オペル ベクトラ 「道具としてどうあるべきかを真面目に追求し...」のユーザーレビュー

道具としてどうあるべきかを真面目に追求し...

2004.1.31

総評

道具としてどうあるべきかを真面目に追求した結果が形になった車。デザイン、機能、動力性能、足回り、ブレーキなどすべてが統一性を持ってまとめ上げられている安心感がある。日本車にありがちな、何かが突出して、そこをセールスポイントとして、人目を引くような派手さはなく、商売的には損をしていると思うが、職人さんが、使っている人にとって意味のあるものは何かを知り、その部分を、使ってこそ分かる形で密かに準備しておいてくれるような実用品。「雑器の美」という言葉があったと思う。使う人が使う中で分かる正しい性能に誠実な車だ。片側２車線の国道で、隙間を縫ってエンジンのレスポンスに物を言わせてすり抜けていかなくても、左側車線でゆったりと自分のペースで穏やかに走っても、十分に速く走れる。基本戦略が正しいので、後からごちゃごちゃ付け足さなくても、満足度が長く続いていくような頼れる車。見栄を張りたくはないが、「なるほどいい車だ」と乗っている人がうなずくことができる、真面目な車。家族を乗せて走っても、後席は意外に広いらしく、不満が出ることはない。子供を乗せても不快な揺れがないから酔うことはない。田舎の舗装状態の良い道路を少し早めのペースで流すと魔法のじゅうたんにでも乗っているような快適さ。現在はスタッドレスタイヤで走ってこの状態だから、夏タイヤになって凍結路面に気を使わなくても良い状態でのロングドライブが今から待ち遠しい。

満足している点

巷に溢れていない。車に興味のない人が乗っていない快感。外観は地味で真面目だが、緻密に作られていて、長い時間付き合ううちにジワリとそのよさを再確認できそうな作り。内装はベージュと黒のツートンが華やかで、上下を二分割するウッド調パネルがとても美しく、十分高級感を感じられる。前後席ともシートヒーターがつき、しかもよく効く。レザーシートは坐面背もたれのみ本革だが、しっかりした作りの大振りのシートで、姿勢を正しくして乗る気になる。エンジンは４気筒だが、普段使う回転域では非常に滑らかで静か。低速域で重低音が心地よく響くのはドイツ車の味わい。サスはやや固めだが、振動が一発で収まるのでフラットな乗り心地。特に車輪の回転系の精度が高いと思わせる転がり抵抗の少ないスムーズさは絶品。ＡＴも優秀。遮音性も優秀。装備もディスチャージ、トラコン、ＥＳＰ、その他、セキュリティーまで含めて手抜きのなさを十分味わうことができる。ヤナセ販売なので、車以外の信頼性も十分。高速でも速度が乗れば乗るほどいい車感を実感できる。恐らく、年数を経てなじめばなじむほど、少しずつ気付く隠れた良さがあちこちにありそうなポテンシャルを感じる。ぎりぎりの高性能ではなく、日常つかう範囲に余裕を広く取って、使えば使うほど作り手の配慮にうなずく、実用車としての一つの理想を実現した車であること。

不満な点

エンジンが２．２Ｌであるのが、必要十分でいいのだが、それほどレスポンスが良い訳ではなく、また、大トルクで悠然とした加速でないところがマイナスか？もう少しトルクが太ければ申し分なし。外観は堅実で良いのだが、もう少し官能性が欲しいかなと思う瞬間もあること。ジャガーのＸタイプのボディーの曲線などに比べると、ちょっと堅物すぎるかなと思う。好みにもよるが、メーターは、最近の国産車はみな自光式が多い中で、車幅灯をつけないとメーターが暗いのは、少しさびしい。室内のドアノブは柔らかなゴム状のものでコーティングされていて、高級感を出そうとしているが、それが爪で簡単に傷つく所がマイナス。リアガラスにはワイパーがなく、大雨の時には視界不良になる。セキュリティーが高度なのはいいが、給油の際など少し煩雑な場合がある。なお、エンジンをかけるときに、すぐかけると、寒冷地などでは勝手にアイドリング状態になる場合があり、始動時に気を使わなければならないところ。タイヤなども少し太すぎるのではないか。ウインドウオッシャーもライト点灯時には、ライトにも連動して何回かに一回は自動でウオッシャーを吹き付けるので、減りが早いかもしれない。積雪地では、降雪時の駐車中、ワイパーを立てておくのだが、ワイパーが自分で元に戻ろうとし、立てておきにくいところ。ワイパーのふき取りの関係で、フロントガラスの右側に雪がたまりやすく、視界不良になる場合（湿った大雪の時）があること。

デザイン

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走行性能

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乗り心地

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積載性

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燃費

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価格

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故障経験