トヨタ カローラハイブリッド 「もっともベーシックな国民車」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
3
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
5
燃費
5
価格
5

もっともベーシックな国民車

2023.6.21

年式
2019年9月〜モデル
総評
日本の道路事情に最適化したカローラの王道であるセダンボディ。そのハイブリッドモデルは1.8Lの最新版THS-Ⅱシステムを搭載する。ベースグレード「X」で比較した場合、3気筒1.5Lの価格は39万円上がるが、走行/燃費/所有満足度、いずれをとってもハイブリッドが良い。市街地での実用燃費は掛け値なしで1.5Lの2倍良い。TCOの観点からもおすすめだ。
満足している点
カローラも3ナンバーかと言われたが、全長は5ナンバーサイズのままで4495mmだし、全幅にしても1745mm。今となっては貴重なサイズのセダンボディだ。しかもハイブリッドモデルでは、モーターパワーに加え電子制御の回生協調ブレーキとなるため、アクセルを踏んでもブレーキを踏んでも滑らかだ。Gグレード以上で選べるボディカラー「ブルーメタリック」はこのボディにとても映える。
不満な点
じつはこの世代のカローラで共通している数少ないウィークポイントがフロントデザインだ。グローバルカーとしてのカローラと捉えればこれくらいアクが強いほうがウケるのだろうが、いかんせん眼力が強すぎる。また現行モデルでは初期モデルにあったマニュアルトランスミッション車が消滅した。時代の流れとはいえ、ベーシックなカローラのセダンボディから3ペダルが消滅してしまったのは残念でならない。
デザイン

3

シリーズ共通のスタイルだが、このセダンボディがもっともまとまり感がある。全幅1745mmのナローボディに合わせて顔付きに落ち着きを持たせたこと、伸びやかなルーフと腰高かつショートなトランクスペースを組み合わせたことで、ギュッとした塊感が出た。個人的にはGRカローラをこのセダンボディで登場させたら地味派手で良いと感じる。ハイブリッドモデルだからといって誇張していない点もいい。
走行性能

4

ハイブリッドモデルの走りは熟成の感。ボディサイズのイメージでいえば先代となる4代目プリウスに近いカローラのハイブリッドモデルだが、走りの洗練度はカローラが1枚上手だ。フルTNGA設計(4代目プリウスは半TNGA設計)であるため、乗り味と走行性能バランスがとてもいい。とくに路面の条件が悪くなればなるほど、カローラの自然でクセのない走行性能が光ってくる。
乗り心地

4

このカローラシリーズが登場するまで、THS-Ⅱの各モデルは後席での乗り心地が粗かった。しかし、このカローラではセダンはもとより、スポーツ(ハッチバック)、そしてツーリング(ステーションワゴン)ともに乗り心地がとても良い。さらにセダンは独立したトランクルームであるため静粛性も高い。ただし、3気筒1.5Lの軽さを活かした軽快な乗り味も捨てがたい。
積載性

5

コンパクトな全長(4495mm)に優れた居住性を持ちながら、このトランク容量は立派だ。装備により違いがあるが429L(4WDモデルのE-Fourは380L)を確保する。分割可倒式のリヤシートを倒せば長尺物も積載でき、その際の最大長は1983mmにもなる。なお、トランクルームの最小幅は964mm、最大幅は1404mmとこちらも十分な値。トランク内の出っ張りも最小限だ。
燃費

5

カタログ上の燃費数値は4代目プリウスとほぼ同じだ。WLTC値のカローラハイブリッドに対して4代目プリウスは、JC08値なので係数をかけると約31.2km/L。これに対してカローラハイブリッドは27.9〜30.2km/L。筆者による市街地での実走行テストでは、両モデルとも25〜27km/Lあたりを示した。ハイブリッドモデルと現行の3気筒1.5Lモデルを比較すると市街地走行では約2倍の差が付いた。
価格

5

昨今の値上げラッシュの中、ハイブリッドモデルながら「X」グレードで238万円を死守している点はすばらしい。また、E-Fourであっても257万8000円(同グレード)でラインアップする。トヨタはXをスタンダードグレードと称しているが、ナビ&オーディオレスがオプション装備でよしとするならお買い得。ひとつ上のG(257万円〜)では8インチディスプレイオーディオが付く。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
トヨタ カローラハイブリッド 新型・現行モデル

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