スバル WRX S4 「総合性能に優れたスポーツセダン」のユーザーレビュー

総合性能に優れたスポーツセダン

2023.1.19

総評

1.6Lのレヴォーグ（VM4）からの乗り換えです。
慣らしが終わってからの感想です。
先代に比べて値段が高くなったS4。何とか無理して手が届いたのがベースグレードのGTHでした。
しかしベースグレードの哀しさか、STIグレードに比べると極端に情報が少ない様ですので、検討中の方の参考になると幸いと思い投稿します。

満足している点

卓越した運動性能
スポーツモデルながらも扱いやすい

不満な点

純正ナビの性能
物理スイッチの省略

デザイン

3

【外観】
写真と実車の印象がかなり異なります。
先行予約組なので、実車を見ずに予約。
写真だと微妙だったので心配でしたが、後日実車を見に行くと写真よりはるかにカッコよく安心しました。

フェンダー周りの好みが分かれていることは知っていますが、気になる方は是非実車をご覧になる事をお勧めします。

先代よりも全体に「上質」に振っていますが、やる気満々な4本出しマフラーは健在です。G4、B4が廃止され、日本ではスバル唯一のセダンなのですから、おとなしい外観を好む人向けに自分的にはレヴォーグのような2本出しも選べると良いなとは思いました。

【内装、各種システム】
内装の質感はスバルにしては良いです。
GTHの素のシートでもランバーサポートがついており私はこれで十分。

ただし、デンソー製のナビが最悪です。
動作はもっさり、目的地の設定にもやたら多くの入力を強いられストレスが溜まります。
音声認識も使い物になりません。

エアコンの物理スイッチが廃止された点も残念です。操作系はタッチパネルの一番見難い場所に集約されており、視線移動が大きく運転中の操作に危険が伴います。

以下に記しますように、車自体は良いのですがナビ周りが残念です。

走行性能

5

【動力性能】
エンジンは過激なところが無く、フラットトルクな特性で扱いやすいです。パワーダウンしつつも「使い切れる275馬力になった」という触れ込みは確かに正しいようです。

一方でターボ感は薄まっており、先代までの過激なターボをお好みの方にとってはやや退屈かもしれません。

排気量が大きいためターボ加給が効かない領域でもパワーがありラクに乗れます。ダウンサイジングターボのＶＭ４は発進時もたつきましたが、ＶＢＨはスムーズです。運転が苦手な妻も問題なく乗っており、やはり扱いやすいようです。

購入当初はＳＩドライブの制御が自分の好みと合わず、もっさりのＩモード、中途半端なSモード、フィーリングは良いが高回転を維持するためうるさく過敏なＳ＃と、今一つ自分の感覚に合わず苦労しました。ここら辺はステップATに劣る点でしょうか。

しかし、慣らしを終え、アクセルペコペコを含めた学習が進むとかなり良い感じになりました。Iモードが格段にスムーズになり、もっさり感が消失、高回転までスムーズに回るようになりました。成長を楽しめる点がスバルのCVTの良さ？で私は好きですが、工場出荷時点である程度完成されている方が万人受けする気がします。

【運動性能】
本モデルの最大の美点はここなのでは、と。

購入してから数回、事故回避のための急な挙動を行いましたが極めて安定しています。
カーブで旋回中対向車が猛スピードで大きくセンターラインをはみ出してきたため、回避→制動しましたが姿勢は全く崩れず終始安定。急制動も完璧です。

私はサーキットなど行きませんが、高性能はすなわち安全でもあるのだと実感しました。
アイサイトばかり注目されますが、車の基幹性能自体も安全を意識して手を抜いていない点が優れていると考えます。

乗り心地

4

【乗り心地】
GTHなのでKYBのダンパーになり、STIグレードとの違いが大きい点ですが、結論から言うと乗り心地は固めです。
先代S4は100㎞＋α以上の速度領域を狙ったセッティングだったようですが、この車も同じ印象です。高速道路で少し頑張って走っている時が一番足がしなやかに動きます。このため低速では路面の起伏を拾って揺さぶられ、当初はやや不満でした。スタッドレスに変えると印象が激変しましたので、純正のスポーツタイヤの影響も大きそうです。

が、慣らしが進むと徐々に中速度以下でもしなやかになり、10000㎞を過ぎた現在の乗り心地はかなり気に入っています。

当初は困難と思われた家族を乗せての遠出も、今なら大丈夫な水準ですのでお父さん方も安心？してご購入いただけるのでは。

【静粛性】
VM、VAと比較し明らかに静かです。
ロードノイズも抑えられ、それでいてマフラーからの重低音が微かに聞こえる快適なスポーツセダンです。

ただし時速50km前後でタイヤからのノイズが僅かに入ります。（気になったのでメカニック同乗で確認しこのような診断）この点は今後の改良に期待でしょうか。

積載性

3

デザインを優先したためかトランクの開口部が狭く実用性は高くありません。（トランク自体は意外と奥行きがあり一定の積載性はあります。）
ただし、「どうしてもゴルフバックが４個乗らないとダメだ！」という方が買う車ではないと思いますので、個人的には良い割り切りと考えています。

燃費

2

今までスバル車を乗り継いできて燃費で満足したことはないので、あきらめています。

ダウンサイジングターボのFB16DITやCB18DITは、ターボ加給が効かないような運転を心がけると結構燃費が伸び、飛ばすとすぐガクンと燃費が落ちる特性。

一方FA24DITは丁寧に乗っても、やや飛ばしても、あまり燃費に変化は無いように感じています。排気量が大きいせいでしょうか？

どう乗っても燃費は悪いので、諦めて元気に走らせています。

価格

3

近い性能の他車（多くが外車になる）と比較すると抜群のコストパフォーマンスであることは理解しているものの、乗り出し価格５００万円からという値段は一昔前の高級車の域。やはり高いな～と感じてしまいます。

故障経験