■『007』に登場したディフェンダーは、カスタムがハンパない!
映画『007スペクター』の劇中車として、ボンドカー並みの存在感を放っていたランドローバー「ディフェンダー」が、シルバーストーンオークションに出品されることが分かった。
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『007スペクター』の劇中車であるディフェンダーとは、そもそもどのようなクルマなのであろうか。
映画『007スペクター』の劇中車としてすぐに思い出されるのが、ボンドカーとなったアストンマーティン「DB10」と敵役「Mr.ヒンクス」が運転したジャガー「CX-75」であろう。この2台はいずれも市販モデルではなく、いわばコンセプトモデルのような位置づけだ
しかし、もう1台、強烈な個性を放っていた市販SUVがあったのを覚えているだろうか。それが、ランドローバー・ディフェンダーである。
ディフェンダーは、2020年に新型が市場導入されることが決まっており、今回オークションに出品されたディフェンダーは旧型となる。旧ディフェンダーは、2015年をもって生産が終了され、2018年のランドローバー70周年の際に、記念車「ディフェンダー ワークスV8」が150台限定で販売された経緯がある。
ディフェンダーには、大きくボディタイプが2つあり、ショートボディを「90」、ロングボディを「110」と呼ぶ。110には、5ドアのステーションワゴンタイプと4ドアのダブルキャブ ピックアップがあり、劇中車として使われたのはダブルキャブ ピックアップの方だ。
残念ながら日本では2000年初頭までしかカタログモデルとして導入されなかったが、メルセデス・ベンツGクラスと同様、質実剛健なフォルムで硬派なSUVとしていまなお人気のあるモデルである。
こうしたことからも分かるように、ディフェンダーを求める日本のファンは多く、2019年11月に新型ディフェンダーの先行予約が開始された際には、受注開始後4日で150台のローンチエディションの予約がすべて入るほどの人気ぶりとなっている。
■映画『007』劇中車のディフェンダーの仕様とは?
映画『007スペクター』に登場するディフェンダーは、ひとめで劇中車であることが分かるカスタムが施されている。一体どのようなカスタムがなされているのであろうか。
劇中車用のディフェンダーは、ボウラー・モータースポーツが手を加えてカスタムした車両である。ボウラー・モータースポーツは、ランドローバーのカスタムを専門に扱っており、随所にマニアが喜ぶようなカスタムが施されている。
劇中車として製作されたディフェンダーは10台。そのすべてが、究極の逃走車に生まれ変わっているのだ。
ボウラー・モータースポーツが施したカスタムで、もっとも目を引くのが、37インチの巨大なタイヤだ。そしてウインチのワイヤーとは別に取り付けられた、フロントの綱だろう。ブラック一色に統一されたディフェンダーの外観で、この綱がアクセントとなって強烈な個性を打ち出している。
劇中車として製作されたディフェンダーには、高速での逃走用と、雪景色での撮影用の2つの仕様が用意された。しかし、製作された10台のディフェンダーのうち、3台は撮影時に破壊されて存在せず、現在7台のみが残っている。今回オークションにかけられるのは、この7台のうちの1台で、9番目の個体だ。
シルバーストーンオークション担当マネージングディレクター、ニック・ホエール氏は次のようにコメントしている。
「これは、007映画の歴史の一部を所有する非常に特別な機会です。007映画の劇中車はめったに市場に出てくることはなく、これは非常に稀なチャンスといえます。
007のフランチャイズは、世界中で高い関心を集めており、このディフェンダーは、劇中の映画セットとまさに同じ価値があります。
ただし、一般道で運転する場合は登録が必要となります。また、映画でディフェンダーがいつどこで使用されたかの詳細を含むファイルも付属しています」
確かに、007ファンならば、これは見逃せない貴重なチャンスである。気になるシルバーオークションは、2020年5月23日にオンラインにて開催される予定だ。
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