トヨタ ウィンダム 「乗り手を魅了する謎の車」のユーザーレビュー

windom_1114 windom_1114さん

トヨタ ウィンダム

グレード:3.0G(AT_3.0) 2004年式

乗車形式:マイカー

評価

5

走行性能
4
乗り心地
5
燃費
1
デザイン
5
積載性
4
価格
2

乗り手を魅了する謎の車

2021.4.20

総評
20系からの乗り継ぎで30系後期Supremacy Packageなる、世にも珍しいウィンダムに巡り合い7年以上乗っています。当時経営的には最高潮だったトヨタが、絶版になる直前まで迷走に迷走を重ね、高級車にしたいのか、スポーツ路線にしたいのか、何物にもならぬまま、とにかく金をつぎ込んだ形になり、他の追随を許さないほどの不人気車種にも関わらず、完成度の高い車ではあります。

走行11万5000キロ、最終モデルでさえ初年度登録からは15年近くが経ち、重税を課せられて、乗り続ける方が高コストという状況ですが、大きな故障もなく、巷でも全く見かけることが無くなり所有感が増し、何とも言えないちょうどいい感じ(車として必要十分で新しい感じも古い感じも奇をてらうこともない普通を極めた先にある高級感)に取り憑かれ、むしろ手放せなくなってしまっています。
現行ではトヨタならカムリ、レクサスならESが国内販売を再開し、後継車種がないわけではないが、良くも悪くもウィンダムの反省が活かされ、車としてのアイデンティティがハッキリし過ぎて、カムリはコストカット感が目に余り、現行ESはいい加減高すぎるという印象が拭えないかなと。一方で、クラウンすら絶版になる昨今、FF車が再評価されていると思うと、価値のある車種だったんだと改めて思います。

決して走行性能を求める車ではない、高級車というには中途半端、日本では大き過ぎる図体、圧倒的不人気でありながら、何故この車はこんなにも自分を惹きつけるのだろう、そんな謎の一台です。
満足している点
エンジン、ドライブフィーリング、佇まい、全てにおいて余裕を感じます。
内外装ともに(かつての)レクサスのクオリティを十分に感じられ、多少意地悪く見ても目立った粗は見つけられないレベルです。
前モデルから、助手席の嫁の鼻息まで聞こえると言われてただけあり、ガソリンエンジン車の中では確かな静粛性があると思います(HV車が増えてきて静止状態では敵わないが走行中のノイズでは今でも戦える水準)。
サスや∞-TEMSなどは固い乗り心地が好まれる現代ではふにゃふにゃの部類なのかもしれませんが、このフラットを維持する挙動がこの車の性格を作り上げているんだと思います。
トランクは広く、セダンの居室と荷室を分ける構造は、何だかんだ重宝します。縦に容量を稼ぐ車種は現実的にはあまり詰めない印象で、横にも縦にも詰め込めるセダンはぐちゃぐちゃでもトランクリッドさえ閉められれば何とかなるので、実質容量はかなりあると思っています。
不人気車種だけあって、とにかくもう街では見かけない状況もあり所有感を満たしてくれています。
不満な点
このクラスではまず最初に諦めるのが燃費ですかね。ハイオク仕様で10キロはいかないです。ただ、同世代同クラスでは比較的マシな部類だと思います。税金も高く、2021年時点で6万円近くします。
この車の売りでもあるボディサイズはセルシオに迫るものがあり、FFでこのデカさは日本で乗るには悩ましいものがあります。前方後方共に車体感覚だけで取り回してますし、Googleマップが指定するルートは車体サイズ的に入れないことが多々あります。
居室の収納はミニバンなどと比較的すれば絶望的に少ないですが、車の性格から考えれば諦めるポイントかもしれません。
総じて不満というよりも、諦めたうえで買ったポイントです。
デザイン

5

外装は30系後期は何だかんだまとまった感はある。内装については特筆すべきポイントが無いほどデザインとしては普通なのだが、パーツパーツはクオリティが高く、高級感がある。あっちこっちがふかふかしている。
走行性能

4

高速のような直線での安定性や操作性は高い。決して走りを求める車では無いが、サルーンとしては十分な性能だと思う。
乗り心地

5

非常に柔らかで嫌な振動などは皆無。悪く言えばふにゃふにゃかもしれないが電子ショックアブソーバーで多少調整は効く。静粛性は高い。
積載性

4

居室はセダンとしては広い。特にFFなので後部座席のゆとりはかなりある。
トランクは広く、セダンの居室と荷室を分ける構造は、何だかんだ重宝する。
燃費

1

税金が高く、ハイオクで10キロ切るので、現代車と比べれば産業廃棄物レベル。70リットルタンクがハイオクをガンガン飲み込む。
価格

2

当時の中古市場では買いな車だった。今今、この車種を選ぶ理由は見当たらないと思う。
故障経験
この年式で11万キロ超えても走行に支障をきたしたことはまずない。一般的な消耗部品くらい。オルタネーター交換は高くついた。オイル滲みはMZエンジンの持病だが、拭いてしのいで数年経つ。

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