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日本にもMINI EVを導入を!! ミニがEV専門メーカーになるまでの道のりは険しくも希望アリってマジ!? 

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日本にもMINI EVを導入を!! ミニがEV専門メーカーになるまでの道のりは険しくも希望アリってマジ!? 

 ミニは、国内問わず人気である。そのミニが、2030年にEVブランドへ転身すると宣言されてから、2年以上の歳月が経過した。そこで、今回はミニのEVブランドへの実現性について問う。また、次世代ミニクーパーについても触れていく。

文/高根英幸、写真/BMW、ステランティス

日本にもMINI EVを導入を!! ミニがEV専門メーカーになるまでの道のりは険しくも希望アリってマジ!? 

■欧州ではミニ EVを導入済! いっぽうで日本ではPHEVモデルを販売する訳

2023年2月に欧州にて限定発表されたEVモデルのBMW MINIコンバーチブル(航続距離は201km(WLTCモード))。日本にはこのEVモデルは導入されていない

 輸入車の中でもミニは特別な存在だ。半世紀以上の歴史をもつ名車というブランドネームは、英国のアイコンとして今も様々なモチーフに使われている。

 日本でもファンは多く、今や軽自動車より小さなボディのクラシックミニは世界で1番の保有台数を誇り、伝統を受け継いだBMWミニは輸入車販売台数でナンバーワンの人気を誇っている。

 BMWは、そんなミニブランドを2030年にはEV専門メーカーへとすることを2021年に宣言している。それはどの程度の実現性をもっているのか、ここで占ってみたい。

 実はEVの世界でも、ミニはちょっと異質と言っていいほど、特別な存在だ。

 コンパクトな輸入車EVとしては、現在のところフィアット500eが注目を集めている。

 けれども、これまでコンパクトな輸入車EVはいくつも登場しており、BMWはi3といった革新的なBEVを販売したこともあるし、スマートも先代モデルはEVを販売していた。

 実はBMWミニもいち早く2009年にはEVのコンセプトモデルを発表して欧州で実証実験を行い、日本でも2011年に実証実験をした実績がある。

 しかし、時期尚早だったと言うべきか、充電環境が整わない日本市場では普及の実現性が低く導入は見送られたのだ。

 そして、2019年には最初のEVミニを欧州で発売しているのだ。そうBMWミニのBEVは、欧州ではミニクーパーSE(英国ではミニ・エレクトリック)として4年前から販売されている。

 しかし、日本では現行モデルでもPHEVが設定されているだけだ。

 それはEV仕様の航続距離が150km(カタログ値は200km~245km)と短いことから、日本のユーザーには受け入れられにくいという判断なのだろう。

2022年6月より販売開始されたフィアット500e。従来のフィアット500を受け継いだデザインが特長。バッテリーは42kWh、航続距離は335km(WLTCモード)となる

 しかし、フィアット500eは、42kWhのバッテリー容量により航続距離を最大で335km(WLTC)まで伸ばしており、冷暖房などを利用しても220km以上の航続距離は確保している。

 これでも航続距離が短いという声もあるが、持ち前のキャラクターで支持を集め始めているようだ。

■うらやましい! 英国BMWではクラシックミニをEVにする取り組みも開始!!

2022年1月、BMWはクラシックミニのEVコンバートサービスを開始した。このサービスは、英国のみで行われている

 1959年に発売されたクラシックなミニ(ローバーミニ、ミニクーパーと呼ばれる)は日本でも欧州でも根強い人気を誇っているが、このクルマをEVにコンバートするサービスはいくつもの企業が展開している。

 BMW自身もクラシックミニのEVコンバートサービスを2022年から開始している。

 これはエンジンと変速機が一体になったパワートレーンをボディから取り出し、代わりにモーターとコントロールユニット、バッテリーを搭載するもの。

 そして取り外したパワートレーンは保管しておき、再びエンジンを利用するようなことがあれば、元に戻せるのだ。

■ミニがEVブランドになったら険しい状況に突き当たるのか? 

