マツダ ロードスター 「ND1。」のユーザーレビュー

ND1。

2020.7.26

総評

　現代の小型オープンカーとしては、総合的に見てベストの選択肢だと思う。買える状況下にある人は、是非買っていただきたい。純粋なガソリン仕様のエンジンを採用した車で、今後、このようなモデルは出て来ないはず。

　ただ、自分で弄って楽しむことを重視する人にはNAやNBを勧めるし、速さも欲しい人にはNCやS2000を勧める。

満足している点

　内外装のデザインが格好良い。歴代のマツダ車の中でも、3本の指に入るのでは。まあ、NCまでの可愛らしさはあんまり無いけども。

　また、1,5リッターの直列4気筒エンジンが一般道ではちょうど良い塩梅で、1tぐらいしか無い軽い車体重量と相俟って、アクセルを踏める場面が多くて楽しい。なのに、燃費も良い（スカイアクティヴ仕様になったマツダ車全般に言えることだが）。

　さらに、NDの為に新規に開発したマツダ内製6速MTの操作感も素晴らしく、変速操作自体が快楽そのもの。

　手動開閉式の幌もNC以上に楽になった。これを知ってしまうと、重くなる（交換時の価格も高くなる）電動式の幌なんぞ必要無いと思うだろう。

　2018年中盤に行われた年次改良で、ステアリングにテレスコピックが追加された。これが、地味に良い改良だと思った。

　一番の満足点は、マツダのエンジニアや役員の方々の姿勢。ロードスター愛が強く感じられ、安心して乗り続けられる。

不満な点

　車内の収納は、車体サイズやデザイン面の影響を受けたせいなのか、割り切りが強く感じられる。助手席前のグローブ・ボックスが無い点は、ホンダ・S2000を彷彿とさせる。

　初期型は、ステアリングの調整機構にテレスコピックが無い。2018年半ば頃以降のモデルには導入されているので、それ以降のものを勧める。

デザイン

5

　個人的に、歴代のマツダ車の中では、FD3S型RX-7やマツダ3と並ぶ傑作デザインだと思える。

走行性能

5

　リア側のサスペンションのストロークがやや短いようにも思えたが、一般道で楽しむ分には何の問題も無い。

　グレードによって多少異なるが、基本的には、意図的な荷重移動を積極的に楽しむためのセッティングという感じ（ピッチやロールの量がやや大きめ）。余計な介入も無いので、物理法則に従った運転をしないと上手くいかない。

　幌仕様の1500㏄モデルは先代のNCよりも遅くなり、非力と言われることもあるが、一般公道で運転を楽しむ分においては、パワーは少し控えめである方が、アクセルを踏める区間が長くなったりして良かったりする。長い登り坂以外で、不満を覚えることは無かった。

　また、軽い車体重量はブレーキやタイヤ等の消耗部品の長寿命化にも寄与するので、お財布にも優しい。

乗り心地

4

　個人的には、何の文句も無い。RSにはビルシュタイン製のダンパーが標準で付いているが、そんなに硬いとは感じなかった。

　静粛性や振動等は、幌仕様のオープンカーなので、こんなもんだろう。

積載性

2

　車体のサイズが小さいので、そんなには載せられない。でも、軽のオープンカーよりはマシ。

　幌を収納しても荷室容量が全く変わらないところなんかは、歴代通しての美点と言える。

燃費

5

　歴代最高峰の低燃費ロードスター。ちょっと元気に走っても、NCより確実に燃費は良い。

価格

4

　電動屋根のRFを含め、新車価格が300万円を軽く超えてしまうグレードが多くなったけれど、現代の時代背景を考えれば、高過ぎるとは思わない。

故障経験