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【オープンでジェントルに】フォルクスワーゲンTロック・カブリオレ 1.0 TSIへ試乗 3気筒110ps

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【オープンでジェントルに】フォルクスワーゲンTロック・カブリオレ 1.0 TSIへ試乗 3気筒110ps

ドイツでは28.8%がカブリオレ

執筆:Piers Ward(ピアス・ワード)

【画像】フォルクスワーゲンTロック カブリオレとR コンパクトなカブリオレ・モデルと比較 全92枚

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


いつもの試乗レポートとは、ノリがちょっと違う。ルーフレスのSUVを、冷笑するつもりはまったくない。販売台数を見れば、フォルクスワーゲンの判断が間違いではなかったことが、よく分かる。

ここ1年間でTロックの売れ行きを確認すると、英国ではカブリオレが6.9%を占めている。意外と悪くない数字だ。だが、ドイツでは28.8%にも及ぶという。ドイツで売れたTロックの3分の1近くが、カブリオレなのだ。

予めもう1つお断りしなければならないのが、写真。今回試乗したのは、デザインというトリムグレードだったが、写真のクルマはRラインとなっている。

違いはボディトリムや前後のバンパー、リアスポイラーの形状など。またRラインの場合、ステッチが施されるスポーツシートや、ボディと同色の装飾パネルが内装に備わる。インテリアが華やかさを増している。

AUTOCARでは以前に1.5L 4気筒ターボガソリンのTロック・カブリオレを試乗しているが、今回は1.0 TSIと呼ばれる、1.0L 3気筒ターボガソリンの前輪駆動。1番手頃なユニットで、最高出力110ps、最大トルク20.4kg-mを発揮する。

純EVの群を抜く馬力に見慣れてくると、正直物足りない数字ではある。だが、このクルマのターゲットユーザーにとっては、充分なものとはいえる。ちなみに英国では、37%のTロック・ユーザーが1.0 TSIを選んでいるという。

通常のTロックよりホイールベースは長く、車重は1482kgある。0-100km/h加速に要する時間は12.3秒だ。

3気筒らしい心地いいビート

基礎骨格をなすのは、フォルクスワーゲン・グループのMQBプラットフォーム。ボディ剛性を高めるため、フロントガラスを囲むAピラー周りのほか、アンダーボディ全体が強化されている。

ソフトトップの開閉に必要な時間は15秒。ボタン1つで簡単に操作でき、荷室の上にきれいに畳まれる。リアシート後ろ側のソフトトップ用格納エリアに畳まれるため、荷室が侵食されることもない。

ひと世代前のフォルクスワーゲン・モデルということで、エアコンやラジオには指先で押せるハードボタンが用いられたまま。扱いやすい。

試乗したデザイン・グレードのレザーシートは、グレーとベージュの2トーンで仕立てられていた。好みはわかれるかもしれないが、ブラックが基調となるインテリアの雰囲気を明るくしてくれていた。配色にはセンスが問われる。

通常のTロックは定員5名だが、カブリオレは4名。リアシートには、大人が2名乗るのに充分な空間がある。3ドアのみで、アクセスはフロントシートを倒す必要があり、少々面倒ではある。

クロスオーバーのオープンだから、急いで走るタイプのクルマではない。小排気量の3気筒らしい、心地良いエンジンのビートが聞こえてくる。パワーはなくても、充分に洗練されている。

最大トルクは2000rpmから生まれるため、高めのギアに入れっぱなしで、トルク任せに走れるクルマでもない。その回転域に届くとターボチャージャーの圧力が増し、突然パワーが高まる印象もある。

リラックスした運転を楽しみたい

穏やかなオープンドライブなら、このエンジンでも特に不満は感じられない。試乗車には6速MTが組まれており、理想以上に変速を繰り返す必要があったくらいだ。MTのシフトストロークは短く小気味いいが、変速時に僅かな引っ掛かりを感じる。

MQBプラットフォームを強化してあるにも関わらず、路面が乱れてくると、ボディに振動を生じてしまう。ルーフの担う役割を感じさせられる。

デザイン・グレードの乗り心地は、Rがラインほど硬くはない。ホイールの直径が小さいうえ、車高が低くなるスポーツサスペンションではなく、標準サスが組まれるためだろう。それでも、舗装の剥がれた穴などを通過すると、明確に振動で教えてくれる。

Tロック・カブリオレでの運転体験は、全体的にとてもリラックスしたもの。唯一、乗り心地が少し調子を乱しているようだ。

SUVのカブリオレというモデルは、現在ではライバル不在。そもそもSUVという枠を超えても、カブリオレ自体の数が最近は少ない。このボディスタイルが気に入ったのなら、きっと楽しい時間を過ごせるはず。

英国の場合、1.5 TSIより1.0 TSIの方が3835ポンド(57万円)も安い。クルマの気楽なキャラクターにも、良く合っていると思う。

Tロック・カブリオレにダイナミックという言葉は似合わない。気張らずに走った方が、せっかくの髪型も乱さずに済むだろう。

フォルクスワーゲンTロック・カブリオレ 1.0 TSI 110(英国仕様)のスペック

英国価格:2万8420ポンド(426万円)
全長:4270mm
全幅:1819mm
全高:1520mm
最高速度:185km/h
0-100km/h加速:12.3秒
燃費:15.8km/L
CO2排出量:143g/km
車両重量:1482kg
パワートレイン:直列3気筒999ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:110ps/5500rpm
最大トルク:20.4kg-m/2000-3000rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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みんなのコメント

12件
  • 座面の高いPTクルーザーカブリオを新車購入して10年ファミリーカーとして使用したが最高の開放感だった。Tロックカブリオ欲しいなぁ。バイク乗りとしても3気筒のビート感にも期待したい。ハンドルやペダルからエンジンの息吹感じたら最高だろうなぁ。
  • イイネと思ったが無駄に高いな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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