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約3千万円かけて1000馬力に! ABTチューンのアウディ「RS7スポーツバック」はレース用ガソリンが必要ってほんと?

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約3千万円かけて1000馬力に! ABTチューンのアウディ「RS7スポーツバック」はレース用ガソリンが必要ってほんと?

レースのノウハウが活かされた限定車のアウディがABTから登場

主にアウディとフォルクスワーゲングループのブランドを取り扱い、フォーミュラEに参戦するなどモータースポーツ分野で活動を続けるドイツのABT Sportline(アプト・スポーツライン)から、「ABT RS7レガシィ・エディション」が登場した。200台のみが生産される限定車の詳細をお伝えしよう。

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1000馬力を発揮するABTチューニング

ABT Sportlineは、ドイツのバイエルン州ケンプテンに拠点を置くモーターレースおよび自動車のチューニング会社で、120年以上の歴史を持つ。現在ではセアト・グループの新ブランドであるクプラとともに積極的なモータースポーツ活動を続け、そこで得た技術的なノウハウは、もちろん彼らが製作するチューニングモデルの開発に活かされ、カスタマーからこれまで高い評価を得てきた。

今回ABTから登場したモデルは、アウディ「RS7スポーツバック」をベースとしており、すでに販売が開始されているLE(レガシィ・エディション)となる。

その最大のセールスポイントはフロントに搭載される4LV型8気筒ツインターボエンジンだ。通常のレガシィ・エディションの最高出力は820psを発生させるが、さらにここから望むカスタマーにはABTチューニングの頂点ともいえる1000psの最高出力を誇るエンジンが与えられるという仕組みなのである。もっとも、通常モデルでもその運動性能に不満を感じるカスタマーなど、ごく一部であるはずだが。

レース用ガソリンで真価を発揮

それでは実際に、ABTはどのような手法を用いて180psのエクストラを得ることに成功したのだろうか。

実際にそのV型8気筒ツインターボエンジンを見ると、ターボエアインテークを拡大したカーボンインテークシステム、コンプレッサーホイールの拡大とベアリングの変更によるターボチャージャーの改良、圧力センサーを最大ブースト圧で4バールまでの設定に、フロントエプロンに大型エアインテークを備えたインタークーラーを新設、と次々にABT独自のチューニングが明らかになってくる。

だが、さらに最も重要なのは「IWI」と呼ばれるエンジンの2つのスロットルバルブの前に装備される水とエタノールの噴射システムだ。それによって吸気を大幅に冷却することを可能にするのである。

ただしガソリンはレース用燃料並みのオクタン価102が必要となる。通常のハイオクガソリンのオクタン価98では最高出力は940psに抑えられてしまうという。

エンジン内部の構成部品も、その多くが新設計されたものだ。圧縮比を低減させるための鍛造ピストン、強化コンロッドと強化ピストンピン、追加オイルクーラー、スポーツ触媒、コントロールユニットの処理等々、こちらも書き出せば終わりがない。そのすべてのコンポーネントはエンジンベンチとサーキットで徹底的にテストされ、十分な検査を受けた後に出荷されるということだ。

チューニング費用はベース車両本体価格を上まわる

ボディにフィットされる専用のフロントスプリッター、ボンネット、ディフューザー、リアウイングなどは、すべてカーボンファイバーで成型された独自のもので、ディフューザーの中からは4本出しの102mm径ステンレススチール製エグゾーストシステムの姿も確認できる。それがいかに獰猛でボリュームのあるサウンドを奏でるのかは想像に難くない。

ホイールはセンターロック方式の22インチ径を組み合わせる。

インテリアにもカーボンファイバーは惜しむことなく使用されている。このRS7レガシィ・エディションは200台のみが生産される限定車となっているが、その証拠にドアシルには「○/200」の文字がレタリングされたシリアルプレートが装着される。独自の刺繍を施したシートも標準装備のひとつのメニューだ。

問題は、やはりこのABT RS7 LEの価格だろう。ABTによれば、ドイツ本国ではベースのアウディRS7 スポーツバックが12万8000ユーロ。それに1000ps仕様のLEへチューニングするためABTに支払う金額が、20万5000ユーロに設定されているという。つまり合計の価格は33万3000ユーロ(邦貨換算約5265万円)。

速さはやはり、お金で買わなければいけないらしい。

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みんなのコメント

5件
  • エガちゃんねらー
    いくらなんでもコスパ悪すぎるだろ
  • suzuki
    ポルシェにしとけって。でもアウディていつもアウトバーンとかで激速なのが居るね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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