プリウスの価値を改めて感じた
アクセルを踏めば素直に加速し、プリウスのようなもたつきは感じられない。0→100km/hrの加速もHSよりも0.2秒早い
2009.12.13
- 総評
- プリウスの価値を改めて感じた
アクセルを踏めば素直に加速し、プリウスのようなもたつきは感じられない。0→100km/hrの加速もHSよりも0.2秒早いそうだ。内装だってプリウスよりは高級感がある。価格を抜きに比較すればプリウスよりも良い面が多い車である。
だが、そのアドバンテージを得るために失ったものも多い。
肝心の燃費はJC08モードで19.8km/L。実燃費はHSと同様で13~15km/Lだろう。2.4Lの車としては悪くない。ただ、HSと同じパワートレインで、重量が70kg軽量化されたのに燃費が改善されていないのは残念。単にコストカットで安普請になっただけならあまりにも寂しい。
「エコカー」って何だろう?
ハイブリッド車にはもちろんその資格がある。
だが、製造時に余分な資源を消費するからには、ガソリン車では得られない高燃費を得て初めて「エコ」だと言えると思う。大きなエンジンに、重いモーターとバッテリーを積んだ車の燃費が改善されたから「補助金でます。100%減税です。」というのは納得がいかない。
プリウスは「カローラのように使えて、ヴィッツをはるかに上回る燃費、しかもこの低価格で」と言えるが、この車は「カムリのように使えて、カローラ並みの燃費」といったところだろうか?しかも価格はカムリ+100万円。
だったらカローラやプレミオでも十分ではないかと・・・。
プリウス以上レクサス未満の車であることは確かだが、残念ながら燃費と価格がレクサスよりで、質感がプリウス。これでは食指が動かない。プリウスの性能とその価値を改めて感じた。
エンジンとモーターの切り替えや併用を全く感じさせないスムーズさ。プリウスで見せた燃費。トヨタのハイブリッド技術(THSⅡ)そのものは素晴らしい技術だと思う。
そのうち発売されるであろう「プラグイン-プリウス」や「ヴィッツ-ハイブリッド」に期待したい。
- 満足している点
- ①ハイブリッド専用のセダンであること
ハイブリッド専用車だけあって、後からバッテリーを付け足した他のハイブリッドセダンよりはラゲッジスペースも広く使い勝手は良い。また、後方の視界もプリウスに比べたらはるかに良い。
全幅は1.8m、全長4.6mに抑えられており、取り回しもそれほど気を使わなくても済む。
しかも、HSよりも全長を短くしながらも同等の室内長を確保している。
プリウスで躊躇していたセダン派もこれなら納得。
②各種安全装備が標準装備
7エアバック、クルーズコントロール、バックモニター、VSC、TRCなど、ベースグレードにも各種安全装備が標準装備。この辺は実にトヨタらしい充実ぶり。さすがトヨタ。
(個人的にはベースグレードはオプションにして価格を下げた方が良いと思う装備もあり)
③100%減税対象
補助金は間に合わないと思うが、環境対応車で100%減税対象。
トヨタブランドのセダンであることと、環境対応というイメージの良さ。
官公庁の公用車には最適。
④低速走行での静粛性
HSには若干劣るがさすがハイブリッド
⑤ベースグレードでもナビも標準装備
コントローラーが使いにくいのが難点だが・・・
- 不満な点
- ①中途半端なコストダウンと品質
ベースグレードはナビ標準装備でHSよりも50万円安い338万円。
HSと比べれば「お買い得」なのかも知れない。
だが、隣に展示してあったマークXプレミアム(3.5L)は337万円と値段はほぼ同じ。
内装の質感は、当然トヨペットのフラッグシップであるマークXの方がはるかに良かった。
オプションで本革シートを奮発しても、所詮レクサスの内装の質感には及ばない。
それじゃあ、SAIの「売り」は何だろう?
軽量化を燃費の向上に活かすとか、SAIだけの「何か」を与えることができなかったのだろうか?
単にコストダウンした廉価版として作られたなら残念だ。
②シートの高さと室内高
運転席に乗り込みシートを調節したが、ヘッドクリアランスが少なく圧迫感があった。後でカタログを見たら、シートから天井までの高さは925mm。これはプリウスよりも低い。身長が175cm以上の方は窮屈に感じると思う。
比べるのも変だが、家で使っているデミオはコンパクトカーであるが高さは970mmで余裕十分。
全高はSAIよりも20mmも低いのにスペースが確保されている。
小さな高級車を目指しながら、リッターカーにも負けるパッケージングはどうかと・・・
③今頼んでも納期は・・・・
受注開始から1ヶ月で14000台以上受注と絶好調。年内にも九州の宮田工場での生産台数を月産6000台に引き上げるそうだが、今頼んでも来年3月までの納期はたぶん無理。パナでのNi電池の生産がボトルネックなのだが、次のプリウスはリチウム電池への変更が予定されている以上、工場を増設するわけにもいかないし・・・。
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