ホンダ S660 「異例づくし、奇跡の１台」のユーザーレビュー

異例づくし、奇跡の１台

2020.7.3

総評

※2020年時点のレビューです。

価値が下がりにくいです（5年で66％以上）。些末な欠点はあれど、マイナーチェンジ実施は神対応。見た目は同じも、ドアミラーウインカーやリアコンビランプのクリア化など、細部は仕様変更されています。そして、なにより恐らくこれがラストチャンス。販売台数や利益率を考えると今後フルモデルチェンジは……期待できません。2015年のデビュー当時、このクルマを手掛けたLPLは若干26歳！ このエピソード一つとってもホンダっぽいですし、開発から成り立ちまで異例づくし。奇跡の１台だと思います。

満足している点

※2020年時点のレビューです。

MC前のモデル（2015年式）から、現行3BA-JW5（2020年式）の乗り換えです。


MC後も基本同じと言う点。当初、このクルマのLPL（開発責任者）への取材は基本NGでした。会社として一個人だけを引き立てることは、チームとしてやっている以上好ましくないから？です（多分）。が、LPLが26歳と言う異例の若さ、発売直後は１年以上納車待ちと言うのもあってか、徐々に解禁。多くのメディアで取り上げられました。正直、26歳のLPLは狂気を感じましたし、他社ではまずあり得ないからです。〇〇じゃなきゃダメと言う〇〇警察が社内にいなかった（いたけど機能しなかった）ことが幸いでした。まさに奇跡

不満な点

不満な点...強いて挙げれば

※MC前の純正OPのドアライニング（↑）、MC後は装着不可（αのみ検証）

付けたい場合、MC後に設定されたツートン仕様（↓）に...



・センターディスプレイのオーディオ
オプションのディスプレイオーディオがMC前と中身がまったく同じという点。当然、FMワイドバンドには非対応

・サイドウィンドウの建付け
左右どちらもサイドウィンドウの取り付け（高さ調整）が雑なのか、閉じた際にゴムが切れる持病がMC後でもそのまま

・フロントブレーキ
ベンチレーテッドディスクじゃない点。古いライフやゼスト、ザッツでもターボモデルはベンチレーテッドディスクなので採用して欲しかったなーと

デザイン

5

外装・内装どちらもデザイナーはLPLと同様に若手が担当。グローバル展開するクルマなら実現できないような凝った造形が散見します。特にリアのエンジンフードはプレス担当の努力が感じられる部分です

走行性能

5

吊るしの状態でネガキャン。しかも履いているタイヤはアドバン・ネオバ（国産で純正採用は唯一これだけ）、そしてミッドシップ。これがすべてを物語っています

乗り心地

4

低い着座位置とバスタブ構造は乗り降りがし難いかもしれません

積載性

1

ほぼゼロです

燃費

5

高速走行時でℓ／20㎞を下回ることはまずありません。スポーツカーで見れば低燃費です。平均はℓ／15～16㎞くらい

価格

5

専用装備盛りだくさんのS660にあって共有パーツと言えばエンジン。S660のエンジン（S07A型）はボンネビルで世界最速記録（421.595㎞/h）を達成。MRレイアウトにはじまり、バスタブ構造やオープントップなど、総販売台数４万台未満のクルマでは異常？と思える内容。加えて前期のβ（ベータ）なら200万円台を切る新車価格を実現。価値が下がりにくいことを踏まえればお値段以上じゃないかと


※S07Aエンジンの違い

故障経験

※MC前、色飛び（カーニバルイエローⅡのみ）、ハンチング、リアコンビランプの曇り、錆び等々、いずれも無償対応