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どピンク! 空色! 若草色! 真面目の化身「優等生なクラウンセダン」は「色」で弾けまくっていた

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どピンク! 空色! 若草色! 真面目の化身「優等生なクラウンセダン」は「色」で弾けまくっていた

 この記事をまとめると

■14代目クラウンはボディカラーの名前が秀逸だった

たかが「ボディカラー」で下取り価格に100万円の差も! クルマ別の買って「いい色」「ダメな色」

■とくに「モモタロウ」と呼ばれるピンクは現在でも中古車に高値がついている

■レクサスにはもっと多くのカラーバリエーションを設けることが重要かもしれない

 14代目のクラウンはボディカラーがとにかく凄かった

 トヨタ・クラウンは「コンサバの権化」といったイメージが強いクルマではあるものの、「マジか!」と思わず叫んでしまうほど意外なことを、たまにぶっ込んでくるクルマでもある。

 まぁ現行型の16代目クラウンは、そのすべてに対して「マジか!」と言いたくなるほどの大変身を遂げたわけだが、14代目クラウン(2012~2018年)も、とくにボディカラーに関してはかなりのモノをぶち込んできた世代だった。

 もっとも衝撃的だったボディカラーは、2013年9月1日から1カ月間限定で注文を受け付けた特別仕様車「ReBORN PINK」の「モモタロウ」なる特別設定色だろう。

 いわゆるショッキングピンクであるモモタロウと、インテリアの各所に配されたテリー伊藤氏プロデュースによる同色のさまざまな差し色は、「クラウン=コンサバの権化」「クラウン=オヤジの乗り物」というユーザーの固定観念を激しく揺さぶり混乱させた。しかし、結果としてReBORN PINKは、トヨタ・クラウンというクルマのブランド価値を一定以上向上させた(あるいは復活させた)と言っていいはずだ。ReBORN PINKなくして現行型クラウンの大変身もなしである。たぶん。

 そしてアスリートG“ReBORN PINK”は、現在も中古車市場において、総額350万円前後というなかなかの高値で販売されている。

 また、ご承知のとおり14代目トヨタ・クラウンには、モモタロウ以外にも意欲的なボディカラーが用意されていた。

 ReBORN PINKから約1年半後の2015年4月1日に注文開始となったクラウン生誕60周年を記念する「アスリートS “空色 edition”」と「アスリートS “若草色 edition”」は、その名のとおり空色と若草色(両車とも正式なボディカラー名である)を大胆にまとった特別仕様車。

 爽快感と開放感をイメージしたという両ボディ色にホワイトの本革シートを合わせた両editionは、ReBORN PINKほどではなかったかもしれないが、トヨタ・クラウンのコンサバなイメージを大きく変えた存在ではあったはずだ。

 クラウンだからこそもっと攻めた姿勢を取るべき

 そして、2015年10月に行われたマイナーチェンジでは、メーカーオプションとして「ジャパンカラーセレクションパッケージ」をアスリートに設定。「日本ならではの四季や時の移り変わりを表す色」としてセレクトされた全12色は、下記のとおりだ。 ・紅(クレナイ) ・仄(ホノカ) ・茜色(アカネイロ) ・天空(ソラ) ・群青(グンジョウ) ・紺碧(アオ) ・白夜(ビャクヤ) ・翡翠(ヒスイ) ・常盤色(トキワイロ) ・胡桃(クルミ) ・黒曜(コクヨウ) ・白光(ビャッコウ) オプションとして注文を受けてから塗装するとはいえ、レギュラー色に加えて12色もの「それぞれ微妙に色味が違う、たぶんあまり数は出ないだろう選択肢」をきっちり用意するのはなにかと大変だったはず。おそらくはロス(無駄になる塗料)も出たに違いない。

 だがその「無駄」こそが、じつは「贅」なのだ。

 贅沢の「贅」という字は、「余計な財貨があり余っている」ということを表した会意文字(ふたつ以上の漢字を組み合わせて、元の漢字とは別の意味を表した漢字)である。大昔はお金として使われていた「貝」に、「余分」や「あり余る」を意味する「敖」を組み合わせたのが「贅」という字だ。

 つまり「贅沢」とは、「無駄なもの、余分なものがたくさんある状態」のことであり、その意味で14代目トヨタ・クラウン アスリートの後期型は、まさに「贅沢なクルマ」だったと言えよう。

 たとえばシルバー系のボディカラーが欲しいと思った場合、標準設定色である「シルバーメタリック」または「プレシャスシルバー」があれば、いちおうはなんの問題もない。だがそこにあえてそれらとは微妙に、しかし確実に違う「白夜」「百光」も用意されたことで、つまり「なくても困らないモノ」をあえて設定したことで、高級車としての14代目後期型アスリートは完成したのだ。

 筆者のような貧乏系ド庶民はどうしても物事に“効率”を求めてしまうが、高級車にとって、そしてそれに乗るお金持ちにとっては、“無駄”こそが重要なのである。

 その意味で、後継にあたる15代目トヨタ・クラウン(2018~2022年)に設定された「ジャパンカラーセレクションパッケージ」が全12色から6色へとスケールダウンされたのは残念だった。しかし、それでも「紅(クレナイ)」「茜色(アカネイロ)」「夜霞(ヨガスミ)」「翡翠(ヒスイ)」「碧瑠璃(ヘキルリ)」「天空(ソラ)」という計6色のジャパンカラーセレクションパッケージが設定された点に関しては、高く評価されなければなるまい。また、現行型(16代目)クラウンのチャレンジングな造形と「プレシャスブロンズ」などの個性的なボディカラーについても、同様に称賛する必要がある。

 だが本当は「レクサス」こそが、12色あるいはそれ以上の「ジャパンカラーセレクションパッケージ」的なオプション色多数を用意するべきなのかもしれない。

 例えば現行型レクサス RXも全11色の素敵で微妙なボディカラーを用意して頑張ってはいるが、「十分!」とまでは言えない。レクサスたるもの、もっともっとスペシャルなカラーをオプションで用意してほしいのである。

 無論、それが大変な作業であることは承知だ。だがそれぐらいの贅=無駄を追求しない限り、レクサスは欧米列強のプレミアムブランドを撃破できないようにも思えるのだ。

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みんなのコメント

16件
  • やっぱ青っていいな。
    でもここの人達はキモオタブルーと言ってすぐ小馬鹿にしてくるからな。
  • かつてイタリア車のランチアイプシロンに、オプションで112色のボディカラーがあったが220クラウンもこれだけあったのには驚いた。個人的にはオレンジのクラウンは欲しいかも。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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