EV選びの常識、それとも非常識!? 「バッテリーは大きいほうが良い」に囚われ過ぎるな！

＜軽EVが登場して一般への認知が広まった2022年＞
2022年は「EV元年」と呼ばれています。EV（電気自動車）のラインナップが充実、普及が進むフェイズになっているということで、この言葉が使われているのでしょう。もっとも「EV元年」という言葉が使われるのは初めてではありませんから、またしてもマスコミや自動車業界が前のめりになっているだけという見方もありますが…。

それはさておきEVといえば、静粛性やスムースな走りといった部分の優秀さは一般ユーザーにも認知が広まっていると感じます。実際、2022年に販売開始となった「日産 サクラ」、「三菱 eKクロスEV」といった軽EVでも、振動の少なさは軽自動車離れしたもので、一度EVに乗ってしまうとエンジン車には戻れないというEVファンの主張も頷けます。

＜軽EVの弱点は航続距離＞
ただし、軽EVはスペック上の一充電航続距離が短くなっています。なぜならボディサイズに制限がある軽自動車に多くのバッテリーを積むことは難しいからです。

コスト面での影響もあります。EVの価格にはバッテリー搭載量が大きく関係してきますから、安価であることが暗黙の条件となる軽自動車では、多くのバッテリーを積むことは難しく、航続距離が短めになってしますのです。

実際、高価なEVほど航続距離が長くなるという傾向にあります。いくつのモデルをピックアップして一充電航続距離・バッテリー総電力量・メーカー希望小売価格を比べてみましょう。

・三菱 eKクロスEV｜180km｜20kWh｜239万3800円
・日産 アリア｜470km｜66kWh｜539万円
・スバル ソルテラ｜567km｜71.4kWh｜594万円
・メルセデス・ベンツ EQS｜700km｜107.8kWh｜1578万円

アリアとソルテラのように大筋でいうと似たような価格帯でも、一充電航続距離が100km近く異なるケースもありますから、同クラスにおいては航続距離を重視したクルマ選びも無視できませんが、大筋では予算感と航続距離はリンクするといえます。

＞＞日産 アリアのカタログ情報をチェックする
＞＞三菱 eKクロスEVのカタログ情報をチェックする
＞＞日産 アリアのカタログ情報をチェックする
＞＞スバル ソルテラのカタログ情報をチェックする
＞＞メルセデス・ベンツ EQSのカタログ情報をチェックする

リースやサブスクを利用してニーズに合った航続距離を探すのも手
しかし、誰もが「大きいことはいいことだ」となるでしょうか。

たとえば不動産を選ぶときは家族構成で必要な部屋数や床面積が変わります。大金持ちであれば一人暮らしで大豪邸に住むのも悪くないかもしれませんが、一般人にとっては大きすぎる家はかえって住みづらいと感じることも少なくありません。

一人暮らしならワンルームや1DKで十分なケースもあるでしょう。贅沢に書斎やトレーニングルームを用意したいという方もいるでしょうし、ファミリーであればひとり一部屋は必須というケースもあります。ケース・バイ・ケースで最適解は変わってきます。

同様に、EVの航続距離も自分のライフスタイルにおいて不満なく過ごせる能力があればいいわけです。

航続距離500kmのEVを20km圏内の近距離メインで使っているということは、ほとんど使わないバッテリーにお金を払ったことにもなります。一見コスパがいいように見えても、じつは無駄遣いをしてしまっているともいえるのです。

EVに限らず、クルマというのは数年での乗り換えが可能な商品です。いまのニーズに合ったモデルを選んで、ライフスタイルに合わなくなったら買い替える（借り換える）という判断も容易にできます。その意味では、EVこそサブスクリプションサービスやリースといった利用がマッチするわけで、EVの普及にあわせてシェアリング的な利用が増えていくという予想もできそうです。

＞＞日産 アリアのカタログ情報をチェックする
＞＞三菱 eKクロスEVのカタログ情報をチェックする
＞＞日産 アリアのカタログ情報をチェックする
＞＞スバル ソルテラのカタログ情報をチェックする
＞＞メルセデス・ベンツ EQSのカタログ情報をチェックする

文：山本 晋也
写真：
1枚目：日産 サクラ
2枚目：三菱 eKクロスEV
3枚目：日産 アリア
4枚目：スバル ソルテラ
5枚目：メルセデス・ベンツ EQS

Comments

うちの場合、ekクロスEVは3日1度程度の充電ペースですね。市内から隣市往復程度で乗るならこんなもんです。

一番非常識なのはcarview