ジャガー XF 「ジャガーＸＦ2.0プレミアムラグジュアリー 2014」のユーザーレビュー

ジャガーＸＦ2.0プレミアムラグジュアリー 2014

2015.9.13

総評

同クラスのＦＲ独車（Ｅクラスや5シリ）に比べてもしなやかで「曲がりたがる」シャシーかも知れません。
特に高速道路でのＲの大きなカーブにおける爽快感は特筆モノで。
それこそ「地面スレスレを翔ぶ様に」旋回して行きます。
ソコソコ重く、ホイールベースも長く、トレッドが広い事で脚を固めずともロール方向の躾が上手く行っているのでしょう。

「人間は失敗する生き物だから、そうなった時にもクルマが安全を確保する！」といった『人間を信用しない』開発思想が垣間見える独車に比べて。
「アブない事すんなよ、解ってるよな？じゃあ楽しいドライヴを＾ー＾」
みたいに『責任とプレジャーを等しく与える』のが英国流か？ｗ

流行りの「電動パワステ」や「ツインクラッチ」を採用しないネガよりも、自然な操舵感覚や余裕のある変速フィールといった「感覚に馴染む」部分の演出が巧いなあと思いました。

同じく島国である日本と英国。
200ｋｍ/ｈオーバーの超高速域に於けるスタビリティに心血を注ぐ独車たちに対し、一般道やカントリーロード、ワィンディングでのクルマとのコンタクトを重視した作りに感心します。
日本で乗るならむしろコッチかなとも思いますね。

総じて楽しく乗れて運転が飽きないクルマだと思いました、数字に惑わされなくなった「エンスー入口」の貴兄に。ｗ

※下取りの悪さがネックなので★3つ。

満足している点

なんと言ってもそのスタイル。
全長4970ｍｍ、ホイールベース2900ｍｍはベンツで云うとＣＬＳサイズ。
＝Ｅクラスよりも大きいのですがその大きさをスタイルに充当しており、全体的なフォルムは伸びやかでまさに４ドアクーペと云った趣き。
ＭＣでＸＪ面になっても違和感は無く、むしろバランスよく纏まっていると思います。

特に斜め後ろから見たフォルムは同じ英国車の雄『アストンマーティン』の様。ｗ
僕の好きな新世代アストン各車やル・マンレーサーである日産Ｒ390ＧＴ1をデザインしたイアン・カラム。
ジャガーらしくは無いのかも知れないけれど、正統派カッコイイ車になっており。
『良い仕事してるなあ・・・』と思いますね。＾＾

この体躯を2Ｌターボの「フォードエコブースト」で駆動するのですが、ギヤ比の関係か発進は速過ぎるくらい。
青信号で「普通に踏む」と車群からとび抜けます、軽快な乗り味に一役買ってますが・・調子こいて踏んでると燃費に悪影響・・・。ｗ

ハナ先が軽いせいか1750ｋｇという決して軽くない実重にも拘らず運転感覚は軽快で、運転中「ＦＲらしさ」を存分に味わえるナカナカのドライバーズカーです。

正直事務的になりがちなこのクラスのセダンが、曲がってこんなに面白いとは思いませんでした。

これだけスポーティでも乗り心地が快適なのは結構凄い事だと思います、同じ会社のせいか？ディスカバリー4と似た感じのストローク感があるのに無駄に揺れない優しい乗り心地。

ビシバシ来るドイツ系とは一線を画しますな。＾ー＾

スタイルの為Ａピラーが内側に絞り込まれていて視界が良くないですが、アウディＡ5に比べればまだまだマトモ。
辛うじて肯定出来るパッケージングだと思います。（良い点じゃないか？ｗ）

不満な点

２リッターエンジン搭載車では上級グレードにあたる「プレミアムラグジュアリー」なのにリヤシートヒーターが無いのは減点対象。
キメが細かく肌触りの良い「ソフトグレインレザー」だけに残念でならない。

２人分のシートメモリーが付いて居るのは良いのだけれど、ＢＭＷの様に「それぞれのキーで開錠するとそれぞれのシート位置まで自動で動く」様だと更に良し。
しかもシートメモリースイッチ部に照明が無いので、夜闇だと乗る前にセットしづらい。

ブルートゥースオーディオ/ハンズフリーフォンに対応しているのはイマドキ普通だが、ＤＶＤナビはチョット辛い。
クルマで「タッチパネル」というのも「目視を必要」とするので一考の余地あり、独車のロータリーコントロールが良いとは言わないが・・・。

燃費は高速巡航13ｋｍ/Ｌ、下道で普通に踏んでると結構ブーストが掛かっちゃって7ｋｍ/Ｌ以下。ｗ
発進で務めてゆっくり走り出す努力が必要です。

新古車とはいえ、納車から１か月以内にターボの配管が外れて雨の中立ち往生、以前リコールが出た部分が基本改善されていない恐れがあります。
で、こういう時の救済策が出先だと「ジャガーコール」位しか無いのでJAF会員登録は必須。
この脆弱さがジャグヮーイズム。ｗ

数年乗った後の「下取り査定」は目を当てられんモノがありまして。ｗ
2年乗った730万のＸＦが5年弱のディスコ4（760万）より50万も安いとゆー・・・。

それもジャグヮーイズム。（爆）
年老いた実父の如く動かなくなるまで面倒見ましょう。ｗ

デザイン

5

伸びやかでアストンマーチンにも通ずるスポーティなサイド～リヤビューはセダンとしては最高にカッコいい。

「目」が切れ長で好みの分かれるところですが、コレが丸目4頭だとクラシカルなジャガーそのものになりますね。

走行性能

4

フォードエコブースト2.0を採用し、低回転から太いトルクでグイグイ走る。

ゼロ発進から気が付くと車群を飛び出し軽快なスタートダッシュを決めている事もしばしば・・・。ｗ
トレッドが広くて限界が高いのでとんでもない旋回速度で走ってたりする、快速サルーン。

2Ｌで文句無し、というよりむしろＶ6やＶ8よりもアタマが軽くて動力性能上好ましい。＾ー＾

ココは「エンジンの格」に然程拘らない英国車の面目躍如。

乗り心地

4

柔らかい足回りながらホイールベースもトレッドも大きいので、しなやかにロールし、限界はすこぶる高い。
ネコというほどではないがしなやかでコシのある「ジャガー足」ｗ

操縦性は極めて良好でスポーツサルーンの名に恥じない、ドイツのライバルよりも動的路面追従性にすぐれ、メカニカルグリップは秀逸。
ウネリのある峠道なら確実にＢＭＷよりも速いアシ。ｗ

積載性

3

大きさ、長さの割りに見るモンは少ない。
５シリーズよりも狭く、小さい。
といっても生活する上で困るほどでもなく・・、まあスタイルや色気とトレードオフですな。

燃費

2

踏むと激悪い。

市街地踏んで6.5ｋｍ/Ｌ大人しく走ると10ｋｍ/Ｌほど。
山岳路は7ｋｍ/Ｌくらい。
高速は常識的な巡航で13ｋｍ/Ｌくらい。

価格

-

故障経験

コンプレッサーハウジングに繋がる吸気配管が外れてエンジンが止まり、立ち往生。ｗ
この部分はリコールが出ていて、ウチのクルマはリコール対象以降の製造だったにも拘らず同じ症状が出たとゆーいい加減さ。ｗ
まあ、この辺り気にしてるとジャガーには乗れない？￣△￣；

「機械だもん、壊れるさ！？」

という英国からのメッセージです。ｗ
独御三家やレクサスならカチ込みかけるイキオイ。