現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 期待のワンモーション・グリップ レクサスRZ 450e 純EVの試作車へ英国試乗 後編

ここから本文です

期待のワンモーション・グリップ レクサスRZ 450e 純EVの試作車へ英国試乗 後編

掲載 2
期待のワンモーション・グリップ レクサスRZ 450e 純EVの試作車へ英国試乗 後編

少しの癖はあるものの、落ち着いた走り味

バイワイヤーによるステアリング・システム、ワンモーション・グリップを採用するレクサスRZ 450e。気になる癖はゼロではない。

【画像】新ステアリング採用 レクサスRZ 450e プロトタイプ 純EVの競合モデルと写真で比較 全137枚

低速域では、丁寧に操縦桿風のステアリングホイールを傾ける必要がある。突然操作すると、フロントタイヤの舵角が急に増え、ボディが大きく揺さぶられることがある。

一度に多くの舵角を求めると、少し反応が遅れるようでもあった。コンピューターが多くのコマンドを処理するのに、一瞬のタメを作るのと同様に。滑りやすい路面やテールスライド時のカウンターステアでは、ステアリングが非常に重くなる場面も見られた。

これらの癖は、かつて同等のシステムを採用したインフィニティでも感じたこと。レクサスの技術者も、この動作は認識しているという。トヨタのスポーツカーにワンモーション・グリップが搭載されるまでには、もう少しの技術開発が必要のようだ。

ただし、試乗したRZ 450eはまだプロトタイプであり、走行できた場所も滑らかなサーキットのみ。最終的な評価は、この状態では難しい。従来的なステアリングラックを搭載したRZの操舵感が驚くほど軽く、曖昧だったことは確かではある。

新しいステアリング・システムにレポートの行数を割いてしまったが、RZが安定していて落ち着いた走り味だったことは間違いない。リアの駆動用モーターは、コーナリング時に積極的にトルクを生み出し、ラインを内側に絞り込むことも難しくなかった。

プロトタイプながら全体の印象は良好

ペースを速めていくとアンダーステアが顔を出すが、基本的に挙動は乱れず、フラットに旋回していく。タイヤの幅は、フロントが235でリアが255だった。

駆動用モーターのノイズは小さく、ロードノイズや風切り音もしっかり抑えられている。走行時の質感は、とても洗練されている。

サスペンションは、しなやかに路面の凹凸を処理していた。シャシー構造を通じて車内に揺れが侵入するのは、深いワダチを横断するような場面のみ。そんな時には、サスペンションの振動も感取された。

車内空間は広々としている。ボディサイズは、レクサスNXとRXの中間に当たるという。ホイールベースはRXより長く、パッケージングでは有利といえる。実際、リアシート側の足元空間はより広いそうだ。

RXが採用する装備で目新しいのは、電子的に透過率を変えられるパノラミック・グラスルーフ。また前席の前方下部には、エネルギー効率の良い輻射式ヒーターが設けられ、冬場でも限られた電気を浪費せずに済む。

ダッシュボードの中央には、14.0インチの大きなインフォテインメント用タッチモニターが鎮座する。表示は高精細で、インターネットとの接続機能も備わるという。

量産化前のプロトタイプではあったが、RZの印象は良好。チューニングの余地はあるものの、軽快に走り、落ち着きがあり、快適だった。レクサスらしく、洗練度は高い。

主張される航続距離は402km以上と短め

レクサスRZ 450eをエキサイティングなクロスオーバーとまでは呼べないものの、好感が持てることは、充分にうかがい知ることができた。ボディには派手なグラフィックの偽装が施されていたが、スタイリングも悪くなさそうだ。

ワンモーション・グリップの動作は滑らか。直感的にRZを操ることができるだろう。多少の癖を感じたとはいえ、それが顔を出すのは極端な負荷や操作を加えたときのみ。ドライビング体験で、何か安全性に影響があるようなものではないと思う。

筆者が感じた唯一の課題は、402km以上と主張されている短めの航続距離。手頃な価格帯で、より遠くの目的地を一度の充電で目指せる純EVクロスオーバーは、既に少なくない。

とはいえ、レクサスを支持する人には、あまり不都合はないのかもしれない。同社の調査によれば、殆どのユーザーのニーズへ対応できる距離とのことだ。

今回試乗したレクサスRZ 450eは、あくまでもプロトタイプということで、具体的な評価は量産版を公道で試乗するまでお預けではある。しかし、完成を期待できる仕上がりだったことは間違いないだろう。

