トヨタ カローラツーリングハイブリッド 「SUV全盛の今でも万人勧められるコンパクトなツーリングワゴン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
5
積載性
3
燃費
5
価格
4

SUV全盛の今でも万人勧められるコンパクトなツーリングワゴン

2022.6.20

年式
2019年9月〜モデル
総評
近年はSUVが良好であるが、実際に乗って見るとステーションワゴンもアリと思わせてくれる1台だ。どんなに技術が進化していても、基本的なボディのディメンションとボディ形状には敵わない。そのため実際にカローラツーリングに乗って見るとコーナリングでの安定感や長距離移動での疲労度の少なさはSUVに無いものだと思わせてくれる。荷物と人を乗せたくて、ガッツリとアウトドアをしないのであれば流行りのSUVだけじゃなくて、カローラツーリングという選択肢も一つ検討して欲しい。
満足している点
今や希少となったコンパクトなサイズのツーリングワゴンという点がまずは良点だ。また単に需要に合わせてラインアップしているというだけでなく、しっかりと作りこんでいて走りや内装の質感が安っぽくないのが好印象だ。先代と比べると積載性はやや劣るものの、実用面を考えれば大きく不満がでることはないだろう。爆発的な人気はないかもしれないが、絶対的な需要はあると思われるモデルだ。
不満な点
あまり欠点や気になる点が見受けられないのだが、その理由としては突出したものがないというのも理由かもしれない。もう少しアピールできる個性があるといいのだが、そういったインパクトがあまりない。ニーズを考えるとそれはそれでいいと思うのだが、全体的に質感が高いので、高級路線のグレードが現在のトップグレードの上にもう一つあると良いかもしれない。また欧州仕様のワイドボディを用いた上級グレードを用意するというのも面白いだろう。
デザイン

4

フロント周りは低く構えたシルエットや鋭く切れ込んだヘッドライトなど、これまでのカローラワゴン系に比べるとかなりスポーティーな雰囲気に仕上がっていて好印象。LEDを多用した灯火類も新時代のスタンダードという印象を受ける。リア周りのシルエットは好みが分かれるところだろう。Cピラー周りのラインはシューティングブレークなのかワゴンなのかどっちつかずという感じにも見える。ボディサイズとの兼ね合いもあり難しいと思うが、ここがスッキリすればよりスタイリッシュでコンパクトなワゴンになるはず。
走行性能

4

ハンドリングなどはかなり良好な印象。TNGAプラットホーム導入以降、トヨタ車のハンドリングはグッと良くなったと感じているが、カローラツーリングはそれが熟成されてきたと感じる。走行フィールが好印象なのは全高が低い3ボックスワゴンというのも相まっているからだろう。動力性能に関しては不満ないというレベル。もう少し加速性能があると楽しいだろうとも思うが、ニーズを考えると丁度いいのだろう。ハイブリッドながらブレーキフィーリングも他メーカーに比べると自然に近いフィーリングだ。
乗り心地

5

乗り心地に関しては満足だ。実際に乗ってみると乗り心地で驚くという感動はないが、長く乗っていても違和感を感じることは少ない。大きな主張もないがストレスを感じることもないという乗り心地だ。長時間の運転は近年流行りのSUVなどに比べると振動やロールも少なく、長距離移動での疲労は少ない。このサイズと価格で並ぶワゴンが少ないというのもあるが、長距離移動での疲労度を考えればリーズナブルという見方もできるだろう。
積載性

3

積載性に関して言えば先代(カローラフィールダー)に比べて分が悪い。これはリアサスペンションがトーションビームからダブルウィッシュボーンへと変更され、スペース的に制約が出来てしまったからだ。実際にトランクスペースを除くと床面が高く「思ったよりは広くない」と感じる場合が多いかもしれない。しかし同クラスのSUVと比べると長物を載せるのは得意。シートを倒せば2m弱の長物も積載可能だ。欲を言えばリバーシブルのラゲッジボードなどあればなお良いだろうと思う。
燃費

5

WLTCモードで29.0㎞/L(上級グレード除く)という燃費性能は、室内空間と積載性を考えると燃費性能は高いと言える。これはトヨタのハイブリットシステムがなせる業とも言えるが、全高が低く空気抵抗が少ないワゴンボディというのも大きく寄与しているだろう。同クラスのSUVと比べると高い燃費性能を誇る。5人が乗れて、荷物もそこそこ積めてというニーズを満たしてのこの燃費性能は、SUVだけじゃなくてステーションワゴンもありと思わせてくれる性能だ。
価格

4

国内に直接的なライバルがいないので、およそ250万円から300万円という価格レンジが妥当なものなのか否かという判断は難しい。しかし、決して質感の悪くないインテリア、満足のいくハンドリング、比較的高い積載性、良好な燃費性能といった良点を持っていて、価格帯は300万円前後で収まるということを考えると決して選択肢としてはアリの部類に入ってくると言える。しかし、同メーカーの中でも後発のカローラクロスの値段がかなり近いので、そちらの方が良いというユーザーは増えてしまうのは事実であろう。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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