スバル WRX S4 「数値はダウンでもリニアさは格段に向上した新型WRX S4」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

橋本 洋平
橋本 洋平(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
5
積載性
5
燃費
4
価格

数値はダウンでもリニアさは格段に向上した新型WRX S4

2021.11.15

年式
2021年11月〜モデル
総評
レブリミットが500回転ダウンの6000回転となったこと、そしてピークパワーやトルクがダウンしたことで、その仕上がりがやや心配な一台だったが、リニアリティの高い走りの質感があり、納得できる仕上がりだった。ボディもエンジンも応答遅れなく素直に反応するところは旧型には真似できない次世代のテイストだ。
満足している点
ステアリングを切った瞬間、かなり軽快にボディ全体が応答を見せ、キビキビとした旋回を見せるところがマル。2ピニオンのパワーステアリングがもたらすたしかなステアフィールと、フラット感溢れる脚の仕上がりが好感触だ。
不満な点
電子制御ダンパーを持たないGT-Hは、スプリングは同等ながらもショックの減衰力が低めに設定されているのか、ピッチング方向の動きがかなり大きい印象がある。フラット感を味わいたいのであれば、STI Sport Rを選択したほうが良いだろう。
デザイン

4

力強く張り出したフェンダーや、フェンダー後部に設けられたエアアウトレットなどによって、いかにも走りに振ったセダンであることが理解できる新型。ワイド&ローを強調するフロントバンパーデザインは、前を走るクルマのルームミラーに確実に威圧感を与えるだろう。
走行性能

4

旧型の2Lターボから2.4Lターボへと生まれ変わったが、最大出力は221kW(300PS)から202kW(275PS)へとダウン。最大トルクは400Nmから375Nmへとダウンした新型。だが、ウエストゲートバルブのエアバイパスバルブが機械式から電子制御式に変更されたことで、緻密な霞友圧制御が可能となり、低速からリニアな応答を確保しており、スペックがダウンした印象はない。
乗り心地

5

スバルグローバルプラットフォーム+フルインナーフレーム構造を採用し、さらに構造用接着剤の採用距離を7mから26mへと引き上げた新型は、セダンボディの特長を生かしてリアまわりの骨格を強固に制作。足回りはフロント5%、リア20%のロングストローク化や電子制御ダンパーを採用したモデルもあり、しなやかな乗り味を展開する。
積載性

5

兄弟分のレヴォーグのような積載性は見込めないが、ベビーカーやゴルフバッグも搭載可能な容量を確保。4ドアセダンとして十分な荷室を確保。高さは旧型比8ミリ、幅は20ミリ広がっている。また、トランクスルーも備わっているから、いざという時にはかなり役立ってくれそうだ。
燃費

4

スポーティな走りを展開しながらも、一方で燃費は旧型比で約8%の向上をみせた。WLTCモードで11.0km/L、JC08モードでは旧型の11.8km/Lから12.7km/Lへと燃費を伸ばしている。ドライバビリティが向上しファンな走りがあることを考えれば、この燃費は十分納得のいくレベルだと思える。
価格

未発表(2021年11月時点)
橋本 洋平
橋本 洋平
自動車ジャーナリスト
JAF国際B級ライセンスを持ち様々なレースに参戦。ワンメイクレースではチャンピオンを獲得したこともある。主にスポーツカーやタイヤのインプレッションを寄稿するほか、ドライビングレッスンのインストラクターも務めている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
スバル WRX S4 新型・現行モデル

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