レクサスRZ 450e プロトタイプのスペック

英国価格:6万ポンド(約1002万円/予想)
全長:−
全幅:−
全高:−
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:5.6秒
航続距離:402km以上(予想)
電費:5.6km/kWh(予想)
CO2排出量:−
車両重量:1900kg(予想)
パワートレイン:ツイン電気モーター
駆動用バッテリー:71.4kWhリチウムイオン
最高出力:313ps
最大トルク:44.2kg-m
ギアボックス:−

こんな記事も読まれています

みなとみらいのヤマハ発信拠点で“外に繰り出したくなる”イラスト展開催 12月11日~15日
みなとみらいのヤマハ発信拠点で“外に繰り出したくなる”イラスト展開催 12月11日~15日
レスポンス
ルクレール、”チームオーダー無視”のサインツJr.を批判「優しくすると、いつも損をするんだ!」
ルクレール、”チームオーダー無視”のサインツJr.を批判「優しくすると、いつも損をするんだ!」
motorsport.com 日本版
F1 Topic:ホテルでも空港でも遊べる“ギャンブルの街”ラスベガス。気になる賭け率とガスリーの躍進
F1 Topic:ホテルでも空港でも遊べる“ギャンブルの街”ラスベガス。気になる賭け率とガスリーの躍進
AUTOSPORT web
異形の「センチュリーロイヤル」!? 唯一無二の“Sワゴン型”なぜ存在?
異形の「センチュリーロイヤル」!? 唯一無二の“Sワゴン型”なぜ存在?
乗りものニュース
クルマはいまやボディだけじゃなくてシートもコーティングが基本! 車内で飲食するなら「布シートコーティング」は必須だった
クルマはいまやボディだけじゃなくてシートもコーティングが基本! 車内で飲食するなら「布シートコーティング」は必須だった
WEB CARTOP
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
レスポンス
4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
motorsport.com 日本版
もう“永遠の2番手”じゃない。ヌービル、悲願のWRC初タイトルは「諦めず頑張り続けたご褒美。残る全てはオマケだ!」
もう“永遠の2番手”じゃない。ヌービル、悲願のWRC初タイトルは「諦めず頑張り続けたご褒美。残る全てはオマケだ!」
motorsport.com 日本版
「くっそかっこいいやん!」トライアンフの新型ミドルアドベンチャー登場にSNSは好感触
「くっそかっこいいやん!」トライアンフの新型ミドルアドベンチャー登場にSNSは好感触
レスポンス
「横で積む」それとも「縦に置く」? 知らないドライバーも多数! 外した「夏タイヤ」の「正しい積み方」正解はどっち!?
「横で積む」それとも「縦に置く」? 知らないドライバーも多数! 外した「夏タイヤ」の「正しい積み方」正解はどっち!?
くるまのニュース
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
VAGUE
初めてのスポーツバイクにオススメ 『境川サイクリングロード』を走ってみた
初めてのスポーツバイクにオススメ 『境川サイクリングロード』を走ってみた
バイクのニュース
サインツ予選2番手「マクラーレンに勝ってタイトルをつかむため、最大限のポイントを獲得する」フェラーリ/F1第22戦
サインツ予選2番手「マクラーレンに勝ってタイトルをつかむため、最大限のポイントを獲得する」フェラーリ/F1第22戦
AUTOSPORT web
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
Auto Messe Web
【カワサキ×IXON】初コラボでジャケットを設定!2024秋冬から販売中!緑がチラチラ、かっこいい!  
【カワサキ×IXON】初コラボでジャケットを設定!2024秋冬から販売中!緑がチラチラ、かっこいい!  
モーサイ
残す? それともクビ? レッドブル、ラスベガスでも大苦戦セルジオ・ペレス処遇を最終戦後の会議で決定へ
残す? それともクビ? レッドブル、ラスベガスでも大苦戦セルジオ・ペレス処遇を最終戦後の会議で決定へ
motorsport.com 日本版
4K映像 × EIS手ブレ補正機能搭載のバイク用ドライブレコーダー「AKY-710Pro」の予約販売が12月末スタート!
4K映像 × EIS手ブレ補正機能搭載のバイク用ドライブレコーダー「AKY-710Pro」の予約販売が12月末スタート!
バイクブロス
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
THE EV TIMES

みんなのコメント

2件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

666.0901.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

89.51119.0万円

中古車を検索
RXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

666.0901.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

89.51119.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村