スズキ ジムニー 「小さいのにとっても頼れるSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

小さいのにとっても頼れるSUV

2021.3.25

年式

2018年7月〜モデル

総評

積載性や燃費などは他の軽自動車に譲るかもしれないが、デザインやオフロード性能などのジムニー唯一の個性は、そういったネガティブ面をカバーして余りある魅力があると思う。軽自動車の利便性を優先する方は、ジムニーを選ぶのは難しいかもしれないが、「デザインが好き」「オフロードもしっかり走りたい」と、ジムニーの魅力に共感する部分があるなら、購入してもきっと後悔しないモデルだと思う。

満足している点

まずはデザインがピカイチ！軽自動車ながら、本格派SUVとしての高い素養を備えており、それがデザインにも表れているように感じる。悪路走破性が高いので、ジムニー1台あればどんな道でも走れる安心感がある。ジムニーの歴史と技術が現行モデルにも受け継がれているので、「他の軽自動車には真似できない」という唯一無二の個性も魅力。

不満な点

ジムニーのパッケージングを考えると仕方ないことだとは思うのだが、5ドアモデルがあればさらにジムニーオーナーは増えそう。それなりの荷物があると、後席を倒さなければいけないので、4〜5人での使用が多い場合はジムニーの購入は難しいかもしれない。

デザイン

5

歴代のジムニーをリスペクトしつつ、「これが現代版ジムニーの完成形！」と言わんばかりのクオリティの高いデザイン。ゴツくて四角いエクステリアが問答無用でかっこいい！クルマだけではなく、実用性がしっかり形になったものがトレンドになっている今、これまでのジムニーファンだけではなく、クルマに興味がない方だったり、若い世代にも好まれるデザインになっているところが◎。

走行性能

5

いまだにラダーフレームを採用するなど、硬派なSUVのジムニーだが、そういった古さを感じさせない洗練された乗り味になっている。挙動にクセがなくシンプルなので、誰にでも乗りこなせるはず。エンジンはターボ付きだが、ややパワー不足を感じるシーンはあるので、そういう方はシエラを検討してもいいかも。何より軽自動車としての悪路走破性の高さは他を圧倒している。パートタイム4WDや3アングルの徹底のほか、ヒルディセントまで標準装備しているので、どんなアウトドアのアクティビティでも安心して楽しめそう。

乗り心地

4

新構造のラダーフレームとよくストロークするサスペンションのおかげで乗り心地は良い。その分、「もっとぐらつくかな」と思ったが、しっかりした安定性も感じるので、とてもバランスの良いセッティングになっているモデルだと思う。

積載性

3

室内スペースは非常に限られており、他の軽自動車と比べてしまうと、積載性は低いと言わざるを得ない。何か大きな荷物などがある時には後席を倒す必要があり、たとえば「4人で旅行にでかけたい」となると、おそらく荷物は載りきらなくなってしまうだろう。

燃費

3

燃費は13.2〜16.2km/L（WLTCモード）で、近年の軽自動車の基準からすると、燃費が良いとは言いづらい。ただ、ジムニーに関しては、燃費よりも他の魅力を見るべきモデルだと思うので、個人的には「そんなに気にするポイントではないかな」と感じる。

価格

4

ベースグレードは約150万円〜。軽自動車のスタート価格としては高く感じられる人もいるかもしれないが、個人的に、ジムニーは、軽自動車ということを抜きにして“ジムニー”というクルマ単体として考えていいと思っている。これだけクオリティの高いコンパクトSUVがこの価格から購入できるのは、お買い得だとさえ思う。