未来へつなぐ、モータースポーツの在り方を模索する
2024年2月16日(金)・17日(土)に、電動バイクによって争われる『FIM E-XPLORER WORLD CUP 大阪大会』が、大阪の「万博記念公園」で行なわれました。「E-Xplorer(イー・エクスプローラー)」とは、2023年にスタートしたばかりのオール・テレイン・レースです(詳細は後述)。
【画像】『FIM E-XPLORER WORLD CUP』大阪大会の模様を画像で見る(11枚)
1チームは男性ライダー1人、女性ライダー1人で構成されます。大阪大会では8チームが参戦したので、8人の男性ライダーと8人の女性ライダーで争われました。レースは男性と女性で分かれて行なわれますが、最終的に男女それぞれが獲得したポイントを合計し、最も多くのポイントを獲得したチームが優勝となります。
そんな「E-Xplorer」は、どのようなコンセプトでスタートしたのでしょうか? 来日したプロモーターの1人であるカリーナ・モンテさん(E-Xplorer S.A.)に話を聞きました。
──E-Xplorerのコンセプトについて教えてください。
「E-Xplorerは、3つの柱を掲げています。まず、新しい世代と現在の世代に、モータースポーツが持続可能であることを示すことです。わたしたちのイベントは、地球に優しいイベントなのです。
第2に、男性と女性が平等であることを示したいと考えています。新しい世代では女性がさらに力を持ち、彼女たちがモータースポーツで夢を持ち、キャリアを持つことを促したいと思います。
第3は、最も重要なことですが、技術革新のプラットフォームであるということです。つまり、E-Xplorerの全体的なコンセプトは、電動の2輪メーカーを全て集約したテクノロジーのプラットフォームを持つことです」
──だから、男女混合のチーム戦なのですね。男女混合チームというアイデアはどうやって生まれたのですか?
「私はずっとモータースポーツの世界で働いてきました。F1で働いたこともあるし、フォーミュラEで働いたこともあります。例えば、私がF1で働きはじめたころ、パドックに女性はほとんどいませんでした。私たちは有能で、非常に働き者でした。まさに男性のような勤勉さでした。一方、フォーミュラEでは何年にもわたって、男性よりも女性の方が多かったです。素晴らしいことにね」
「しかし、レースに関しては、女性はまだ前面に出ていませんでした。まだそのような考えがなかったからです。E-Xplorerをスタートするとき、私は言ったんです。『なぜ男性と女性で競技を行なわないのですか? 世界中には男性と協力し合ってレースできるような、とても才能のある(女性)ライダーがたくさんいるのに』と」
「障害はありましたよ。『できないですよ』と言う人もいました。『やってみましょうよ。彼らが間違っていることが証明できますから』と私は言ったんです。そして、私たちはそれを成し遂げたのです」
電動バイクであることは、必然なことだった
──では、E-Xplorerが電動バイクで争われる選手権であるのはなぜですか?
「とてもシンプルです。いまは2024年で、新しい時代に入っています。私たちは、サスティナビリティを切望するところに来ているのです。私たちが生きる世界のことを考えなければなりません」
「わたしには2人の子供がいます。子供たちは10年後にこう言うでしょう。『ママ、何をしたの?』って。私たちは環境のことを考えることをせずに、燃料をずっと燃やし続けることはできないのです。
バイクは世界で最も使われている乗りものです。このチャンピオンシップを通してサスティナビリティを促進し、グリーン・エネルギーを促進することはいたって普通のことです。そして、それがクールであると示すこともね」
──E-Xplorerは、電動バイクによる「オフロードレース」なのでしょうか?
「オフロードではありません。オール・テレイン(all-terrain)です。電動バイクですので、世界中のどこでも、わたしたちが望めばその場所でレースができます。
例えば、スイスでは山頂で行ないますし、ノルウェーでは市街地の真ん中で行ないます。オフロードだけである必要はなく、また、騒音などのために都心から何マイルも離れたコースでだけ開催する必要もないのです」
「私たちは公園の中でレースを開催することができます。何かにダメージを与えることもなく、自然や人々、子供たちの邪魔になることもなくね。今日、どれほどの子供たちが来ていたのかご存じでしょうか。子供たちはレースを楽しんでいました。内燃エンジンは、大きな音がありますから……」
──子供たちにモータースポーツがどれほどエキサイティングかを知ってもらいたい、ということなのですね。
「その通りです。それもまたサスティナブルであり、男の子だけではなく、女の子にも同じように開かれているのです。『(Team HRCから参戦していた)フランチェスカ・ノチェラのようになりたい』と思うような子供にね」
「昨年、こんなエピソードがありました。キアラ・フォンタネージという女性ライダーがフランスで優勝して、たぶん10人くらいの女の子だったと思うのですが、キアラの後を追いかけて、母親にこう言ったんです。『マミー、わたし、キアラみたいになりたい!』って! これが新しい世代のためにしている、最もやりがいのあることなんです」
──今回のように、市街地でE-Xplorerを開催する主な目的というのは……。
「若い家族、それからモータースポーツファンの間で、できるだけ多くの注目を集めたいと考えていました。通常のレースなら、1日かけて都市部を出て行くことになりますよね。ここは土曜日に開催される屋外イベントで、美味しいランチも楽しめます。子供たちは広場で遊んだりしながら、素晴らしいレースやヒーローたちを見られるのです」
「私たちの主なターゲットは、若い家族や、モータースポーツをもっと知りたいと考えている人たちです。つまり、新しい世代にかかわる若い家族や人たち、ということです」
「(E-Xplorerは)未来のスポーツでもあり、現在のスポーツでもあります。前を向く必要があるのです。そして、内燃エンジンによる選手権などと密接な取り組みをしていかねばならないでしょう。最終的には、みんなで前進していかなくてはいけないからです。これが、私たちの計画です」
──今後、E-Xplorerをどのような選手権に育てたいですか?
「第1に、さらに多くのマニュファクチャラーが参入するようになることです。これは技術の向上とさらなる革新が可能になるということです。第2に、世界中のさらなる都市や地域でのレースを展開したいと考えています。そうすることで、より多くの注目を集めることができるでしょう」
※ ※ ※
インタビューを通して、E-Xplorerがポジティブな未来を目指したレースであるということが伝わってきました。なかでもモータースポーツの継承という部分においては、E-Xplorer大阪大会の現地で触れたところでもありました。
小さな子供を連れた家族がピクニックのように芝生席で過ごしていたり、この大会を全く知らずに公園内で通りがかった、やはり若い家族が、足を止めてライダーの走りを見ていたシーンがあったからです。新しい層が新しいかたちでレースを楽しめる可能性を感じました。
電動バイクによって争われるE-Xplorerは、モータースポーツの新しい可能性のひとつを提案している、と言えるのかもしれません。
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みんなのコメント
狙いどころはいいと思うが、その辺りが時期尚早と思える。今後の展開に期待したい。