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英米オフローダー比較 フォード・ブロンコ x ランドローバー・ディフェンダー 尊重したい独自性 前編

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英米オフローダー比較 フォード・ブロンコ x ランドローバー・ディフェンダー 尊重したい独自性 前編

SUVライクに付き合える新型ブロンコ

AUTOCARの読者にも、少なからずオフローダーのファンがいらっしゃると思う。もしまだなら、北米フォードのブロンコ・サイトへアクセスしてみて欲しい。眺めているだけで、楽しい気分にしてくれる。

【画像】米英の本格オフローダー 新型ブロンコとディフェンダー ジープ・ラングラーも 全100枚

フォードが1996年まで生産していた、先代のブロンコ。新型は、1960年代から1970年代に名を馳せた初代を彷彿とさせるスタイリングで、見事な復活を果たした。モデルラインナップのなかで確固たる地位を得るであろうことは、想像に難くない。

2ドアか4ドア+テールゲートのボディに、取り外してオープン状態にできるハードトップ。直線的なラインでありながら、エッジが丸められたタフなルックスは、鮮やかなボディ色やオフロードタイヤとのマッチングも素晴らしい。

どこか懐かしく、どこか可愛らしい。ビッグエンドやワイルドトラックといった、トリム・パッケージ名も洒落ている。

現代的なモデルとして、先代からの変化も大きい。これまで欠けていた実用性が追加され、SUVライクに付き合うことを可能としている。同時に、ドアとルーフを取り外せば、いかにも走破能力に長けたオフローダーという見た目にもなる。

セパレートシャシーは中型ピックアップトラック、フォード・レンジャーのものがベース。もちろん四輪駆動で、過酷な悪路に対する準備は万端といえる。

フォードによるジープ・ラングラーへの回答

その能力を探るべく、試乗車として用意したのは4ドアのブロンコ。トリムグレードは中間に当たるアウターバンクスとなる。ハードトップのほかに、部分的に開くことができるソフトトップも用意されており、今回はこちらだ。

控えめなホイールに地味なボディカラーだから、ブロンコ本来のイメージとは少し違うかもしれない。ワイルドなオフロードタイヤを履かせて、アフターマーケット・パーツで着飾れば、見違えるだろう。

新しいブロンコは、アメリカの元祖オフローダー、ジープ・ラングラーに対するフォードからの回答でもある。北米での価格設定を見ると、強く意識されていることがわかる。

初代のジープは、第二次大戦時に開発された軍用車両だった。質実剛健な小型車だったが、終戦後は平和の自由を楽しむべく、実用性や快適性が追加されていった。ブロンコが一度姿を消すなかで、現在まで絶えず進化を重ねてきた。

北米では手頃な価格が付けられているブロンコだが、英国の公道を走るために交通法規へ合わせた改良と、型式認証試験の通過が必要になる。関税も必要だ。結果として、あまり台数が見込めないブロンコは、正規ディーラーでの販売が見送られた。

しかし、ロンドンに拠点を置くカーディーラー、クライヴ・サットン社が、並行輸入で英国の道を走れるようにしてくれた。今回の試乗車の価格は、7万5000ポンド(約1200万円)だ。同様に日本でも、並行輸入で入手することはできる。

英国では価格で並ぶディフェンダー

かなりの高額だが、ジープ・ラングラーの上級グレードにも同等の予算が必要だから、法外とまではいえないだろう。そして、不足なくオプションを追加したランドローバー・ディフェンダーを選べる価格でもある。

初代ランドローバーは、1940年代後半に初代ジープと同じような目的で開発された。安価で軽量で、進む道を選ばないオフローダーとして。

途中でランドローバー・ディフェンダーと名前が改められ、性能も磨かれてきた。装備も整えられ、実用性は向上していたものの、初代ブロンコと同じように充分な現代化は得られていなかった。

先代のディフェンダーは2016年まで生産が続けられていたが、燃費は悪く、衝突安全性も時代遅れといわざるを得なかった。だが英国伝統のオフローダーとして、絶やすことはできなかった。2020年、現行型へ大胆なモデルチェンジを果たしている。

今回、ブロンコの比較相手として用意したのは、ショートボディのディフェンダー 90。実用性以外の部分でも、ブロンコとの違いは多い。長期テスト車両として、既にAUTOCARのサイトに登場しているクルマだ。

エンジンは3.0L直列6気筒のターボディーゼルで、最高出力248psを発揮する。一方のブロンコは、2.3L直列4気筒のターボガソリン。最高出力は274psある。

英国価格とオフロード能力で、2台は近似している。ディフェンダーは約4万6000ポンド(約736万円)からに設定されているが、今回のクルマは6万4485ポンド(約1032万円)だ。

多様なドライブモードが用意された四輪駆動

どちらも本格的なオフローダーで、初代の雰囲気を匂わせるスタイリングという点でも共通している。四輪駆動システムにはローレンジが用意され、多様なドライブモードも実装されている。

悪路に対応するドライブモードを、ランドローバーがテレインレスポンスと呼ぶ一方で、ブロンコではGOAT(ゴート)と名付けられた。これは、どんな地形でも走れる、という意味の英語表記の略だ。

トランスミッションは、ブロンコではマニュアルも選べるが、今回は10速オートマティックが載っている。ディフェンダーは、おなじみの8速オートマティックが載る。

では、オフロード性能で勝るのはブロンコかディフェンダーか。残念ながら、今回の比較では確かめることが許されなかった。

黒いブロンコの方は、既に嫁ぎ先が決まっていたのだ。クルマへ過度に負担がかかるような、悪路への立ち入りはできなかった。さらにタイヤはオンロード用で、本来の能力を発揮することも難しかった。

悪路で重要な、最低地上高とフロント・オーバーハング側のアプローチアングル、ホイールベース間のブレークオーバーアングル、リア・オーバーハング側のデパーチャーアングルを比較してみよう。少なくとも、許容できる地形はわかる。

フォード・ブロンコの4ドアでは、それぞれ順に295mm、43.2度、26.3度、37度。ランドローバー・ディフェンダー 90は、同じく順に290mm、37.5度、30.7度、40度となっている。渡河深度はブロンコが850mm、ディフェンダーが900mmだ。

この続きは後編にて。

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みんなのコメント

1件
  • 彼の国のSUV は古臭い形だね。
    日本のヴェゼルやRAV4やCXは車高も低く乗り降りしやすく、スタイルも未来を感じさせカッコイイぜ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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