ジャガー XE 「毎日を彩るスポーツサルーンとして最高の相棒」のユーザーレビュー

毎日を彩るスポーツサルーンとして最高の相棒

2021.3.7

総評

XFがビジネスサルーンとしてゆったり目な乗り心地に対して、XEはスポーツサルーンとして走りに特化した乗り味なのが特徴
コンパクトクラスで感じられるキビキビとまでは行かないものの、Dセグメントとしては抜群の機動性を備えています。
これぞジャガー、と思わせるスポーツカーとして作られつつ日常使いも問題のない車として出来た完成度の高い車だと思います。

僕の車はオプションの"アダプティブダイナミクス"を装着しているので電子制御によるダンパー減衰力の最適化が行われており、ダイナミックモードに切り替えるとその実力を最大限発揮出来るようになります。
峠などをよく走る・流す方ならあって損は無いオプションだと思います。

乗り心地もPure・Prestige・PortfolioとR-Sport・S、アダプティブダイナミクスの足がそれぞれ違いますので、グレードによってマイルド→固め→中間で変幻自在と変わるので注意です
(現行モデルはグレードが変わってS、SE、HSEに合わせR-Dynamicが選択出来るので詳しくはセールスにお伺い下さい)
個人的にはR-SportとSの足は固すぎて、生活圏で日常の足としては苦痛かなと感じるレベルでした。
購入を考えておられる方はディーラーをハシゴしてでも必ずそれぞれの足の試乗を行ってみて下さい。

最後に人を乗せる時の注意点ですが、
「低すぎて乗り降りしんどい」
って言われるのは諦めて下さい(笑)

満足している点

無駄な装飾の一切が無い美しいボディライン、落ち着きがありつつその気にさせるコックピットディテール、十分な運転席レッグルーム

そしてなんと言っても走り出しから感じられる圧倒的トルク感と駐車場から出るだけで感じられるステアフィールの気持ちよさがこの車最大の長所だと思います。
目線に合わせ特に意識する事無くハンドルを曲げるだけで思った通りにコーナーを曲がれる数少ないクルマでもあり、大きさを意識する機会は余程狭い道でも走らない限りは無いに等しいです。

ブランドの存在感からか敬遠する方がほとんどのジャガーですが、これがBMW 3シリーズと大差ない価格で購入出来る上(中古ならより安く買えるのも長所)、
ほぼメンテナンスフリーでオイル交換とDEF(AdBlue)補給のみ行うだけで長期間走ることが出来ます。

ブレーキパッドも純正の物を使用している限りはセラミックパッドなので外車によくあるホイールへのダスト汚れはほぼほぼ皆無なのも好ポイントかと思います。

75％アルミボディで車重がディーゼルでも1,660kgしかないのも走行性能や燃費に影響し、ゆっくり走れば僕の走行で18km/Lくらいは普通に叩き出します。
ゆっくり走れば。(笑)

不満な点

とにかく走りに特化し、軽量を謳う反面で内装の細かい所では取り付けに難があるのか、個体によって小さなビビり音が発生します。
自分で体験した中では代車のガソリンエンジンのXEが最悪で、Aピラーあたりから延々とｷｭﾙｷｭﾙと耳障りな音が鳴っていました……
幸い僕のXEにはそこまでのビビり音は無く、重低音の効いた音楽をガンガン鳴らした時だけ内装がビビる感じです。
今まで高級車を乗り継いできた方や、国産車で静かな内装でないと気が済まない方には気になるレベルではあるとお伝えしておきます。
とにかくエンジン音もマフラー音も室内空間も静かでないと満足出来ない方は、そういう類の車では無いので諦めて他を当たって下さい(笑)

デザイン

5

イアン・カラムさんが手掛けた3本のラインからなる美しいサイドラインと、無駄のないシンプルなデザイン
こんなのジャガーじゃない！と昔ながらのオーナーに言われがちですがキッチリとヘッドライト内には丸目4灯が残っており、リアはF-Typeを彷彿とさせるLEDテールが存在感をアピールしてくれます。
これぞ現代のジャガーが追い求めるスポーツカーだと言うのがひしひしと感じられるそんなクルマです。

内装はXEとF-PACEは共通でクルーザー船のコックピットのような周囲のデザインから、ドライバーを包み込む戦闘的な部分までシンプルながら完成されたデザインです。
特にお気に入りは左右エアコンダクトからドアへと伸びる凹凸の秀逸なデザイン。

走行性能

5

満足している点にも書きましたが思った通りにコーナーを走れるクルマです。
ジャガー自身がセダン版F-Typeと言う通り、走行性能に関してはライバル車種を凌げる部分があります
パワーでねじ伏せると言うよりもコーナーで魅せつけていく性格で、サーキット等より山間部を走った際に際立つ気持ちよさが魅力だと思います。

台数限定で5.0L V8エンジンの"XE SV Project 8"というニュル最速セダンと言う記録を持っているXEも存在し、車幅は違えど同じDNAを持つ車なのが確かな走りを感じられます。

乗り心地

3

総評に書かせて頂きましたがグレードやオプションによって足が違うので好みに合わせて選ぶ必要があります。

僕は乗り心地と走行性能を最優先として車を選ぶので、これが無いと始まらないという感じ。
MT車でもシトロエンでも無いのに僕の心をいとも簡単に射抜いたXEの実力はかなりのものだと自負しています。

積載性

3

後部座席を倒せばタイヤ4本は余裕で収まります。
買い物も1週間分買い溜め(4人家族)でショッピングに行って、スーパーのカゴ3つ分買っても余裕でトランクに入ります。
セダンなので高さがある物は積み込めないのはご愛嬌。

燃費

4

JC08モードだと17.1km/L
京奈和自動車道を使った通勤レベルでゆっくり走るとなんと25km/L
僕の通常運転(笑)で山麓を走るルートだと15〜17km/Lといった感じです

軽油でこれだけ走るなら十分経済的かと思います。
僕は年間2万kmペースの走行なので、ハイオク車と比べると5年も乗ればかなりの差が開きます。
ちなみにXEのガソリン車は通常運転(笑)で11km/Lでした。

価格

4

正直言って高い買い物だとは思います。
自分は背伸びしてるので7年ローンで月4万、総額720万ほどになります。
皮シートや足回り、オーディオ等のオプションを付ければ付けるほどグングン値段も上がるので要注意、僕みたいになりますよ(笑)
一番安いグレードだと現行モデルでは570万ですが、僕の購入当時では430万という破格のモデルも存在しました。

値段の面では正直言ってオススメ出来るかは微妙です
ライバル車種であるBMW 3シリーズ、メルセデス Cクラス、AUDI A4、アルファ ジュリア等と比較すると妥当ではありますけどね。

故障経験

アイドリングストップ機能を切っていないとエンジンマウントが年1回のペースでお釈迦になります。
内部に圧縮空気を送り込んでスムーズさを保つ特殊構造と聞いていますが、ここはさっさと対策してただのゴムにして欲しいと思っている所です_(:3｣∠)_
一応対策品に交換はされていますが、効果の程はちょっと怪しいかなと思い始めてます……(交換から約1年経過の段階)

それ以外には故障は一切無しで、優秀な部類かと思います。