現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ランエボ復活の可能性もあり! 三菱が蘇らせる「ラリーアート」とは

ここから本文です

ランエボ復活の可能性もあり! 三菱が蘇らせる「ラリーアート」とは

掲載 更新 39
ランエボ復活の可能性もあり! 三菱が蘇らせる「ラリーアート」とは

 三菱自動車のモータースポーツ活動担当

 三菱自動車が2020年度の決算報告において、2009年度で主たる活動を停止していた「RALLIART(ラリーアート)」ブランドの復活を宣言した。復活といっても11年ぶりだ。「ラリーアート」という名前を知らない世代も増えているかもしれない。

名エンジン「4G63」はランエボ専用じゃなかった! 意外と知られていない搭載車3選

 とはいえ熱心な三菱ファンにはWRCを頂点とするラリー系モータースポーツの運営やサポートで知られているだろう。また、古いファンの中には1985年に開催された日本初のグループAレース「インターテック」において日本代表として奮闘したスタリオンのフロントバンパーに貼られたRALLIARTのロゴが印象深いという人もいるのではないだろうか。

 そもそもラリーアートは、三菱のモータースポーツ活動を支える組織として1984年4月に設立された。プライベーターへの部品供給といったモータースポーツに関するユーザー支援もその役割であった。

 また2000年代になってからはワークスチューニングのブランドとしても知られるようになっていった。スポーツマフラーやサスペンションなどで愛車をチューニングしたという人も少なくないだろう。

 さらに、コルト・ラリーアート、ギャランフォルティス・ラリーアートのように、スポーティグレードにつけられるサブブランドといったキャラクターも与えられていた。

 簡単にいえば、日産におけるNISMOのような位置づけのブランドだったといえる。

 リコール隠しがラリアートの活動に大きく影響した

 そんなラリーアートが主たる活動を停止する要因として、2005年に故・益子修氏が三菱自動車の社長に就任したことが大きく影響しているとする意見は多い。たしかに益子氏にはモータースポーツ嫌いという側面はあったようだ。

 しかし、三菱商事出身の益子氏が三菱自動車の社長に就任したそもそもの背景には、長年のリコール隠しによる経営危機があったことは忘れてはならない。

 あらためて整理すれば、三菱自動車のリコール隠しというのは2段階で社会問題となった。まず2000年には23年間にわたるリコール情報の隠蔽工作が明らかとなった。これは、計69万台ものリコール情報が隠されていたことが匿名で通報されたことで表に出ることとなった。この段階で三菱自動車の信頼は地に堕ち、資本提携をしていたダイムラー(当時はダイムラークライスラー)から社長を迎え入れ、再建を図ることにする。

 ここで膿を出し切ることができていればまだよかったのだが、2004年には再びリコールを隠していたことが発覚する。ここに至り、ついに筆頭株主であるダイムラーから財政支援を打ち切られ、三菱自動車はまさに路頭に迷う状況に陥ることになる。そして三菱グループからの人材として三菱自動車の再建を託されたのが故・益子氏であった。

 リコール隠しが発覚する以前は、国内市場では4位のポジションにつけていた三菱自動車のブランド力は完全に失われた。社会人野球など三菱自動車の企業スポーツ活動も休止に追い込まれるほどで、モータースポーツへの参戦を続けることも批判的な声があった。さらに、かつては最強といわれた三菱自動車のWRCマシンもレギュレーション変更を機に低迷していた。

 つまり2005年に益子社長就任をきっかけに突如モータースポーツ活動を中止したというより、背景として三菱自動車のモータースポーツが縮小したことは「仕方がない」というムードもあった。モータースポーツ活動の縮小・撤退とそれに伴うラリーアートの実質的な消滅は、メディアやファンも納得せざる得ない状況もであった。

 ラリーアートのブランド力でスポーツイメージの強化を図る

 そんな風に実質的に消えてしまったラリーアートが復活を宣言した。おそらく、その背景にはスポーツイメージによってブランディングするという方向性があるだろう。ラリーアートというブランドを上手く活用することで、付加価値をプラスすることが期待できる。

