初回 筆者を誘惑し続けてきたスープラ
ある日、英国トヨタの広報担当者から英国編集部へ電話がかかってきた。「マニュアル・スポーツカーに関する比較試乗の記事を、先日お読みしました。1台お忘れのようですが、むしろ好都合だったかもしれません」。と話す。
【画像】乗り心地と操縦性の変化は? トヨタ・スープラ ヤリス/カローラ/86 GRシリーズも 全105枚
続けて、「そこで、スープラ 3.0のマニュアル車を、数か月ほど長期テストにいかがでしょう」。と提案された。不意の連絡ではあったが、お断りする理由は見当たらない。
現行のトヨタ・スープラは2019年に発売されたが、筆者を誘惑し続けてきた1台だ。試乗では、ドライビング体験以上に、1990年代のA80系を想起させるスタイリングと、FRスポーツカーというアイデアをとても気に入った。
ステアリングはアシストが強く、ダイレクト感が欠けるように感じられた。8速ATは、シリアスな走りには余り適さないように思えた。しかし、トヨタは発売以来改良を重ねている。当初2枚のみだったペダルは、3枚も選べるようになった。
スープラを、改めて長期テストで評価するのに悪くないタイミングだろう。既にある程度の距離を重ねた車両だから、期間中にオイル交換が必要になるはず。トヨタ・ディーラーのサービス内容を体験できるし、維持コストがどの程度なのかも確かめられる。
ZFの6速MTにBMWの3.0L直6ターボ
こでA90系スープラをおさらいしておくと、2019年に英国で発売されたのが、3.0L直列6気筒エンジンと8速ATを搭載したモデルだった。2021年に、2.0L直列4気筒版が追加。2022年に、直6エンジンと6速MTが組み合わされた仕様が上陸している。
トヨタは、スープラにMTを当初から計画していた。トランスミッションのサプライヤー、ZF社へ確認を取ると、開発が概ね終わっていながら他のモデルへ実装されていない、好適なユニットがあると判明。改良を加え、採用が決まったらしい。
この6速ユニットを、完全に仕上げるのには時間を要した。そのため、市場投入は遅れたようだ。
6速MTと組み合わされるエンジンは、BMW由来の3.0L直列6気筒ターボ、B58型のみ。イネオス・グレナディアやモーガン・プラスシックスなどにも登用されている、多能なユニットだ。ミュンヘンのブランドでも、最も人気の高いエンジンだといっていいだろう。
そして、スープラも直列6気筒ターボを代々搭載してきた。最新版でも選べなければ、ファンの納得は得にくかったはず。Mモデルへ積まれる直6のように、圧倒的なパワーや柔軟性は備わらないものの、B58型とA90系スープラとの相性は悪くない。
筆者がステアリングホイールを握り始めて数日しか経っていないが、不満なく速い。トルクも太く、気持ち良く回る。
MT化による乗り心地と操縦性の変化は?
しかし、最も確かめたいのが乗り心地と操縦性。トヨタはMT版のために、アダプティブダンパーとパワーステアリングを再調整している。アンチロールバーのブッシュも、専用品が組まれているという。
当初のスープラへの試乗では、予想以上にしなやかな乗り心地を褒めた。だが、荒れた路面での姿勢制御や、ドライバーとフロントタイヤとのダイレクトな結びつきの印象は、肯定的なものではなかった。
その変化を、グレートブリテン島の過酷な道で確かめたい。筆者の自宅がある中部のミッドランズ地方には、走りがいのある道が多い。
アナログなスポーツカーとして、動的特性の仕上がりも気になる。オールドスクールなフロントエンジン・リアドライブにマニュアルという組み合わせを、提供している自動車メーカーは限られる。
理想的なドライビング体験に適った、ドライブモードはどれだろう。タイヤの空気圧も影響してくるはず。自分のクルマならまだしも、通常の試乗では、これらを確かめていく機会は限られる。こんなことを気にしたくなる、乙なクルマも少なくなっている。
英国のスープラは、ベースグレードとプロの2種類。6速MTを選ぶ場合は、英国ではベースグレードに限定される。レザーシートも高音質なオーディオも、アダプティブ・クルーズコントロールも付いていない、シンプルな内容だ。
それでも、標準装備に不満はない。スープラの魅力を改めて確かめるべく、沢山運転したいと思う。
セカンドオピニオン
並行開発されたBMW Z4は、グランドツアラー色が強く穏やかで柔らかい。クルマの特性を考えれば、それで構わない。
他方、クーペボディにGRのエンブレムを備えたスープラは、ドライバーズカーとして魅力を高めることができると考えてきた。MTが一層の刺激をもたらすと、マット・ソーンダースは感じ取れるだろうか。 フェリックス・ペイジ
テストデータ
価格
モデル名:トヨタ・スープラ 3.0(RZ) マニュアル(英国仕様)
新車価格:5万4630ポンド(約988万円)
テスト車の価格:5万5280ポンド(約1000万円)
オプション装備
プレミアム・ソリッド塗装 プロミネンスレッド:650ポンド(約12万円)
テストの記録
燃費:11.4km/L(WLTP値)
故障:なし
出費:なし
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