トヨタ GR86 「「走りの純度」がアップした」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

山本 シンヤ
山本 シンヤ(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
3
積載性
4
燃費
4
価格
5

「走りの純度」がアップした

2022.2.12

年式
2021年10月〜モデル
総評
ヒットモデルの次のモデルはネガつぶしでコンセプトが曖昧になるケースが多いが、初代(トヨタ86)から2代目(GR86)への進化は、よりコンセプトが明確かつ色濃くなっている。例えるならば「走りの純度」がアップしたと言うのがふさわしい。これなら「2代目のジンクス」はないと思う。
満足している点
初代ユーザーであれば嫉妬するくらいの「進化幅」となっているが、単に性能が引き上げられただけでなく、「操る楽しさ」、「FRスポーツを楽しんで」と言った目に見えない部分まで徹底してこだわっている事。これぞ豊田章男社長が常日頃から語る「味」である。ズバリ「速さは慣れるが、楽しさは永遠」を解りやすく体現した一台だと思う。
不満な点
スポーツカーは「好き嫌い」や「割り切り」も必要。そう言う観点で見ると気になる所はないが、強いて言えばMTモデルに安全・運転支援系のデバイスが未装着な事。その辺りは開発陣もシッカリ理解しており、現在鋭意開発中。どこかのタイミングで追加されるのは間違いない。
デザイン

5

エクステリアはAピラーからトランクまでのラインやドア周りに初代の面影が残るが、「よりFRらしく」、「よりエモーショナル」なスタイル。インテリアは水平基調のインパネや多機能型デジタルメーターの採用など、機能性の高さと令和のスポーツらしいデジタルを上手に融合。質感も高められクーペとしての魅力も増している。
走行性能

5

初代を継承しながらユーザーが「もう少し●●だったら」と言う声に応えるべく、全方位で進化。エンジンは高回転エンジンの気持ち良さに実用トルクや扱いやすさを向上。フットワークはスタビリティとコントロール性を向上。BRZの味付けの差が話題だが、メリハリのあるクルマの動きやエンジン特性など、「FRスポーツ」である事をより実感できるセットだ。
乗り心地

3

インナーフレーム構造+構造用接着剤によるボディ剛性アップはハンドリングだけではなく快適性アップにも効いている。特に今まで以上にリアサスがシッカリ動くようになったことで、初代で感じた嫌な突き上げが確実に抑えられており、一般的なクルマよりも硬めではあるものの、決して不快には感じさせない乗り心地を実現している。
積載性

4

絶対的な容量で見てしまうと居住性も積載性は「悪い」となってしまうが、コンパクトサイズの2ドアクーペとして見ていくと非常に高いレベルである事が解る。その中でも初代からこだわっている「リアシートを倒すとタイヤ4本が搭載可能」は新型でもシッカリと継承されている。意外と使えるヤツだ。
燃費

4

高回転型のエンジンと言うキャラクターからモード燃費は優秀とは言えないが、リアルワールドでは想像以上に低燃費だ。特に高速道路では15~17km/Lくらいは誰でも簡単に引き出せるはず。これがエンジン側の進化も大きいが、車両重量が軽い事や全面投影面積が小さい事なども大きく貢献している。やはり基本は大事……と言うことだ。
価格

5

先代に対して若干価格は引き上げられているものの、性能向上や装備充実などを考えるとむしろ割安と言っていい。販売比率は最上級グレード「RZ」が断トツのようだが、価格に対してクルマの価値がシッカリと理解されている証拠だろう。ただ、コスパが最も高いのは中間グレードの「SZ」だ。
山本 シンヤ
山本 シンヤ
自動車ジャーナリスト
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるべく「自動車研究家」として活動を行なう。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員ワールド・カー・アワード選考委員
トヨタ GR86 新型・現行モデル

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