2022年9月
■2022年9月
メルセデス・ベンツ日本は、新型電気自動車(EV)となる「EQS 450+」を2022年9月29日に発売した。
今回発売された「EQS 450+」は、メルセデス・ベンツが長年培ってきたラグジュアリーと快適性の理想を実現したEVだ。新たにEV専用のプラットフォームを設計・開発しただけではなく、内外装に機能性とデザイン性を兼ね備えた装備をあしらっている。また、リアアクスルに電動パワートレイン(eATS)を搭載し、最高出力333PS[245kW]を発生。バッテリーのエネルギー容量は107.8kWhで、航続可能距離は日本で販売されているEVで最長の700kmと公表されている。電気モーターには、永久磁石同期モーター(PSM)を採用した。
エクステリアデザインは、「センシュアルピュリティ(官能的純粋)」をコンセプトに、グリーンハウスを跨いで続く「ワン・ボウ(弓)」のラインとサッシュレスドアによって、クーペのようなシルエットを形成。また、メルセデス・ベンツの典型的なシルエットとは異なるキャブフォワードデザインを取り入れて、通常よりも前方に配置したAピラーと前後のショートオーバーハングによって、ゆったりとしたキャビンスペースを確保した。フロントフェイスは「ブラックパネル」ユニットに統合され、超音波センサーやカメラ、レーダーセンサーなどが組み込まれているが、それらが表から見えることはなく、クリーンで独特の存在感を放っている。
インテリアデザインでは、オプションで設定されるMBUX ハイパースクリーンに注目。3枚の高精細パネル(コックピットディスプレイや有機ELメディアディスプレイ、有機EL フロントディスプレイ[助手席])とダッシュボード全体を1枚のガラスで覆うワイドスクリーンで構成され、そのまわりを、細いシルバーのフレームやエアアウトレットを組み込んだルーバー状のトリムなどが囲んでいる。エアアウトレットはジェットエンジンのタービンを模したデザインで、複雑な形状を持つタービンブレードは、エアコンの空気を効率よく配分する。センターコンソールの前部はダッシュボードにつながり、下側は宙に浮いたような構造となっている。
また、シンプルなデザインながら造形美にこだわったシートを採用。サイドサポートのラップアラウンド形状が乗員の身体を支えるとともに、シートの中央部とのコントラストによる立体感を生み出している。オプションのAMGラインパッケージではスポーツシートが標準で装備。スリムな一体型の形状が特長で、シート表面は本革のカバーを上から掛けたように見えるデザインを施している。ディスプレイの表示は複数のスタイルからカスタマイズすることが可能で、スポーティ、クラシック、ジェントル、ナビ、アシスト、サービスの6つを設定した。
サスペンションはフロントに4リンク式、リアにマルチリンク式を採用。連続可変ダンピングシステムADS+とエアサスペンションを組み合わせたAIRMATICを標準装備した。また、大きなボディのEQSをコンパクトカー並みに容易に扱えるようにするのが技術陣の開発目標のひとつで、異例の取り回し性を実現したのが最大4.5度のリア・アクスルステアリングである。これはステアリング操作だけでなく、ブレーキやサスペンションなどの車両ダイナミクスコントロールに統合制御されている。
安全面では、車両接近通報装置や予防的乗員保護システム「PRE-SAFE」、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック (自動再発進機能付)、アクティブステアリングアシストなどを装備した。