現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 月販わずか130台ってアルヴェルの2%だぞ! このご時世にハイブリッドもなし! それでも日産エルグランドが新型を出さずに売り続けられるワケ

ここから本文です

月販わずか130台ってアルヴェルの2%だぞ! このご時世にハイブリッドもなし! それでも日産エルグランドが新型を出さずに売り続けられるワケ

掲載 51
月販わずか130台ってアルヴェルの2%だぞ! このご時世にハイブリッドもなし! それでも日産エルグランドが新型を出さずに売り続けられるワケ

 この記事をまとめると

■日産エルグランドはすでに約14年間フルモデルチェンジせずに販売が続けられている

日産自動車は堂々90周年! 名車だらけのなかでも絶対外せない「5台」を選んでみた!!

■エルグランドは高額車なため少台数であっても販売されると売り上げがプラスになる

■いまエルグランドを終売にすると顧客を繋ぎ止めておくことができなくなる

 14年間フルモデルチェンジされていないエルグランド

 各メーカーのホームページに掲載される「カーラインアップ」を見ると「あのクルマ、まだ売っていたの?」と意外に思うことがある。そのひとつが日産エルグランドだ。Lサイズミニバンだが、現行型の発売は2010年に遡り、約14年間にわたってフルモデルチェンジされていない。

 そのために売れ行きも下がり、2024年1~4月の1カ月平均登録台数は約130台だ。同じ日産が扱うミドルサイズミニバンのセレナ、あるいはライバル車のトヨタ・アルファードに比べると約2%に留まる。

 発売から長期間が経過しても、ほかの車種とは違う強いセールスポイントがあったり、綿密な改良を受けていれば堅調な販売を保つことも可能だ。たとえば三菱デリカD:5は、2007年の発売だからエルグランドよりも古く17年を経過する。それでも2024年1~4月の1カ月平均登録台数は約1600台だ。三菱の販売店舗数は全国に約550か所で、日産の3分の1以下と少ないことも考えると、デリカD:5は設計が古い割に堅調に売れている。

 その理由は、デリカD:5には、ほかのミニバンでは得られない強い魅力があるからだ。SUV並みの悪路走破力、SUVに匹敵する存在感の強いボディスタイル、ミニバンでは少数派になるクリーンディーゼルターボエンジン、全長が4800mm以下のミニバンではもっとも広い3列目シートなどがそれに該当する。

 しかもデリカD:5は、2019年にフロントマスクなどの外観、ディーゼルエンジンの動力性能、走行安定性、乗り心地、安全装備、運転支援機能などを刷新するフルモデルチェンジ並みの改良を実施した。これらの相乗効果により、デリカD:5はいまでも堅調な売れ行きを保っている。

 ユーザーを逃さないためにもエルグランドを廃止できない

 その点で、エルグランドにはデリカD:5ほどユーザーから注目される強い個性がない。加えて目立った改良も受けていない。エルグランドのパワーユニットは、直列4気筒2.5リッターとV型6気筒3.5リッターのガソリンのみだ。いまの売れ筋ミニバンには必ずハイブリッドがあり、前述のデリカD:5も、ハイブリッドがない代わりにクリーンディーゼルターボを搭載する。エルグランドはV6エンジンを用意するが、ほかのミニバンに比べると、購入に結び付く魅力に乏しい。

 そして、商用車や悪路向けのSUVを除くと、デリカD:5のような大幅な改良を実施しない限り、ひとつのモデルを作り続けられる限界は約10年だ。

 たとえば現行エルグランドを発売した2010年に購入したユーザーが、5年後の2015年に改良型に乗り替えたとする。しかし2020年以降に、さらにもう一度同じエルグランドに乗ってもらうのは難しい。

 このような事情もあり、2010年に登場した最終型ヴィッツは、2020年に現行ヤリスへフルモデルチェンジされた。2011年に登場した初代アクアも、2021年に現行型の2代目アクアに切り替わった。

 それならなぜエルグランドは発売から10年以上を経過しても販売を続けているのか。その理由は、まずエルグランドの価格帯が400万~600万円に達しており、いまの日産では貴重な高価格車になっているからだ。エルグランドが1カ月平均で約130台でも販売されると、メーカーや販売会社にとってはプラスになる。

 販売会社では「エルグランドは新型にフルモデルチェンジして欲しいが、廃止されるのは一番困る」という。廃止されるとユーザーがエルグランドに見切りを付け、アルファードやヴェルファイアに乗り替えてしまう。そうなると車検、点検、保険といった付帯サービスの受注まで失うからだ。

 また、エルグランドのユーザーがたとえばセカンドカーとして日産ノートを併用している場合、エルグランドがアルファードに乗り替えられると、トヨタのセールススタッフが熱心なら、ノートまでヤリスに切り替わる心配がある。ユーザーを逃さないためにも、エルグランドは廃止できない。

 そして直近のジャパンモビリティショーには、日産がLサイズミニバンを思わせるハイパーツアラーを出展した。近年では海外でもLサイズミニバンが販売されるようになり、日産がエルグランドの後継車種を企画しているとも受け取られる。そうなるとユーザーを繋ぎ止める意味でも、ますますエルグランドは廃止できないわけだ。

