現行型の登場から4年が経過しても今なお大人気のスズキ ジムニー。
この人気は日本だけではない。ドイツではジムニーシエラが『ジムニー』として販売され、予約注文が殺到している。
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ヨーロッパの自動車大国ドイツで、ジムニーはどのような形で愛されているのだろうか。池ノ内みどり氏がレポートする。
文、写真/池ノ内みどり
■ドイツでも愛されるスズキ ジムニー
ベンツ Gクラスの小型版ということで『Baby G』の愛称で親しまれるドイツ版スズキ ジムニー。日本のジムニーシエラジムニーとして販売されている
日本のみならず、自動車大国のドイツでも発売前から大きな話題と予約注文が殺到したスズキのジムニー。ドイツで『Baby G(メルセデス・ベンツのGクラスの赤ちゃん』の愛称で親しまれています。日本の660ccの軽自動車はドイツに輸入されていないため、シエラ仕様が標準のジムニーとして販売されています。
低価格でコンパクト、その上AWDと日本が誇る楽しいクルマの一台ですが、世界で唯一速度制限解除区域が設けてあるアウトバーンが有名なドイツでは、ジムニーはどんな活躍を見せてくれているのでしょう。
近年は地球温暖化となりすっかり降雪が少なくなったドイツの南部に位置するミュンヘン市。ドイツでは南にアルプスがあり、それに連なりオーストリアやスイス、イタリアへと美しい山々が広がっている事から、気温は南部の方が低く、積雪量も多いのです。
しかし、最近では地球温暖化の影響でしょうか、南ドイツでも都市部のミュンヘンなどでは殆ど積雪はありません。この冬も例外ではなく、昨年の11月に初雪があった後にはがっつりと積もる程の積雪はありません。
■除雪・融雪に大活躍のジャーマン・ジムニー!!
除雪用のブレードを装備するジャーマン・ジムニー。冬のミュンヘンでは見慣れた光景だ
こんなショベル付きのジムニー、日本でご覧になった事はありますか?!
こちらミュンヘン市では冬場には見慣れた光景なのですが、除雪車のショベルを搭載したジムニーです。小回りも利く事から細い住宅地の道路や、アパートの敷地の除雪もお手の物です。四駆のお陰で多少の雪道でも雪かきをしながらぐいぐいと進む事ができるのです。
豪雪地方や広い道路には大きな除雪車が入りますが、都市部の狭い住宅地の道路やアパートの敷地にはジムニーがとても素晴らしい威力を発揮します。
これらの雪国使用の特別仕様のジムニーの多くはアパートの管理会社や管理人さんの所有物で、夏場はこのショベル部分を取り外して使用しておられます。
ドイツの他の地域に住む友人らに写真を見せると、見た事がない人が大半で、同じドイツ国内でも使用されている地域は限られているのかも知れませんね。私はてっきりドイツ全土で使用されているのかと思っていました。
日本でも豪雪地帯にお住まいの方にはこのジムニーはとても便利なのではないでしょうか?トラクタータイプの除雪機ですと、恐らくエアコンもついていないので除雪作業の方も寒い中で大変だと思いますが、ジムニーならエアコンもついていますし、氷点下の除雪作業も少し軽減されるのではないでしょうか。
日本でも長野県にあるAiba Worksさんにドイツのモノに近い電動油圧式シリンダーのショベルが販売され、ジムニーに装着出来るようですね。
日本各地の雪国でもドイツのようにジムニーが活躍しているのは嬉しいですね!
■CO2排出規制の影響で一旦姿を消したが……
EUのCO2排出規制の基準の関係で乗用車としての販売を終了せざるを得なくなったが、後部座席を取り去って2シーターにすることにより、CO2排出基準が異なる商用車として復活した
ドイツでも発売当初から予約が殺到したジムニーですが、EUのCO2排出規制の基準の関係で2021年1月には量販車としての販売を終了せざるを得なくなってしまいました。あまりにも納車までに長いので、デリバリー状況が落ち着いてから買おうと、待っていた人々には寝耳に水で大ショックだった事でしょう。
その代わりとして、スズキは排ガス規制が一般の量販車と異なる商用車としての再販に漕ぎ着けたのです。
後部座席を失くしてトランクの容量を33リットル増加して863リットルになり、後部座席を取り除いた2シーターになった事もあり、車中泊用やアウトドアが趣味の方にはむしろ都合の良い仕様になりましたね。こちらは商用車という事もあり、MTのみの取り扱いとなります。
随分とAT車は増えたとはいえ、いまもなおその多くが高級車向けで、元々ドイツはコンパクトカーの大半がMT車という事もあり、大半のドイツ人にはMT運転に問題はありません。
一部のスズキ販売店さんでは、ショベル付きの冬季仕様のジムニーを管理会社向けに販売や相談も受け付けておられるそうです。また、このショベルカー付きのジムニーを専門に扱っておられる販売会社もあるようで、雪国には強い味方です。
しかし、最近では地球温暖化の影響でしょうか、南ドイツでも都市部のミュンヘンなどでは殆ど積雪はありません。この冬も例外ではなく、昨年の11月に初雪があった後にはがっつりとした積雪は殆どありませんので、残念ながら今年はまだ大雪の中で働くジムニーの活躍をあまり見掛けられないのが残念です。
■高級車並の驚きの車両価格!!
