コンパクトなボディでありながら、伸びやかで美しいクーペスタイルが特徴のCLAクラスは、メルセデス・ベンツのラインアップで20~30代の比較的若い層にも人気の高いモデルの1つです。一方、現行型のAクラスにはセダンモデルもラインナップされており、CLAクラスと比較されることが多くなっています。今回はそれぞれの特徴について見てみましょう。
メルセデス・ベンツの間口を広げる役割をもったCLAクラスとAクラス
CLAクラスもAクラスは、どちらも同じプラットフォームが用いられており、高級車ブランドとして名高いメルセデス・ベンツに対して、これまで敷居の高さを感じていた層に向けたエントリーモデルという性格が強いモデルです。
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現行のCLAクラスは2019年8月に登場した2代目です。一方のAクラスは2018年10月にフルモデルチェンジを果たしており、現行モデルは4代目となります。ただ、初代~2代目のAクラスはセカンドカーとしての要素が強かったのに対し、3代目からはスポーティなハッチバックへと大きく変化しており、過去のモデルとの関連性は薄くなっています。
Aクラスが3代目となった直後に、同じプラットフォームを用いた初代CLAクラスが登場しているため、CLAクラスはAクラスの派生車と言うことができます。
それまでは、CLAクラスは4ドアクーペもしくはシューティングブレーク(ステーションワゴン)、Aクラスはハッチバックとなっていたため、ボディタイプですみ分けがされていた両車ですが、2019年7月にはAクラスセダンが発売されたため、ユーザーにとってはさらに選択肢が増えることになりました。
今回は、そんな「コンパクトメルセデス」の中でも、特に比較されることの多いCLAクラスの4ドアクーペとAクラスのセダンを中心に比較してみたいと思います。
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パワートレインでは性格の違いが見える?
まず、パワートレインについて見てみましょう。CLAクラスには1.4Lのガソリンの「CLA 180」(508万円)、2Lディーゼルの「CLA 200 d」(542万円)、2Lガソリンの「CLA 250 4MATIC」(607万円)、そしてメルセデスAMGによる高性能仕様である「CLA 35 4MATIC」(764万円)と「CLA 45 S 4MATIC」(923万円)という5つのモデルがラインナップされています。
一方のAクラスセダンも「A 180 セダン」(438万円)、「A 200 d セダン」(488万円)、「A 250 4MATIC セダン」(559万円)と基本的にはCLAクラスと同じパワートレインを搭載したモデルがラインナップされています。
ただ、AクラスセダンのメルセデスAMGによる高性能仕様は「A 35 4MATIC セダン」(718万円)のみとなっており、「45 S 4MATIC」の設定はありません。
しかし、Aクラスセダンにはプラグインハイブリッド車の「A 250 e セダン」(612万円)が用意されている点が、CLAクラスとは大きく異なる点です。
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「A 250 e セダン」はプラグインハイブリッド車であることから、充電設備が必要となる点や、そもそも受注生産であるため相応の納期を覚悟する必要がある点などに注意しなければなりませんが、電動車に関心が強い場合にはAクラスのセダンを選択することになりそうです。
反対に、ガソリンエンジンによるメルセデスAMG仕込みのスポーティな走りを楽しみたい場合には、「CLA 45 S 4MATIC」を検討してみても良いかもしれません。
このように、基本的には同じパワートレインを持つ両車ですが、一部で性格の違いが現れているようです。
使い勝手のポイントは後部座席の室内高とラゲッジルーム
では、使い勝手という面ではどうでしょうか? まず荷室も含めた室内のスペースですが、どちらもコンパクトなプラットフォームを利用しているため、特別広いということはありません。
「CLA 180」と「A 180」で比較すると、どちらもフロント部分の室内幅は1455mmとなっており差がありません。リア部分の室内幅についてはCLAクラスが1455mmであるのに対し、Aクラスセダンは1445mmとわずかに狭くなっていますが、実感できるほどではないでしょう。
ホイールベースやフロントシートの室内高についても両車はまったく同じ数値となっているため、運転席や助手席に乗っている限りはその差の違いを感じることはなさそうです。
一方、リアシートの室内高については、CLAクラスの方がAクラスセダンに比べて35mm低くなっています。これはCLAクラスの特徴である美しいボディラインに起因するものですが、両車の使い勝手の差が現れる数少ないポイントであると言えます。
もし、後部座席を日常的に使用する予定がなかったり、あるいは子どもや小柄な人による使用がメインとなる場合にはそれほど気になることはないかもしれません。しかし、そうでない場合には後部座席の使い勝手については事前によくチェックすることをおすすめします。
ラゲッジルームの容量を見ると、CLAクラスは460L、Aクラスは420Lと、意外にもCLAクラスの方が上回っています。どちらも40:20:40の分割可倒式となっており、必要に応じてさらに容量を拡大することが可能です。ちなみに、Aクラスセダンの方が開口部が広いため、大きな物を積載する場合には便利かもしれません。
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CLAクラスの方が割高も、スポーティなスタイリングが魅力
最後にCLAクラスとAクラスの価格について見てみましょう。
<CLAクラス>
・CLA 180:508万円
・CLA 200 d:542万円
・CLA250 4MATIC:607万円
・CLA 35 4MATIC:764万円
・CLA 45 S 4MATIC+:923万円
<Aクラスセダン>
・A 180 セダン:438万円
・A 200 d セダン:488万円
・A 250 4MATIC セダン:559万円
・A 35 4MATIC セダン:718万円
・A 250 e セダン:612万円
これらを比較すると、同じパワートレインを搭載したモデルではCLAクラスの方がおよそ50万円程度割高であることがわかります。
これには両車の性格の違いが関係しています。Aクラス セダンは、メルセデス・ベンツのエントリーモデルであるAクラスのセダンモデルという位置付けであるため、手の届きやすい価格であることが重視されています。
その一方で、CLAクラスはより上位のCLSクラスのコンパクト版という性格が強いモデルです。基本的なスペックや機能はAクラスセダンと大きく変わらないものの、内外装のデザイン、特にエクステリアデザインはクラスを超えたプレミアム感を持っており、オーナーの所有欲を満たすものとなっています。
CLAクラスの魅力は、コンパクトなボディとリーズナブルな価格でありながら、近年のメルセデス・ベンツらしいスポーティかつ上質なスタイリングを持っていることです。その点に価値を感じるのであれば、Aクラスセダンとの価格差は決して大きなものとは言えないでしょう。
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文:ピーコックブルー
写真:
1~2枚目:CLA
3~4枚目:Aクラス
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みんなのコメント
そんなことしたらベンツの販売台数が半減するね
入門グレードや下のクラスの販売が大半なのに
シューティングブレークなら全く問題ないが。