日産 スカイライン 「評価は「スカイライン」に対する想い次第」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

瓜生洋明
瓜生洋明(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

2

デザイン
3
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
3
燃費
2
価格
2

評価は「スカイライン」に対する想い次第

2023.12.22

年式
2014年6月〜モデル
総評
姿かたちは変わったかもしれないが、その精神性は歴代スカイラインのものを十二分に受け継いでいる。円熟の粋に達したその走りや正統派のFRセダンらしいスタイリングは、もはや唯一無二のものと言ってよく、それだけで購入に値するとさえ言える。その一方で、現代のクルマとしては古さを感じてしまう部分も少なくない。清濁あわせ呑む覚悟をもってこのクルマを選ぶならまったく問題ないが、生半可な気持ちで選ぶともしかしたら期待外れと感じることがあるかもしれない。そういった意味では、やや玄人向けの1台とも言えそうだ。
満足している点
いまや絶滅危惧種となった国産FRセダンということもあり、そのスタイリングや走行性能はもはや唯一無二のものとなっている。登場から一定期間が経過しているとは言え、先進安全装備は十分健闘している点も評価したい。「スカイライン」というネームバリューも含めて、独自のポジションを築いている1台だ。
不満な点
機能面はもとより、プラットフォームをはじめとした至るところに古さを感じてしまう。にもかかわらず、400万円台後半から最大で1000万円近い価格設定となっているのは、このクルマの競争力を下げてしまっていると言わざるを得ないだろう。
デザイン

3

重心の低いスポーティなボディラインや、歴代スカイラインの面影を感じることのできるス丸型のヘッドライトやテールライトは、所有欲を十分に満たしてくれることだろう。シルエットは正統派のFRセダンといったものだが、FRセダン自体が少なくなっている昨今ではかえって新鮮に見えるかもしれない。ただ、インテリアのデザインは古さを感じる部分も少なくない。「高級感がある」と言えば聞こえはいいが、重厚な印象のシートやトリムがかえって「ひと昔前の高級セダン」という感を強めてしまっているのが残念なところだ。
走行性能

4

3.0リットルのV型6気筒ツインターボエンジンは、言うまでもなく必要十分以上のパワーとトルクを誇り、ある意味で「ガソリンエンジンらしいガソリンエンジン」であると感じる。また、専用チューンが施されたエンジンを搭載する「NISMO」は、アクセルの踏み方次第で恐ろしいほどの強烈な加速を見せる。それでも、「走る・曲がる・止まる」というクルマの基本性能のバランスが破綻することなく高次元でバランスしているのは、現行モデルの登場から10年を経た熟成のたまものだろう。一方、最新のクルマと比べると剛性感がやや足りないと思う部分もある。それを「円熟」と見るか「陳腐」と見るかで、走りの評価は大きく変わるだろう。
乗り心地

3

基本的には非常によくまとまっている印象だ。ベースモデルは、市街地を流している分には路面の衝撃をしっかりといなしてくれる。「NISMO」などのスポーティグレードは確かに硬さを感じるが、クルマのキャラクターを考えると妥当な範囲だろう。ただ、基本設計がやや古いこともあり、剛性感のなさからくるふらつきやさまざまなノイズを感じるシーンがあった。同年代のクルマから乗り替える分には気にならないかもしれないが、ここは試乗の際のチェックポイントとして見てほしい。また、FRという駆動方式を採用している関係上、車体の中央部が狭く感じる。FFが主流となっている昨今では特にそう感じるかもしれない。
積載性

3

トランクルームは、セダンとして見ると妥当なレベルだが、SUVなどからの乗り替えだとやや不満を覚えるかもしれない。トランクスルー機構などは備わっているものの、決して積載性や使い勝手に優れているとは言えないだろう。それ以外の収納スペースについては、可もなく不可もなくといったところだ。
燃費

2

「燃費を気にするクルマではない」と言えばそれまでだが、お世辞にも良いとは言えない。タンク容量は80リットルとかなり大きいため航続距離自体に不安はないが、使用燃料がハイオク指定ということもあり、給油のたびに目を疑うような金額を支払うことになるかもしれない。
価格

2

日産の誇るビッグネームであり、いまや珍しくなった国産FRセダンであることに価値を感じるのであれば、価格に不満を持つことはないかもしれない。ただ、単にスタイリングが気に入ってこのクルマを検討している場合などは、やはり割高感を感じざるを得ないだろう。特に、高いパフォーマンスを持っているとは言え、788万400円〜947万9800円という価格帯の「NISMO」は、古くからのスカイラインファン以外には手を出しにくいものだ。そういった意味では、「スカイライン」や「NISMO」というブランドに依存した値付けであると感じる。
瓜生洋明
瓜生洋明
自動車ジャーナリスト
1987年生まれ。大手IT企業や外資系出版社を経て2017年に株式会社ピーコックブルーを創業。現在では平均年齢25歳のメンバーとともに毎月300本超の記事を配信している。愛車のボディカラーを社名にするほどのエンスージアストだが、新しいテクノロジーへの関心も強く、最新モデルは常にチェックしている。
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