ボルボ S60 「憎めないセダンー少し古いボルボS60に代車で乗った。」のユーザーレビュー

憎めないセダンー少し古いボルボS60に代車で乗った。

2023.3.19

総評

車検整備の代車として、ディーラーから走行距離8万km以上の個体を1週間お借りして、約100km乗ってみた。
ボルボらしく、飛ばして楽しい類の車ではないのだが、ゆったりとした座り心地のシートに座り、豊かなトルクのディーゼルエンジンで街中を流して乗るのであれば、なかなか具合がよろしい。
今の基準で見れば色々欠点が目立つが、案外憎めないクルマ。

満足している点

1. 力強く、財布に優しいディーゼルエンジン。
2. 最新のボルボとは違う作りだが、座り心地の良いシート。
3. 10年以上前にデビューしたモデルだが、一通りの運転支援装置が付いていること。

不満な点

1. とは言え、エンジンからの音、振動は大きめ。
2. ガレージ内だと排ガスの臭いが気になる。
3. 操作は重いのに、路面の感覚をあまり伝えてくれないステアリング。

デザイン

4

セダンについて言えば、今のS60より個人的にはカッコいいと思う。幅は1,865mmと現行の1,850mmよりも広い。




少し前のボルボ共通の、フリーフローティングセンターストックを採用したインパネ。
以前V40CCに乗った時は、プッシュスイッチが見辛いと文句を書いたが、遠近両用眼鏡にしてから使いやすいと思うようになった。何よりナビ、オーディオの画面をボタン一発で呼び出せるのが、良い。
最近のタッチパネル方式は、パネルに映し出されたボタンの真ん中めがけてタッチしないと反応しないので、運転中は画面に視線を向けないと操作できない。その点、物理ボタンであれば、ボタンのどこかを押せば確実に反応するので、運転中のブラインド操作が可能になる。人間は機械ほど進歩しない。
ただ、エンジンの始動からパーキングブレーキの掛け方まで、同じメーカーの車とは思えないほど操作系が違うので、最初は戸惑った。

また、ドライビングポジションについては、ステアリングがドライバー中心より右側にオフセットされているが、ペダルレイアウトには不満ない。


ボルボが好んで使うアイボリーの革シートだが、今のボルボよりも座り心地が柔らかい。
今のボルボが正しい姿勢をキープさせるオフィスチェアだとしたら、この時代のボルボはソファみたいにゆったり座る感じ。悪くない。

走行性能

4

少し前のボルボに幅広く搭載されていた、2Lディーゼルエンジン。140kW（190ps）、400Nmを発揮する。
ノーマルモードだと吹け上がりが重く、何とも鈍臭い印象だったが、スポーツモードにすると嘘のように活発なエンジンに化ける。なかなか面白いエンジン。

ただ、ディーゼルらしく音・振動は大きめで、常にステアリングとペダルにそれが伝わってくる。また、ガレージのように排気ガスが篭りやすい環境下では、臭いもそれなりに気になる。（もちろん、8万キロ走った個体であることを勘案する必要があるが）

乗り心地

3

乗り心地は固めだが、角は丸められていてまずまず快適。
多少脚が突っ張る印象もあるが、何しろ8万キロ走行の個体だし、そろそろ足回りのリフレッシュするタイミングなのかもしれない。

ステアリングが低速でねっとりと重く、切った時の感触が乏しいのは減点要素。このクルマで首都高2号線を走ったのだが、ここで飛ばすのはちょっと怖い。
この車はスタッドレス（ミシュランX-ICE 215/55R16)を履いていたので、その影響もあるだろうが、そもそもこの車は1,620kgの車重のうち、前輪に1,020kgもかかるかなりのフロントヘビーなので、曲がりは基本的に苦手のはず。
あと、この車はフォード系のシャーシで、何と直6エンジンを横置きできるように設計されており、フロントサスのレイアウトに余裕がなさそうではある。

積載性

3

トランクスペースは、そんなに広くない。
ただ、ワゴンのように、床面を立ち上げて荷室を仕切ることができるのは良いところ。

燃費

4

これまでの燃費履歴を見ると、リッター13km台は堅い感じ。
何しろハイオクよりリッター30円安い軽油を使えるのは、ありがたい。

価格

-

2015年式のS60であれば、100万円を切る個体もある模様。
ディーゼルもいいが、個人的には3リッター直6ターボを横置き搭載したポールスターが気になる。ちなみにカーセンサーをチェックすると、最終型ポールスターは500万円くらいするらしい。おぉ。

故障経験

代車につき、割愛。