ジャガー XF 「ジャガーネス。」のユーザーレビュー

ジャガーネス。

2024.8.11

総評

カラー、デザイン、マテリアル、パワートレイン、そしてドライバーズシートに座って得られる五感のすべて。

『ジャガー』というブランド、クルマに求められる世界観と魅力が余すことなく込められている、そう考えます。


【重要】
本レビューは以前乗っていた2.0Tとの比較が大半を占めています。
車種固有のレビューについては以下をご覧下さい。
https://minkara.carview.co.jp/smart/userid/2479847/blog/44987751/

満足している点

ブリティッシュレーシンググリーンの車体色、
スーパーチャージャーの強烈なトルク感、
余裕のあるパワーソース。

不満な点

(2.0Tと較べて)
さらに悪化した燃費、
下り坂で顕在化した前輪荷重、
失ったシートベンチレーション。

デザイン

5

やはり伝統でもあるブリティッシュレーシンググリーンの車体色。

夜間や曇天の下ではジャルダンを連想するダルトーンながら、輝く太陽を浴びると目の覚めるようなコロンビアエメラルドに変化する、非常にドラマチックなカラー。

250系XFの特徴である、エンジンフードからルーフラインそしてリアセクションへと流れるようなシルエットに、より一層の美しさを添えています。

走行性能

4

スーパーチャージャーの存在と、それによる全回転域での強烈なトルク感。

2.0Tの時に挙げた『発進時にアクセルを軽く踏まないと前進しない』ネガが完全に消え去り、ブレーキから足を離しきる前にタイヤへ明確なトラクションがかかります。

Sレンジにてパドルを引けば5300回転まで途切れることなく一気に吹け上がり、ダイナミックモードをオンにすればやや高めの回転域を保持してリニアなアクセルレスポンスを示してくれます。

リラックスモードと思われるDレンジでの中間加速も爽快で、まるで『遥か前方から引っ張られる』かのような印象を受けます。


反面、エンジンが直4ターボからV6スーパーチャージャーになり、フロントが重くなったのを実感します。

特にヘアピンカーブが続く箱根の下り坂などでは事前に十分速度を落とさないと簡単にガードレールへ突き刺さりそうです。
(もっともエンジンブレーキは遥かに強力なので、フットブレーキ多用によるベーパーロックは避けられるかと)

オーバースピードにさえ留意すれば持ち味のハンドリングは健在なのでライン取りは比較的簡単に決まるでしょう。

乗り心地

5

エンジンパワーに余裕があるので大人5人乗車で高速道路を走っても不満は感じません。

その一方で心臓部の性能向上により足回りが力量不足を呈するかと思いきや、高架の継ぎ目やアスファルトのザラついた路面でもNVHの低減(特にハーシュネス)は十二分なレベルで(タイヤを新調したのもあるでしょうが)、伝統の猫足は健在と言えるでしょう。

もっともエンジンとブレーキ以外はボディ、サスペンション、タイヤサイズとも2.0Tと同じなので、基本設計の良さを改めて実感しました。

積載性

3

やはり絶対的な積載性はミニバンやSUVに譲ります。
リヤシートを倒さずともゴルフバッグとボストンバッグを各々3つずつは積めるので、セダンとしては合格かと。

燃費

2

燃費は相変わらず悪いです。

2.0Tの時は発進時のトルク不足からアクセルを開けていたのですが、3.0SCは単純に渋滞時や信号の多い道路でのアイドリングで燃料を浪費します。

アイドリングストップ機構は着いていますが、真夏の昼間にエアコン全開にしている状態では殆んど作動しない(かと思いきや変なタイミングで唐突に作動する)のでOFFにしています。

なので8月現在は一般道で4.5km/L、高速では12km/Lです。

価格

3

250系最終型の2015年モデルでも新車から9年経つということもありますが、ダイナミックモード付きの3.0プレミアムラグジュアリーが140万とは新車当時を考えたら破格かと思います。

前車で250系の故障するポイントは理解したつもりですが、V6SC特有の弱点などは未履修なので気をつけたいと思います。

故障経験

乗り換えてからは今のところなし。
(雷＋豪雨の夜に外気温が一度だけマイナス40℃を指したものの、翌日以降は元に戻ったので問題なし)