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いいとこ取り!? 消えた幻の技術… 変わり種ミッション搭載車5選

■自動車史に輝く数々のトランスミッションたち

 ガソリンエンジンを搭載した自動車が発明されてから100年以上経ち、これまでの進化は目覚ましいものがあります。

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 なかでもエンジンの熱効率は飛躍的に向上しましたが、仕組み自体は大きく変わっていません。一方で、トランスミッションはさまざまな構造のものが誕生してきました。

 そこで、ユニークなトランスミッションを搭載したクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「シティ」【ハイパーシフト】

 背の高いデザインが特徴的なホンダ「シティ」は、1981年に発売されました。高効率なエンジンを搭載し、高い全高による優れた居住性、トランクに収納できる原付バイク「モトコンポ」の同時発売など、とにかくトピックスが多かったクルマです。

 その後も、さらにハイルーフの「マンハッタンルーフ」や、ターボモデル、オープンモデルが加わりバリエーションが拡大され、1985年には「ハイパーシフト」が登場しました。

 ハイパーシフトとは「R」グレードに設定された新開発のトランスミッションのことで、副変速機を備える4速MTの呼称です。

 発進用の1速を除いた2速から4速に、低速(Low)と高速(High)のギアが用意され、実質7速MTということになります。

 副変速機自体は、スズキ「ジムニー」などクロスカントリー4WD車も採用する珍しいものではありませんが、このハイパーシフトはコンピューターがアクセルワークなどを感知して、副変速機の低速と高速を自動で切り替えるという画期的なものでした。

 ハイパーシフトは低速ギアによるキビキビとした走りと、高速ギアの静かで経済的な走りを両立した先進のメカニズムにもかかわらず、通常の4速MTモデルとの価格差がわずか3万5000円と、安価に設定されました。

 しかし、ホンダ車にハイパーシフトが普及することはなく、搭載したのは初代シティが最初で最後です。

 なお、三菱は「ミラージュ」などで手動の副変速機付きMTを採用しましたが、こちらも消滅しています。

●トヨタ「MR-S」【SMT】

 トヨタ「MR-S」はミッドシップスポーツ「MR2」の後継車として、1999年に発売されました。全グレードがオープン2シーターとなり、ハイパワーになった2代目MR2から一転して、ライトウエイトスポーツへと変貌を遂げています。

 そして、2000年には5速MTに加え、「SMT」と呼ばれる新しいトランスミッションが搭載されました。

 SMTとは「シーケンシャル・マニュアル・トランスミッション」の略で、通常のMTではシフトポジションがH型に配置される「Hパターン」を採用しているのに対し、シフトレバーを前後にのみ動かすことで変速できる仕組みです。

 具体的には、ポルシェの「ティプトロニック」などのような任意のギアを選べるATと同様に、「+(シフトアップ)」と「-(シフトダウン)」が前後並んでいます。

 MR-Sに搭載されたSMTは、油圧アクチュエーターがクラッチ操作を自動でおこなってくれるセミオートマチックですが、自動変速モードが無いためギアの選択は手動でおこなわなければなりません。

 MTの自由度とATの快適性をあわせ持つ優れたトランスミッションでしたが、自動変速モードがないことと、シフトアップ時に若干のショックがあることが不評で、MR-S以外には採用されず姿を消してしまいました。

●日産「セドリック/グロリア」【エクストロイドCVT】

 現在、国産乗用車のトランスミッションの多くはATを採用していますが、ATは4速から8速などの有段変速機を持つものと、ギアを使わずに変速するCVTに大別されます。

 CVTはベルトとプーリーを用いて減速比を連続的に変えることで、エンジンが効率良く出力を発生させられる回転数を保ちながら運転でき、省燃費化はもちろん変速ショックがないスムーズな運転が可能となりました。

 さらに、CVTは部品点数が少なく小型化できたことから、登場初期は小型車や軽自動車を中心に普及します。

 しかし、CVTはベルトとプーリーの摩擦によって動力を伝達する機構のため、大トルク/大排気量のクルマではスリップが生じて、伝達効率が極端に下がるという問題がありました。

