トヨタ GR86 「個性強めの協業第二弾モデル」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

5

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
5
燃費
4
価格
5

個性強めの協業第二弾モデル

2022.1.17

年式
2021年10月〜モデル
総評
スバルとの協業で生まれたスポーツカーは、どちらの開発責任者に伺っても「とことんやりきった!」と満面の笑みをこぼす。初代以上に走りのキャラクターが違っていて、GR86はエンジン出力特性がシャープで、サスペンション設定もサーキット向き。ちなみに、ATモデルにはスバルの先進安全技術群である「アイサイト」が装着される。
満足している点
純粋なスポーツカーであること。よって、運転操作をしっかり行なわないと楽しく走れないわけだが、これは正しい運転を身につける上ではとても大切なことだ。また、公道で安全な速度域で走らせても、運転操作の満足度が得られることも高く評価できる。
不満な点
スポーツカーであるゆえに割り切りが必要なこと。もっともこれはGR86に限ったことではないが、着座位置が低いため、左右の安全確認には上半身の確実な捻転が必要だし、乗り降りもミニバンやSUVのようにヒョイとはいかない。タイヤは4本載るが、高さに余裕はないので大きな荷物は積載できない。こうした制限があることを承知の上で購入願いたい。
デザイン

4

デザイナー曰く「凝ったラインやキャラクター線で個性を出すのではなく、張りのあるふくよかな面構成でデザインを主張したかった」という。実車はまさしくその通りで、画像で確認するよりも実車はとても塊感のあるデザインだ。兄弟車であるBRZとはグリルやバンパー形状などが異なる。
走行性能

4

水平対向4気筒2.4lエンジンは従来型で先代86での弱点とされていた中回転域でのトルクを増強。山道を走らせていた際の加速にメリハリがついてスポーツカー度合いが増した。それを支えるボディもすばらしく、路面からの衝撃をがっちり支えてしっかりいなす。サーキットだけでなく公道で乗って楽しい一台に仕上がっている。
乗り心地

3

乗り心地も先代の弱点だったが大幅に改善された。ただ、違いを感じるのは40㎞/h以上の速度域で、それ以下の速度域ではやはり硬めだ。もっとも高いボディ剛性とハイグリップタイヤを装着していることから、そうなることは当然。その意味ではマツダロードスターとは対極だ。
積載性

5

スポーツカーに積載性をとはナンセンスと思いきや、じつは大きな収納能力がある。もともと交換用タイヤ4本を車載してサーキットに向かうことが想定されていたためだ。リヤシートを倒すことで、床面積で比較すればコンパクトカー並の積載スペースが確保できる。
燃費

4

出力/トルクともに向上し、排気量にしても20%上がったので燃費性能もそれなりに悪化すると思われたが、実際に公道で試乗してみると市街地〜山道をゆっくりと走らせる程度ではむしろ10%程度向上していた。サーキットでの前回走行ではそれなりに悪化するが、十分想定内の数値に収まる。
価格

5

これだけの性能を有したスポーツカーながら、レース参戦ベースグレードでは279.9万円を実現した。事実上のボトムグレードでも303.6万円と装備内容から考えれば納得できる価格。ハイパワー化されたとはいえ2.4lのNAエンジンなので、交換パーツも比較的安価であることもユーザーからすればうれしい。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
トヨタ GR86 新型・現行モデル

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