現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > EV需要鈍化で「ハイブリッド」投入 フィアット600 1.2 100HPへ試乗 眼差しの割に走りは活発

ここから本文です

EV需要鈍化で「ハイブリッド」投入 フィアット600 1.2 100HPへ試乗 眼差しの割に走りは活発

掲載 1
EV需要鈍化で「ハイブリッド」投入 フィアット600 1.2 100HPへ試乗 眼差しの割に走りは活発

1.2L 3気筒のマイルド・ハイブリッド登場

少し眠たそうな目つきのヘッドライトがカワイイ、フィアット600。フロントマスクが、ピクサー映画のカーズに登場するクルマのキャラクターへ似て見えるのは、筆者だけだろうか。あちらは、フロントガラスが目だが。

【画像】眼差しの割に走りは活発 フィアット600 HV 競合サイズのクロスオーバー 1950年代の600も 全188枚

この600は当初、600eを名乗るバッテリーEVのみの設定で英国市場へ投入された。しかし需要の鈍化を受け、ハイブリッド・パワートレインの導入も決まったようだ。CO2排出量の枠組みの中でだが、大手自動車メーカーといえども、背に腹は代えられない。

600は、同クラスのジープ・アベンジャーとプラットフォームを共有しているが、パワートレインも同様。ステランティス・グループに属する、シトロエンやプジョーの小型モデルでも、おなじみのユニットだ。

1.2L 3気筒ガソリン・ターボエンジンに、電圧48Vで稼働する電気モーターと、0.9kWhという小さな駆動用バッテリーが組み合わされている。マイルド・ハイブリッドで、最高出力は100ps。追って、135psのパワフルな仕様も登場予定にある。

この電気モーターは28psの能力を持つが、最高出力には影響を与えないという。低域でのトルクをアシストし、システム総合では20.8kg-mの最大トルクを発揮する。

数字以上に走りは活発 強力な回生ブレーキ

決してパワフルなモーターとはいえないものの、運転してみると、100psの数字から想像する以上に600は活発。エンジンの回転数が高まる前に、スルスルと加速していく。中間加速もたくましく、0-100km/h加速が10.9秒に留まることを疑うほど鋭い。

ただし、高速道路の速度域に達すると、そんな印象は薄れてしまう。3気筒ターボエンジンは、洗練されているわけではなく、高負荷時には少し荒っぽいノイズも放つようだ。

前輪駆動で、トランスミッションは6速オートマティック。加速時は、最適なギアの選択に悩むような場面があった。

マイルド・ハイブリッドとしては、アクセルオフ時の回生ブレーキが強力。右足を緩めるたび、エンジンの回転数が落ちる前に、カクンと減速が始まる印象だった。容量の小さい駆動用バッテリーの充電量を、可能な限り高く保つための制御だろう。

これは、滑らかな速度調整には適さないとしても、エネルギー効率には大きく貢献している様子。今回の試乗では、20.4km/Lのカタログ値へ近い平均燃費を得られた。

ステアリングホイールは軽く回せ、入り組んだ市街地ではキビキビと扱いやすい。そのかわり、感触はあまり優れない。ブレーキペダルの踏み応えには、もう少しソリッド感があって良いだろう。

乗り心地は基本的に良好 訴求力あるスピンオフ作

乗り心地は、舗装のツギハギなどの凹凸を吸収し、基本的には良好。路面のうねりなどによる、ボディの揺れは少し大きめ。高めのドライビングポジションと相まって、浮遊感が若干伴う。

もっとも、小粒なイタリアンとはいえ、600はスポーティな運転体験を重視したモデルではない。市街地を軽快に駆け回るクロスオーバーとして、全体的な走りの印象は悪くないといえる。

今回の試乗車は、トップグレードのラ・プリマだった。アルミホイールは、標準では17インチだが、18インチを履いていた。

装備は充実し、フィアットのロゴが前面に展開されたシートは、レザーで覆われる。実際に押せるハードボタン類がふんだんにあり、操作性は良い。運転支援システムと、ワイヤレスのスマートフォン充電パッドも備わる。

リアシート側の空間は、このクラスでは少し狭め。ダッシュボード上にワイドなタッチモニターが据えられるとはいえ、インテリアデザイン自体の特徴は薄いと感じた。

600 ハイブリッドで最大の強みといえるのが、価格設定。ラ・プリマ・グレードでも、バッテリーEVの600eより6000ポンド(約114万円)もお手頃なのだ。それでいて、見た目は殆ど変わらない。ベースグレードなら、2万3975ポンド(約456万円)からだ。

ハイブリッド・パワートレインを得た、新しい600。ここぞ、という強みはないかもしれない。とはいえ、電動クロスオーバーからのスピンオフ作として、不足ない訴求力を得ているように思う。

フィアット600 1.2 100HP ハイブリッド・ラ・プリマ(英国仕様)のスペック

英国価格:2万6975ポンド(約513万円)
全長:4171mm
全幅:1781mm
全高:1523mm
最高速度:170km/h
0-100km/h加速:10.9秒
燃費:20.4km/L
CO2排出量:109g/km
車両重量:1280kg
パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:0.9kWh
最高出力:100ps
最大トルク:20.8kg-m(システム総合)
ギアボックス:6速オートマティック(前輪駆動)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
くるまのニュース
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
Auto Messe Web
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
motorsport.com 日本版
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
motorsport.com 日本版
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
AUTOCAR JAPAN
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
AUTOSPORT web
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
Auto Messe Web
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
AUTOSPORT web
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
VAGUE
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
くるまのニュース
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
WEB CARTOP
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
motorsport.com 日本版
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
レスポンス
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
motorsport.com 日本版
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
AUTOSPORT web
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
くるまのニュース

みんなのコメント

1件
  • 2cv1963
    日本には600eよりもこっちですよ、ステランティスジャパンさん!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

83.0142.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.849.0万円

中古車を検索
ロゴの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

83.0142.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.849.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村