マツダ フレアクロスオーバー 「マツダSUVの最小クラスを担当」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

3

デザイン
4
走行性能
3
乗り心地
3
積載性
5
燃費
4
価格
2

マツダSUVの最小クラスを担当

2022.6.24

年式
2020年2月〜モデル
総評
SUVが人気であることは軽自動車の世界でも同じだ。本格的なクロスカントリーモデルのスズキ「ジムニー」の納期が未だ1年以上であることからも伺える。マツダがジムニーをOEM車に選ばなかった理由は、そこまでの悪路走破性を求めなかったからだ。むしろ市場では、乗用車ライクなSUVであるハスラーの引き合いが強いと踏んだのだろう。
満足している点
ベースとなったハスラーの満足ポイントになるが車体設計の基本がしっかりしていることだ。軽自動車はとかく正しい運転姿勢がとれる領域が狭いと言われる。体躯による影響が大きいのだ。そこをシートリフターの適正な高さ調整と座面の角度調整を行うことで対応。ステアリングにテレスコ(前後調整)機構はつかないが、正しい運転姿勢がとれるようになった。
不満な点
現在、軽の乗用車において不満を抱く点は非常に少ない。もっとも登録車と同じ安心感を求めてしまえば無理があるが、枠組みを理解した上で乗れば道具としてのすばらしさを実感できる。ないものねだりでいえば、せっかくACCが完全停止型なので2秒以上の停止保持ができるEPB(電子制御パーキングブレーキ)の設定を望みたい。これはハスラーへの要望でもある。
デザイン

4

スズキの軽SUV「ハスラー」のOEM車両(他社ブランド供給の自動車)として販売される。専用デザインとしてはボディ前後のマツダエンブレムへの換装が主なところ。ハスラーのセールスポイントでもある2トーンカラーも継承され、塗り分けラインも同一だ。初代ハスラーから継承されたウインカー一体型丸目ヘッドライトは、ウインカー部分の張り出し面積を増やして目力を向上させた。
走行性能

3

直列3気筒0.66Lエンジン+小型電動モーターで、NAとターボの2タイプ。それぞれにFFと4WDを用意する。ここもハスラー同様。ターボモデルに余力があるのは当然として、NAエンジンでも十分な動力性能。1人乗りであれば高速道路でもパワーの余裕こそ少ないが、安心して走っていられた。SUVチックなデザインだが直進安定性が高いことも意外な発見だった。
乗り心地

3

軽自動車は駆動方式で乗り心地が大きく変わる。FFから4WDになると後軸重が増えることから突き上げが強くなる傾向に。他社の軽自動車で4WDの後輪サスペンション形式を変更するのはスペースの問題と乗り心地の課題を克服するためだ。その点はフレアクロスオーバー(ハスラー)も同じ。トーションビーム式からアイソレーテッド・トレーリングリンク式として荷重分散を行った。
積載性

5

軽自動車の枠組みがあるのでスペースの拡大には限界がある。フレアクロスオーバー(ハスラー)では後席を倒し、さらに助手席と運転席までを倒すことで車内をほぼフラットなスペースにできる。ちょっと狭いが就寝マットを敷けば2名での車中泊も可能だ。また、ラゲッジルームと後席の背面を汚れがつきにくい素材としていることから、アウトドアグッズなどもそのまま収納でき便利だ。
燃費

4

マイルドハイブリッド用モーターはNAが2.6PS/4.1kgf・m、ターボが3.1PS/5.1kgf・mと異なる。加速力や燃費数値にはトルクが関係する。また0.66Lの小排気量なので過給効果の高まらない領域では電動モーターのアシストに助けられる。実際、同じ道路環境で比較試乗するとターボのほうがカタログのWLTC値(FFで22.6km/L)に近い数値を記録し続けた。
価格

2

NAモデルが1,442,100円から、ターボモデルが1,691,800円。これにカラーリングや特別装備を加えたXT SPECIALが1,674,200円から加わる。装備内容の微妙な違いからハスラーよりも若干高めだが、OEMなのでマツダ向けに変更した箇所や搬送費用などを含めるとすれば納得だ。また、こうした売れ筋の軽OEMはディーラーやメーカーにとって台数増が見込めるため歓迎される。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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