ポルシェ カイエン クーペ PHV のみんなの質問

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4WDでセンターデフを採用している車

4WDでもセンターデフを用いるものとビスカスカップリングを用いるものがあることを知りました。
センターデフを用いたものは本格的な4WDらしいのですが、現在センターデフを採用している車はどのくらいありますか?
また、リアルタイム4WDがビスカスカップリングを用いることは知っています。
できれば軽自動車の中で教えていただければ幸いです(無いかな。。)

あと、センターデフを用いた4WDとビスカスカップリングを用いた4WDでは、具体的に何処が違うのですか?
フィーリングも含めて教えていただければと思います。

回答よろしくお願いします。

補足

私の言うセンターデフは、機械式のセンターデフのことです。 失礼しました。

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ベストアンサーに選ばれた回答

【補足のご質問に】
機械式多板LSDのことですね。これは「トルク差感応タイプ」なので,応答性は高いものの,自然な切り換えではないので,乗用車には,向いていません。

旋回時の挙動 = 最初は差動制限が働いて,アンダーステアに。さらにハンドルを切り増すと,外輪側荷重が増えて,外輪側駆動力が増え,オーバーステアに。この挙動は注意が必要!

+++++++++++

●前後駆動力配分比
基本的な前後輪の駆動力配分比を示します。

(1) 選択式 … 100:0 か 50:50
(2) センターデフ+パッシブ式 … 50:50(ベース)で30:70~70:30(例)
(3) センターデフ+アクティブ・トルクスプリット式 … 同様
(4) 直結+パッシブ式 … 100:0(ベース)~50:50
(5) 直結+アクティブ・トルクスプリット式 … 同様

●原理
上記のうち,手動による選択式を除く各方式について説明します。

(2) センターデフ+パッシブ式 … 例えば駆動方式がFFをベースにする場合,フロント・ディファレンシャルギア(デフ)を含んだトランスファを構成します。駆動力は,下記の経路です。

エンジン = 変速機 = トランスファ = フロントデフと後輪駆動用プロペラシャフト

このトランスファ内に差動制限機構を設けます。差動制限機構には,大きく分けて2種類あります。

<1> パッシブ型 … よく使われるものにビスカスカップリング(回転数差に反応:反応が自然)とトルセン(トルク差に反応:応答性は高い)があり,それぞれ前後輪の回転の差異を検出し,差が大きければ,ロックします。つまり前後輪の両方に駆動力が配分されます。もし前後輪に回転の差がなければ,FFになります(FFベースの場合)。つまり後輪への駆動力配分はありません

<2> アクティブ型 … 多いのは,電子制御の湿式多板クラッチです。電磁石が入っており,これへの電流値が増えると,湿式クラッチを接続する方向に電磁石が動きます。電流値の大きさにより,この接続の強さが調節できます。FFベースの場合,切断すれば,前後輪の駆動力配分比は,100:0,接続すれば,50:50になります。

この<2>とセンターデフを組み合わせたものが,上記の(3)になります

つまりセンターデフを使う方式の前後輪の駆動力配分比は,100:0~0:100で,基本は50:50です(多少調整可能)。

(4) 直結+パッシブ式 … 添付図をご覧下さい。リアデフの前にビスカスカップリングやトルセンを配置します。通常,前後輪は同じ回転数なので,ビスカスカップリング内は切断されています。もし前輪がすべると,前後輪の回転数差により,ビスカスカップリングがハンプ状態になり,接続します。つまり後輪へも駆動力が配分されます。

つまり前後輪の駆動力配分比は,100:0~50:50で,基本は100:0(FFベースの場合)す。

このビスカスカップリングの代わりに電子制御の湿式多板クラッチを使うと,上記(5)になります。

●特性と4WD技術の変遷
約20年前,手動で4WD←→2WDを切り換える上記(1)が一般的でした。しかしこの操作はたいへん面倒です。またタイトコーナーブレーキ現象が発生し,一般の方には扱いにくい方式でした。

これを改善したのが,センターデフを使う方式です。前後輪の最適な駆動力配分比を機械的に決めてくれるのがパッシブ式,4輪の車輪速を検出し,積極的に,駆動力配分比を制御するのが,アクティブ式です。

オフロードのような滑りやすい路面が多い条件では,センターデフ方式の配分比50:50は有利です。しかしオンロード(舗装路)が多い走行条件では下記の問題点があります。

*1 転がり抵抗が多い … 燃費が悪い
*2 曲がりにくい … 旋回時,フロント側がブレーキング要素

このため,最近の4WDには,これらを解決した(5)のアクティブ・トルクスプリット方式が増えています。この方式なら,簡単に4WD←→2WDの切り換えが可能で,かつ4WD時も前後輪の駆動力配分比を調節できるからです。

この時,センターデフ方式の方が,駆動力配分比の調節範囲が広いのですが,直結式よりコストが高いため,最近は,減っています。逆にいえば,センターデフ方式の方が,4WDの機能としては優れています。しかし通常の雪道走行程度では,上記(5)で十分です。

●フルタイム4WDとは?
この用語は,技術用語ではなく,各社,定義がバラバラです。もともとはセンターデフ方式を指していましたが,直結式の方が,増えてしまいました。

●リアルタイム4WDとは?
初期はビスカスを使っていましたが,コストが高いので,デュアルポンプ式に変わりました。これは応答性が低いので,「新型」は,ボールとカム板から構成したワンウェイカムを使う方式に変わっています。

●フルタイム4WDの例
AUDI クワトロおよびその他の4WD
ポルシェ カイエン
スバル DCCS、VTD
メルセデス 4MATIC
三菱 パジェロ SS4Ⅱ
ポルシェ 911(964)

ご参考になれば幸いです。

回答の画像

質問者からのお礼コメント

2010.8.29 20:54

図まで添えて頂き、詳しい回答ありがとうございました。

その他の回答 (1件)

  • 4輪自動車はその構造上カーブを曲がる時、後輪が前輪よりも内側を通ります。これを「内輪差」といいますが、より内側を通ると言うことはその分移動距離が短くなります。そのため、4輪駆動車で前輪と後輪を直結させると前輪の方が後輪よりも多く転がることになり、互いの回転差を調節出来ず、まるでブレーキをかけたような状態になってしまい、まともに曲がれません。これを「タイトコーナーリング現象」と呼びます。
    そのため、フルタイム4WDの車の場合、前後の車輪をつなぐ部分に回転差が生じた場合、これを解消する仕組みを組み込みます。これを「センター・デファレンシャルギア(センターデフ)」と呼びます。フルタイム4WDだと、どんな車でもまず付いていると思います。2WDと4WDを手動で切り替えるパートタイム4WDたどセンターデフなしで前後を直結ものもあります。
    また、このセンターデフにはいろいろな形式がありますが、最も簡単な物がビスカスカップリングを用いたものです。構造も単純で安価なので、軽自動車などの4WDでは広く使われています。

    ですから、センターデフを使う4WDとビスカスカップリングを使う4WDが別にあるというわけではありません。ほぼ全てのフルタイム4WDはセンターデフを用いており、その中にはビスカスを使ったセンターデフの物もあれば異なる仕組みのセンターデフの車もあると言うことになります。もちろん、センターデフを用いた4WDが本格的だというようなこともありません。

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