こんな記事も読まれています

新型を出す意味ないんじゃ!? 超モデル末期でも旧型フリードが驚異的な売り上げを誇るワケ
新型を出す意味ないんじゃ!? 超モデル末期でも旧型フリードが驚異的な売り上げを誇るワケ
WEB CARTOP
ホンダWR-Vに日産もスズキも続くか? インドから日本へと輸入の流れがトレンドになりそうな予感
ホンダWR-Vに日産もスズキも続くか? インドから日本へと輸入の流れがトレンドになりそうな予感
WEB CARTOP
スイフトが売れに売れるインド市場! スズキがインドで最強を誇るワケ
スイフトが売れに売れるインド市場! スズキがインドで最強を誇るワケ
WEB CARTOP
中身は基本同じ車種! メーカーにこだわりなければドッチが正解? ベース車とOEM車はどちらがお得なのか
中身は基本同じ車種! メーカーにこだわりなければドッチが正解? ベース車とOEM車はどちらがお得なのか
WEB CARTOP
トヨタがガチで作ったら……想像すると欲しい気がする! なぜトヨタはバカ売れジャンルの「軽自動車」を作らないのか?
トヨタがガチで作ったら……想像すると欲しい気がする! なぜトヨタはバカ売れジャンルの「軽自動車」を作らないのか?
WEB CARTOP
打倒[アルファード]なんて考えるな!! デリカはそのままでいいの!! 新型デリカも我が道行け!
打倒[アルファード]なんて考えるな!! デリカはそのままでいいの!! 新型デリカも我が道行け!
ベストカーWeb
日産はレクサスLMよりずっと早く「超VIPミニバン」を作っていた! 「エルグランド・ロイヤルライン」の中身がスゴイぞ!!
日産はレクサスLMよりずっと早く「超VIPミニバン」を作っていた! 「エルグランド・ロイヤルライン」の中身がスゴイぞ!!
WEB CARTOP
イジると「超かっけークルマ」に変身するぞ! 東京都内最速の呼び声……もあながちウソじゃない「プロボックス」が最強すぎる!!
イジると「超かっけークルマ」に変身するぞ! 東京都内最速の呼び声……もあながちウソじゃない「プロボックス」が最強すぎる!!
WEB CARTOP
宅配業の皆さんスタンバイOK? アウトドア派は貯金できてる!? 10月10日発売の「ホンダN-VANe:」がガチで使えるクルマだった
宅配業の皆さんスタンバイOK? アウトドア派は貯金できてる!? 10月10日発売の「ホンダN-VANe:」がガチで使えるクルマだった
WEB CARTOP
スズキの軽自動車の車種一覧! 魅力や特徴、選び方を徹底解説
スズキの軽自動車の車種一覧! 魅力や特徴、選び方を徹底解説
WEB CARTOP
「ランクルつながり」でチラ見する、200系ハイエースのネクストステップとは?【連載 桃田健史の突撃!キャンパーライフ「コンちゃんと一緒」】
「ランクルつながり」でチラ見する、200系ハイエースのネクストステップとは?【連載 桃田健史の突撃!キャンパーライフ「コンちゃんと一緒」】
LE VOLANT CARSMEET WEB
トヨタ“新型”「ルーミー」まもなく登場!? 「背高&スライドドア」採用の全長3.7m級「ハイトワゴン」! デビュー8年「大人気モデル」次期型に期待の声
トヨタ“新型”「ルーミー」まもなく登場!? 「背高&スライドドア」採用の全長3.7m級「ハイトワゴン」! デビュー8年「大人気モデル」次期型に期待の声
くるまのニュース
トヨタが新型「3列“クラウン”SUV」発表! 豪華内装&オシャブルー新採用の高級仕様!? 機能面強化し中国で発売
トヨタが新型「3列“クラウン”SUV」発表! 豪華内装&オシャブルー新採用の高級仕様!? 機能面強化し中国で発売
くるまのニュース
なんだこの超イケてるクーペは!? それでも1代限りで消滅した「ランサーセレステ」という残念な三菱車
なんだこの超イケてるクーペは!? それでも1代限りで消滅した「ランサーセレステ」という残念な三菱車
WEB CARTOP
マツダ新型「CX-80」まもなく登場!? 全長5m級「3列シート」SUV! 人気の「CX-8」後継モデルどうなるのか
マツダ新型「CX-80」まもなく登場!? 全長5m級「3列シート」SUV! 人気の「CX-8」後継モデルどうなるのか
くるまのニュース
メルセデス・ベンツのコンパクトミニバン「Tクラス」ってどんなクルマ? 日本上陸の可能性はある!?
メルセデス・ベンツのコンパクトミニバン「Tクラス」ってどんなクルマ? 日本上陸の可能性はある!?
VAGUE
50年前の初代から独創性しかない! 三菱「デリカ」を振り返るとやっぱり偉大すぎた!!
50年前の初代から独創性しかない! 三菱「デリカ」を振り返るとやっぱり偉大すぎた!!
WEB CARTOP
ホンダ新型「フィット」まもなく登場!? 豪華な「小さな高級車」仕様も用意の「コンパクトカー」! デビュー4年目の「大人気モデル」どうなるのか
ホンダ新型「フィット」まもなく登場!? 豪華な「小さな高級車」仕様も用意の「コンパクトカー」! デビュー4年目の「大人気モデル」どうなるのか
くるまのニュース

みんなのコメント

51件
  • ta******
    このクラスで未だV6エンジンのラインアップがある希少な車種。
    社有車として乗っているが、やはりハイブリッドにはない気持ちよさはある。
    ただ、車としての設計の古さはあり、今更個人で買うかと言われたらさすがにないかな。。
  • ********
    「ミニバンに居住性を求めるのはもう古い」とのたまって、

    こんな天井が低いミニバン開発して売れなくした

    A級戦犯の開発担当はまだのほほんと日産にいるんだろうな 笑

    そして下請けイジメで憂さばらし
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

408.2837.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0569.0万円

中古車を検索
エルグランドの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

408.2837.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0569.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村