日本では考えられない高額なジムニーだが、一旦オーダーストップが入る程にその人気は根強い
ちょっとジムニーが気になり、近くのスズキの販売店でセールスマンの方へお話を伺ってきました。まずは店頭にずらりと並んでいるジムニーを見て、あれ?ドイツで入手困難な状況って解消したの? と思ってしまいました。
それも並んでいるのは、もう販売されていない4シートの車両ばかりがあるではありませんか!
セールスマンの方によると、案の定、世界中からの予約希望が殺到して、もうデリバリーの時期が全くの不透明な為に一旦予約を中止しているそうなのです。この店舗に並ぶ在庫は、ドイツ唯一だとの事で、ドイツ国内の他店には一台もない店舗が大半なんだそうです。
それを見込んで、メーカーから受注ストップになる前にオーダーしていた分をキープしているのだとか。
インターネットに在庫をアップしておられるのですが、全部を販売可能にはしておらず、この中の2台は現在販売中で、他は今後の状況やどれだけこれを必要としているか、という顧客との対話で販売するかどうかを決められるそうです。
それも、ここに並んでいるのは全て日本製。ロシア製のジムニーもドイツでは入ってくるそうですが、顧客のみなさんがご希望されるのは安心の日本製なのだそうで、それについてもこの店舗は日本製を揃えているとご自慢の様子でした。
ジムニーの価格38,200ユーロ(約500万円)があれば、ドイツの高級車の御三家(アウディ/BMW/メルセデス・ベンツ)の新車が購入できるとあり、ジムニーの購入には少々しり込みしてしまう
一度ディーラーで登記した新古車としての販売ですが、実質は新車。そのお値段にビックリです! 二度見ならぬ、三度見、四度見どころではありません。38,000ユーロとあるではありませんか!?
ドイツは消費税が19%と、日本に比べるとおよそ倍という事や日本からの輸送費も含まれていると考えても、日本円に換算すると約500万円とは!!
日本とドイツの会社員の平均収入は似たり寄ったりですので、正直500万円は……と言葉を失いました。この店舗が価格を釣り上げているのではなく、メーカー基準の正規価格だとの事なので、ため息は更に増えます。
スズキ ドイツのホームページを開いてみると、2シートの商用車バージョンの新車価格は21,915ユーロから(約285万円)と記載されています。後部座席が減った分やトランスミッションがMTとあり、多少はお安くなったのかとは想像できますが、それにしても店頭販売価格を見て愕然としました。
日本での販売価格がアタマにあったものですから、あわよくばセカンドカーにジムニーを買えるかも?! なんて、買った後はこんな風に乗りたいな! なんて、ちょっと想像しなが淡い気持ちで向かった自分を悔いましたね(苦笑)。
自宅に戻り、大手中古車販売サイトをチェックしていると、やはり新車や新古車は殆どなく、中古車でさえも500万円前後で取引をされているようです。その上、ジムニーを探しています! と出しておられる方も結構おられる事にビックリです。
この値段がネックですよね……という私に対し、前出のセールスマンの方は、「もう手に入らない4シートのものは値が下がる事がない上、手放す際にも損はしませんよ」との事でした。
メーカー3年保証に加え、販売店の別途保証を付ける事も可能ですが、20万km以上を走行しても、殆ど故障や不具合がないのもジムニーの魅力であり、『日本製』を望む顧客が拘るところなのだそうです。
数多くの自動車メーカーがひしめくドイツでも、日本車の性能や価値がしっかりと認知されて、重宝されている事に日本人としてとても嬉しく思いました。日本国内でも長い納期があると聞きますが、数多くの方が待ち望むドイツにも一日も早くジムニーがデリバリーされる事を願っています。
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みんなのコメント
ランクルなど日本ではデカすぎて、産油国のおっさんの下駄でしかない。トヨタなど儲けばかりに走って、似たようななんちゃってSUVばかり作っとらんで、仕事で使える本格小型4WD車を出してもらいたい。