映画「ノマドランド」のような車中泊して暮らす夫婦の肖像
2021年4月に発表された「第93回アカデミー賞」で作品賞・監督賞・主演女優賞を受賞した映画「ノマドランド」。アメリカ西部の路上に暮らす車上生活者たちを描いた映画だが、日本でもはるか前から車中泊をしながら暮らす若い夫婦がいた。一体何がきっかけでノマド(フランス語で遊牧民の意)ライフを送るようになったのか? 実際に生の声を聞いてみよう。
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初出:CARトップ2019年12月号
場所に縛られず好きな場所へ移動しながら過ごす生活
アメリカで流行し、最近は日本の若い世代も気軽に旅をする手段としてブー ムになりつつある「バンライフ」。私たち夫婦はマイホームなどの拠点を持たずに、愛車で車中泊しながら日本全国を旅する「バンライフ」を始めて7カ月以上が経ちました。クルマを「動く家」にして、いつでも場所に縛られずに、好きな場所へと移動しながら過ごしています。 1日の始まりの会話は「今日はどこに行こうか?」。インスタグラムで検索して気になった観光スポットを巡ったり、温泉でドライブの疲れをゆっくり癒したり。寝るときはふたりで協力しながらハスラーの座席を倒し、完全にフルフラットにして、後部座席に積んであるニトリで購入したフカフカなマットレスを敷きます。スズキ・ハスラーは小さなクルマに見えますが、フルフラットにすると広いんです。だいたいセミダブルベッドくらいの、ふたりでも十分ぐっすりと眠れるほどのスペースが確保できます。
夫婦でバンライフをすることで深まる「絆」
バンライフをしていると、こうした非日常な体験がどんどん日常化しています。私たちはリモートワークで共働きして、収入を得ながらクルマに住んでいます。生活もすべて力を合わせて行うので「私は家事しているのに、夫は何もしてくれない!」という不満が起きません。どちらかの負担が重くならないよう、お互い相手の立場に立って考えられるようになりました。 会社のコミュニティだけではなく、もっと小さな「夫婦」というコミュニティを大切にしたい。夫婦でバンライフすることで、より絆が深まります。週末だけでもバンライフを始めてみてはどうですか?
気になる「衣食住」や「お金」の話
●おすすめスポット
石川県は見附島(軍艦島)や白米千枚田、塩の駅「輪島塩」、ゴジラ岩、日本で唯一砂浜をクルマで走ることができる「なぎさドライブウェイ」などの魅力たっぷりの絶景観光スポットが密集しているので、1日で充実したクルマ旅を楽しむことができます。
●衣食住のやりとり
最低限の物しか持たないミニマリストなので、着回しやすい衣類のみ常備してます。食事はご当地グルメを堪能したり、旅先の新鮮野菜を調理してます。ハスラーの車内をフルフラットにするとふたりで十分眠れるスぺースができます。
●お金のやりくり
収入は夫婦ふたりリモートワークで働いた分を合わせて、生活費・貯金・納税などの支払い額を十分に確保できる程です。支出はカーリース代、ガソリン代、食費、観光費、洗濯は週1回ほどコインランドリーなど。お風呂は毎日入浴施設に行きます。1カ月あたりまるっと20万円程度になります(通話料、保険料などを含まず)。
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