 そこで、1999年に発売された日産の高級セダン「セドリック/グロリア」に搭載されたのが、「エクストロイドCVT」と呼ばれるまったく新しいCVTです。

 エクストロイドCVTとはトロイダルCVTの日産の呼称で、プーリーとベルトの代わりにディスクとローラーを利用して駆動力を伝達します。

 簡単にいうと、入力(エンジン側)ディスクと出力(プロペラシャフト側)ディスクの間にローラーが挟まっている形で、そのローラーの角度を変えるとディスクとの接点が移動し、減速比が変わるというものです。

 ディスクとローラーは非常に高い圧力のもとで、摩擦と潤滑のバランスが取られているため、高効率かつ高出力にも耐えられ、通常のCVTでは考えられない280馬力の3リッターV型6気筒ターボエンジンに対応したことで、大いに話題になりました。

 理論自体は古くに誕生していましたが、どのメーカーも実現することができず、日産とトランスミッションメーカーのジヤトコなど数社の共同によって開発に成功。

 しかし、精度の高い工作技術が要求されたことでコストアップにつながり、構造も複雑なため小型化できないというデメリットがあり、セドリック/グロリア以外では、11代目「スカイライン」に採用されたのを最後に消えてしまいました。

 なお、その後は機械メーカーによって小型化に成功していますが、ベルト式CVTでも大トルク/大排気量のクルマに対応できているため、採用されたことはありません。

■スポーツカーでもイージードライブを可能にしたミッションとは!?

●スズキ「アルト」【AGS】

 スズキ「アルト」は1979年に登場した軽自動車で、2014年に発売された8代目にあたる現行モデルに「AGS」が搭載されました。

 AGSは「オート・ギア・シフト」の略で、一般的にはAMT(オートメイテッド・マニュアル・トランスミッション)とよばれるトランスミッションです。

 トランスミッション自体はMTがベースで、電動油圧式アクチュエーターがクラッチとシフト操作を自動でおこなうため自動変速モードが備わっており、イージードライブが可能となっています。

 また、AGSにはAMTでは珍しく「Pレンジ」があったり、クリープ機能が備わるのも特徴です。

 当初、AGSはアルトの最廉価グレードと商用登録グレードのみに設定され、上級グレードにはCVTが搭載されていました。

 しかし、AGSはアクセルに対してダイレクト感があり、MTのように任意のギアを選べることからスポーティなドライビングと相性が良く、後から追加された「ターボRS」や「ワークス」といったスポーツグレードでも採用されています。

 なお、構造が単純でコストアップも少額なため、AMTは欧州の小型車で普及しました。

●ポルシェ「911」【スポルトマチック】

 ポルシェを代表するモデルである「911」は、誕生のころから実用性の高いスポーツカーとして開発されてきました。

 これまでもスポーツドライビングとイージードライブの両立に向け、さまざまなチャレンジをおこなっており、その第1弾が1964年に登場した初代911に採用された「スポルトマチック」です。

 スポルトマチックとはクラッチ操作だけが自動化されたセミATと呼ばれるもので、ドライバーがシフトレバーを動かすと電気的に感知し、真空サーボを作動させてクラッチを切り、ドライバーがシフトチェンジをおこなってシフトレバーから手を離すとクラッチが繋がるという仕組みとなっています。

 特徴的なのが、一般的なATのようにトルクコンバーターがエンジンとトランスミッションの間にあることで、エンジンとトランスミッションが直結していないため、ギアを抜かずに停止してもエンストすることはなく、発進もスムーズにおこなえます。

 スポルトマチックの採用は1967年8月に発売された「Aシリーズ」からで、ポルシェにとってもっとも重要なマーケットであるアメリカ向けに開発したもののあまり評価されず、1968年から1969年の対米輸出のうち1割にも満たなかったといわれています。

 なお、フォルクスワーゲン「タイプ1(ビートル)」などにもスポルトマチックは採用され、こちらは高く評価されました。

 ポルシェはその後、第2世代の911にもスポルトマチックを採用しましたが1970年代には消滅し、次の2ペダル車は1990年に発売された「911カレラ2」まで待たなければなりませんでした。

※ ※ ※

 近年の国内市場では、MT車の販売比率は2%にも満たないといわれ、もはや絶滅危惧種です。この傾向は海外も同様で、MT車が好まれる欧州でもMTが設定されない車種が増えてきています。

 とくに高性能車を中心に普及しているDCTは、あらゆる性能でMTを凌駕していますので、MT車の減少は仕方がないことかもしれません。

 今後、電気自動車が普及してくると、トランスミッションそのものが絶滅危惧種になることでしょう。

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