃! しかも「屋根なし」&“4人乗り”のVIPモデル! 斬新な「小さい高級車」にユーザーの反響殺到!?
くるまのニュース
“グーグルマップ”一強時代に異変!?  カーナビ代わりに使えるスマホ無料「地図アプリ」2024年の注目株とは
“グーグルマップ”一強時代に異変!? カーナビ代わりに使えるスマホ無料「地図アプリ」2024年の注目株とは
VAGUE
カッコよくて気持ちいい! ネオレトロなスズキのカフェレーサー「SV650X ABS」に乗ってみました!
カッコよくて気持ちいい! ネオレトロなスズキのカフェレーサー「SV650X ABS」に乗ってみました!
バイクのニュース
[新型レクサスIS]は100%電気に!! 驚きの空力性能も達成する!? [LFA]は四駆のMTに変身か
[新型レクサスIS]は100%電気に!! 驚きの空力性能も達成する!? [LFA]は四駆のMTに変身か
ベストカーWeb
ランボルギーニがル・マン24時間レースで2台ともに完走! ハイパークラス初参戦、10位フィニッシュでポイント初獲得。次戦への自信につながる
ランボルギーニがル・マン24時間レースで2台ともに完走! ハイパークラス初参戦、10位フィニッシュでポイント初獲得。次戦への自信につながる
Auto Messe Web
【KNOX】「EDAバックパック」にはライダーのための機能がいっぱい!PCもヘルメットもドリンクも、全部まとめて収納!  
【KNOX】「EDAバックパック」にはライダーのための機能がいっぱい!PCもヘルメットもドリンクも、全部まとめて収納!  
モーサイ
「彼女たちがハーレーに夢中になるワケは?」 国内最大級のバイクイベント・ブルースカイヘブンでハーレー女子にインタビュー!
「彼女たちがハーレーに夢中になるワケは?」 国内最大級のバイクイベント・ブルースカイヘブンでハーレー女子にインタビュー!
モーサイ
ルノーPU放棄噂にアルピーヌF1のガスリー「パフォーマンス面で何が最善なのかが重要」
ルノーPU放棄噂にアルピーヌF1のガスリー「パフォーマンス面で何が最善なのかが重要」
motorsport.com 日本版
モリワキから GROM用「SHORT FENDER KIT」が登場!
モリワキから GROM用「SHORT FENDER KIT」が登場!
バイクブロス
マツダ新型「ステーションワゴン」!? 美麗スタイルで「マツダ6ワゴン」復活? 待望の「EZ-6ワゴン」予想CGに期待高まる
マツダ新型「ステーションワゴン」!? 美麗スタイルで「マツダ6ワゴン」復活? 待望の「EZ-6ワゴン」予想CGに期待高まる
くるまのニュース

みんなのコメント

8件
  • >>さらにパワーウインドーも採用した

    ってあると、シリーズ2になって手動が電動になったみたいだけど、実はシリーズ1のサイドウインドウって、手動で上下すらしなかったんだよね。
  • チャップマンが考える大衆MRの理想系としては、type46で既に完成されていたと思う。
    type54はユーザーの要望に応えるかたちで快適性の向上をはかり。
    type65はアメリカの法令に適合させる為にFフェンダーとRフィンのデザインを変更し。
    type74はユーザーの要望に応えるかたちでパワーアップと快適装備の追加で重量増。
    ロータスに加えるモノがあるとすれば、それは軽さだけ。
    シリーズが進むにつれチャップマンの理想からは遠ざかっていってしまったように思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

435.0726.0万円

中古車を検索
ヨーロッパの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

435.0726.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村