日本に販売されているMINIのなかで唯一のPHEVモデル MINI Cooper SEクロスオーバーALL4

 さて、BMWミニのEVでの話に戻るとしよう。すでにミニの生産台数のうちおよそ2割はEVだと言われているから、欧州ではかなりの人気を誇っているようだ。

 今までエンジン車を利用してきたユーザーが同じようにEVを利用しようと思うなら、ミニのEVは選択肢としては厳しい条件となることもある。

 それはミニのコンパクトなボディにはバッテリーを搭載するスペースは限られているからだ。

 SUVなどフロアが高くボディサイズも大きいクルマは、EVとなってもフロアの下にバッテリーを搭載しやすく航続距離を稼ぎやすい。また、モーターさえ強力であれば加速性能も確保できる。

 しかもあくまでBMWは、EVでもミニのゴーカートフィーリングと言われるクイックなハンドリングを維持していく考えのようだ。

 EVでも軽快な走りこそミニらしいと思ってくれるファン、ミニのデザインが気に入って購入するユーザーだけを相手にするには、販売台数を維持していけるか微妙なところだ。

■希望あり! 「ミニ」というブランドイメージがEVブランドへ繋がるカギとなる! 

2023年9月に発表された新型MINIクーパー。インテリアデザインが先進的なものとなってる

 つまり今回のテーマ「ミニはEVブランドになれるか」、という視点ではなく、「EV専門メーカーにならなければ生き残れない」という見方もできるのだ。

 それだけドイツの自動車メーカーもクルマの未来に危機感を持っているのである。

 欧州メーカーとしての事情を考えれば、現時点でもEVにおいては中国のEVメーカーに押されてきている状況である。

 今後コンパクトカーのEVを販売していこうと思ったら、コスパとは異なる付加価値を提案できなければ、厳しくなることは明白だ。

 その点、ミニというブランドのイメージはすこぶるいい。FFコンパクトカーの元祖として超ロングセラーを記録し、モータースポーツでも大活躍した時期もあった。

 BMWミニとなってからも、ラリーやワンメイクレースなどで走行性能の高さやハンドリングの楽しさをアピールしている。

■バッテリー生産はどうなる? 次世代のミニクーパーSEは航続距離を大幅に増大! 

2023年9月に発表されたMINIカントリーマン(日本名:クロスオーバー)

 2023年5月、BMWは新しいEVミニとして第5世代のミニに設定するミニクーパーSEの情報を発表した。

 スタイリングは擬装されているものの、充分にミニらしさを感じさせながら、シンプルで斬新な印象にまとめ上げられている。

 このBEVに関しては、2023年の末頃から中国の長城汽車と合弁で設立する工場で生産する計画だ。

 初代ミニクーパーSE(BEV)の32.6kWhと比べ、バッテリー容量は最大で54.2kWhまで増大しており、航続距離は300km以上になると予想されている。

 実は初代ミニSE生産時にも長城汽車との合弁が計画された経緯がある。

 リチウムイオンバッテリーの調達問題もあって、中国での生産は合理的に思える。

 しかし、このところ欧米や日本の製造業は相次いで中国から生産拠点を撤退させている動きもあることから、今後の動向にも注目したいところだ。

 それに自動車メーカーがいかにEVの販売目標をブチ上げても、実際にユーザーに購入してもらわなければ、それは実現しないのだ。

 事実、VWがEVの販売比率を高めようと増産しても、ユーザーの反応が薄く思うように販売が伸びずに減産に追い込まれている。

 BMWミニがEV専門ブランドになるか、それはBMWの思惑だけでなく合成燃料などエンジン規制の行方と、ユーザーの反応、さらには中国の動向にも影響を受けそうだ。

 2030年まであと6年余り。これから先も大きく方針が変わることは充分にあり得る。

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みんなのコメント

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  • シャシーは、パナメーラコピーと言われた欧拉 (Ora) 閃電猫(Lightning Cat)と共有みたいね。
  • 独BMW製になる前の英国製ミニの時代は電装系の故障が多かった。英国の格言で「イギリスのビールが温かいのはルーカスのレフレクター(冷蔵庫の意)を使っているからだ」と言うのがあるくらい英国製の電装部品は信頼性が低かった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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