 また、注目すべきは日産がスポーツカーによってブランド価値を高めるという方向性を発表していることだ。ご存じのように三菱自動車は日産の傘下にある。そしてルノー日産三菱アライアンスではプラットフォームなどの共有化を進める方針を発表している。

 日産がフェアレディZをフルモデルチェンジするなどスポーツカーをブランディングの軸にするということは、そのリソースをルノーや三菱が利用するといった可能性もあるということだ。そのとき、ルノーにはルノースポールがあり、日産にはNISMOがあって三菱に同様のブランドがないのではバランスに欠ける。

 つまり、ラリーアートの復活には、三菱自動車単独でのブランド展開だけでなく、アライアンスでのリソースの活用という可能性も想像させるのである。このリソースの活用で期待したいのはなんといってもランエボの復活だが……。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

外装のアクセントカラーは460億通り! 「ベントレー・コンチネンタルGT」オプションの無限の可能性
外装のアクセントカラーは460億通り! 「ベントレー・コンチネンタルGT」オプションの無限の可能性
LE VOLANT CARSMEET WEB
日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
Merkmal
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
レスポンス
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
AUTOSPORT web
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ベストカーWeb
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
Auto Messe Web
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
WEB CARTOP
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
バイクのニュース
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
日刊自動車新聞
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
くるまのニュース
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
AUTOSPORT web
ジャガーは何をやろうとしているのか 1900万円の新型EV、狙いは? 独占インタビュー
ジャガーは何をやろうとしているのか 1900万円の新型EV、狙いは? 独占インタビュー
AUTOCAR JAPAN
レクサス最新「“5人乗り”コンパクトSUV」に注目! リッター「28キロ」走る“最安&最小”な「LBX エレガント」がスゴイ! “豪華内装×特別カラー”など気になる仕様とは?
レクサス最新「“5人乗り”コンパクトSUV」に注目! リッター「28キロ」走る“最安&最小”な「LBX エレガント」がスゴイ! “豪華内装×特別カラー”など気になる仕様とは?
くるまのニュース
タカラトミーが Juju 選手とパートナー契約…スーパーフォーミュラマシンに「TOMICA」のロゴ
タカラトミーが Juju 選手とパートナー契約…スーパーフォーミュラマシンに「TOMICA」のロゴ
レスポンス
2025年2月の外国メーカー車販売、前年比3.6%増の1万8601台 2カ月連続プラス VW増加で底上げ
2025年2月の外国メーカー車販売、前年比3.6%増の1万8601台 2カ月連続プラス VW増加で底上げ
日刊自動車新聞
【中国】約200万円! トヨタ新型「bZ3X」25年3月発売に反響多数! 「RAV4より広くて快適そう」「価格安すぎ」「先進運転支援システムが気になる」の声も! 新たな「bZシリーズ」登場!
【中国】約200万円! トヨタ新型「bZ3X」25年3月発売に反響多数! 「RAV4より広くて快適そう」「価格安すぎ」「先進運転支援システムが気になる」の声も! 新たな「bZシリーズ」登場!
くるまのニュース
トヨタ「アルファード」でスポーツVIPを表現! 愛車に「リンファード」と名付けた理由は給油口を見れば納得…実は家族愛あふれる1台でした
トヨタ「アルファード」でスポーツVIPを表現! 愛車に「リンファード」と名付けた理由は給油口を見れば納得…実は家族愛あふれる1台でした
Auto Messe Web
黒いトヨタのエンブレムがカッコいい! ヤリス&ヤリス クロスに特別仕様車「Z“URBANO(ウルバーノ)”」が登場。
黒いトヨタのエンブレムがカッコいい! ヤリス&ヤリス クロスに特別仕様車「Z“URBANO(ウルバーノ)”」が登場。
くるくら

みんなのコメント

39件
  • ディーラーオプションの名称になるだけだと思いますよ。
    三菱の現状を見る限りは以前の様なモータースポーツに関わる事は無いと思いますね。
    だいたい、投入可能な車なんて無いでしょうが。
  • ランエボより、ランサーの復活が先じゃない?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村